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関西支社

平成19年度 第二回新名神高速道路大阪府域 地下水流動対策検討委員会議事録

1.日時

平成20年2月22日(金曜) 13時25分~15時20分

2.場所

メルパルク大阪 5階「コムナーレ」

3.出席者

委員長
西垣 誠(岡山大学大学院 環境学研究科 教授)
委員
青木 一男(大阪工業大学 工学部環境工学科 教授)
委員
谷口 真人(大学共同利用機関法人 総合地球環境学研究所 准教授)
委員
小松 満(岡山大学大学院 環境学研究科 助教)
委員
小山 倫史(京都大学大学院 工学研究科 研究員)
関係行政
井出 仁雄(大阪府都市整備部 交通道路室 道路整備課 参事)
関係行政
倉橋 隆男(高槻市 都市産業部 部長)
関係行政
梅田 健治(茨木市 建設部 部長)
関係行政
乾 晃夫(豊能町 建設水道部 部長)
関係行政
西尾 末生(箕面市 都市環境部 部長)
関係行政
山田 里司(池田市 都市整備部 部長)
NEXCO
早川 和利(NEXCO西日本 関西支社 副支社長)
NEXCO
塩谷 貴史(NEXCO西日本 関西支社 大阪工事事務所 所長)
NEXCO
平山 隆(NEXCO西日本 関西支社 大阪工事事務所 副所長)
NEXCO
根井 靖彦(NEXCO西日本 関西支社 大阪工事事務所 技術課長)
NEXCO
紙田 直充(NEXCO西日本 関西支社 大阪工事事務所 高槻東工事長)
NEXCO
上田 武志(NEXCO西日本 関西支社 大阪工事事務所 高槻西工事長)
NEXCO
森永 孝(NEXCO西日本 関西支社 大阪工事事務所 茨木東工事長)
NEXCO
宇根 孝司(NEXCO西日本 関西支社 大阪工事事務所 茨木西工事長)
NEXCO
池内 泰文(NEXCO西日本 関西支社 大阪工事事務所 箕面工事長)
事務局
橋本 朝夫(NEXCO西日本 エンジニアリング関西 道路技術部長)
事務局
上出 定幸(NEXCO西日本 エンジニアリング関西 技術顧問)

4.議事次第

(1)開会
(2)出席者紹介
(3)NEXCO西日本挨拶
(4)委員長挨拶
(5)議事
1)新名神高速道路大阪府域の事業進捗状況について 
2)地下水流動対策に関する現在までの検討内容等について 
3)地下水流動対策検討に関する今後の進め方について
4)その他 
(6)閉会

5.議事

1)
新名神高速道路大阪府域の事業進捗状況について

NEXCOから【資料-1 (91KB)PDFファイルを開きます】に基づき報告を行った。

  • NEXCO大阪工事事務所では、新名神高速道路大阪府域28.9kmのうち、当面着工しない区間である八幡~高槻間9.4kmを除いた高槻~府県境までの19.5kmの事業を展開中である。

現在、トンネル区間である豊能町域及び池田市域を除いた、高槻市域、茨木市域及び箕面市域で用地買収に向けた作業を進めており、高槻~府県境間全体で、完成形での地元設計協議が約84%、用地境界となる幅杭の設置が約42%完了している。

2)
地下水流動対策に関する現在までの検討内容等について

事務局から【資料-2 (485KB)PDFファイルを開きます】に基づき報告を行った。

  • 当該検討委員会は、トンネル及び道路掘削による地下水への影響を解析するための手法を検討するとともに、影響があると判断された場合は対策工の検討を行うことを目的とする。
  • 対象とする箇所は、高槻~府県境に位置する5箇所のトンネル区間と高槻市成合地区の切土1箇所とする。
  • 地下水への影響を解析する際に必要な、地山の基底流量を把握するため、主だった河川・沢の連続流量測定(平成20年4月・6月・10月・12月)等を実施予定である。
    また、地山の状況(透水性等)把握のため、必要に応じてボーリング調査等を実施する。
  • 地下水への影響を解析するための方法については、トンネル掘削による地下水挙動の予測に適した「3次元浸透流解析(3次元飽和-不飽和浸透流解析)」を採用する。
    ただし、成合地区の切土に関しては、断面2次元解析あるいは準3次元解析で行う。
  • 地下水への影響を解析するに当たって、どのファクター(定数)が最も影響を与えるかを把握するため、原トンネル(仮称)を例に感度解析を実施した。

その結果、やはり地山の表層及び基盤部の透水性が最も影響を与えることが判明したことから、これら地山の透水性を出来る限り精度を高めて把握することが重要と考える。

3)
地下水流動対策検討に関する今後の進め方

事務局から【資料-3 (18KB)PDFファイルを開きます】に基づき報告を行った。

  • 平成20年度以降は、地下水への影響を解析するために必要な基底流量、地山の透水性等を把握するための調査をまず行い、その結果に基づいて「3次元浸透流解析」による影響範囲の解析を行う。
    なお、解析により地下水への大きな影響があると判断された場合は、その対策工の検討を行うこととなる。
  • 浸透量の算定に必要な降雨量については、現地に近接する他機関(土木事務所等)の降雨データを活用したい。近傍にない場合は、独自に測定することにする。
4)
その他

NEXCOから、水質試験等の実施及び自然環境保全検討委員会の現況について報告。

  • 当地下水流動対策検討委員会での検討事項ではないが、自然由来の重金属に関してバックグランド把握のため、平成20年度に主な河川・沢において水質試験を行う予定である。
    また、既存のボーリング調査のコア(試料)を使って、土壌における自然由来の重金属の含有量試験及び溶出量試験を、同じく平成20年度に行うよう計画している。
    なお、対象とする重金属は、砒素・鉛・フッ素・ホウ素の4項目を予定している。
  • 新名神高速道路大阪府域(高槻~府県境)の希少動植物を主とした生息・生育状況把握及び保全対策検討のため、平成19年2月1日に「新名神高速道路大阪府域自然環境保全検討委員会」を設立している。
    朝日 稔 委員長(兵庫医科大学 名誉教授)を始め7名の有識者とNEXCO担当者で構成する。現在は保全対策検討の基礎資料となる希少動植物等詳細調査を実施中(平成19年9月~平成20年8月)であり、調査完了後、工事実施に向けての保全対策の検討作業に着手する予定である。
    沢等の水量に影響を受ける希少動植物等も存在することから、地下水流動の影響範囲が想定された段階で、当該自然環境保全検討委員会にも対応を諮る予定である。

6.主な討議内容

行政A
感度解析の概要は、現地のデータから解析モデルのパラメータを推測し、個々の地域状況に合う解析モデルを見つけていくということか。
委員A
そうである。今回の感度解析は、各パラメータにおいて一般的な変動幅を与え、どのパラメータが解析上重要であるかを把握するためのものである。地山基盤部の透水性や表層部風化層の透水性が、トンネル湧水量に大きな影響を与える。現状にあった解析結果を求めるためには、きちんと現地調査を行い、長期的なデータを取得することが重要である。解析結果が出たら、トンネル掘削の影響を推定し、影響があると判断されれば事前に対策の検討を行うことになる。
委員A
行政には、NEXCOにどうしてほしいのか等、住民の意見を聞いてほしい。
行政B
農業用水が一番の問題と思われ、住民の不安を解消するようお願いしたい。調査に関する地元説明には、一緒に行っても良い。
行政C
箕面有料道路の事業で、多くの河川等で渇水や水位低下が発生した。地元は自然環境に対する影響に関心が高いと思われる。
行政D
計画されている調査方法が妥当なのか、地元に理解してもらうためにも、説明の際にはもっと判り易い資料が必要である。
委員A
今回の資料では、内容が専門的過ぎるかもしれない。地元の方が理解出来るような資料を別途作成すべきであると思われる。
NEXCO
出来るだけ一般の方にも判り易い資料を後日作成する。
委員A
解析に「3次元浸透流解析」を選択したのは、今ある技術の中で最も良いものを選択したからである。
委員B
解析モデルの提案には、次の3点が重要である。(1)解析手法(トンネルのモデル化に最も適する)(2)パラメータ(飽和-不飽和、1~3次元の全てで利用可能)(3)境界条件(影響力が大きい)
委員A
出来るだけデータは多くある方が良いため、早く現地調査を行いたい。
行政C
工事開始が早く、データを集める時間が少ないのではないか。
NEXCO
今の予定では、トンネル掘削は早いところで平成23年度以降となると思われ、調査期間はまだ余裕があると判断する。
行政A
全体工程から見た現在の進捗状況と今後の計画を、より判り易く説明出来るようにしておいて欲しい。
委員C
解析と現地データは両方とも重要である。解析と現地データの間でキャッチボールをしながら、解析に現地データをどう生かすかが重要である。
地元と行政、委員会と行政との間のキャッチボールも重要である。地元が不安を感じる点は、各地域で違うと思われるため、行政にリストアップしてもらえると今後の検討に有用である。
委員D
今の解析(感度解析)は仮定段階であり、今後は予測の精度が重要となる。現地データが多ければ多いほど解析結果が現状に近づく。従って、現地調査が重要であり、出来るだけ現地データがあったほうが良い。
委員E
解析の精度を上げるためには、取れる限りのデータを取得し、解析モデルに組み込む必要がある。それとともに、取得したデータ自体の精度も考慮する必要がある。解析結果が現状に合わなければ、モデルかデータに問題があると言える。今後は、解析結果が現状にあっているのか、実現象が現れているのかをチェックし、データ自体の精度を考える必要がある。
行政C
委員会の議事録を作成し公開してほしい。また、NEXCOのホームページに載せている委員会結果ももっと詳細なものにしてほしい。
NEXCO
議事録は作成し、公開するものとする。ホームページに掲載する議事内容の報告も、再考するものとする。
以上
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