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ニュースリリース

新名神高速道路 高槻第二JCT橋梁架設工事の今後の開通に向けた対応方針等について

平成28年3月30日
西日本高速道路株式会社

NEXCO西日本関西支社(大阪府茨木市、支社長:村尾 光弘)は、平成27年6月に新名神高速道路 高槻第二ジャンクション(JCT)(仮称)橋梁架設工事が遅延し、名神集中工事夜間通行止めの解除が大幅に遅れる事象が発生したことを受け、遅延の原因究明と再発防止策、今後の開通に向けた対応方針について、これまで有識者による技術検討委員会を設置し審議してまいりました。

このたび、その審議がまとまりましたので、審議結果を踏まえた今後の対応等についてお知らせいたします。

1.前回工事の概要

架設場所:
新名神高速道路 高槻第二JCT Cランプ橋(CP1橋脚~CP2橋脚間)

(所在地:大阪府高槻市美しが丘)

架設方法:
台車移動による一括架設
遅延時間:
(予定) 平成27年6月16日(火曜)午後8時から17日(水曜)午前6時
(実際) 平成27年6月16日(火曜)午後8時から17日(水曜)午前9時45分 (3時間45分の遅れ)
遅延した工事の状況:
架設工事は、架設桁と既設桁を連結するため桁の表裏から添接板をあててボルト接合作業を行うものですが、この作業が遅れたものです。
(1)
台車のジャッキにより架設桁の位置・高さを調整しつつ、架設桁、既設桁及び添接板にあらかじめあけたボルト孔を合わせてボルト挿入し締付けを行いましたが、ボルト孔があわずに想定以上に時間を要しました。
(2)
その後、ジャッキによる孔のズレ調整が困難になったため、桁の接合を確実にするため緊急的に既設桁に新たに孔をあけざるを得ず、さらに時間を要することとなり、大幅に作業が遅延したものです。

2.遅延の主な原因

委員会での審議等の結果、遅延となった事象の原因を下記の通り、確認・整理いたしました。

(1)
既設桁と架設桁との隙間(遊間)余裕が計画より狭く、架設の作業性が損なわれる状況でした。
(2)
これに加えて、架設開始時、架設桁の設置位置を下方に誤ったために、計画設置高さに向けてジャッキを下げる架設作業であるべきところがジャッキを上げる作業となり、ジャッキに対して負荷の高い作業となりました。
(3)
高さの調整にあたって、4基全部のジャッキの反力バランスを取りながらの作業とする配慮を欠いたために、ジャッキが過負荷となり、高さの調整が困難となりました。
(4)
また、作業遅延や交通解放遅延に対するリスクが、事前に十分に把握されていませんでした。

3.再発防止策

委員会での審議等の結果、再発防止策を下記の通り、整理いたしました。

(1) 架設の条件

必要遊間量について、隣接桁の温度変化による影響を十分に考慮し確保します。

(2) 架設作業

1)
桁架設時の高さ管理を徹底し、ジャッキ作業は下げ調整で行います。
2)
多軸台車上のジャッキ反力と伸縮高さの関係を事前に確認します。

(3) 施工計画及び架設時の工事管理

1)
不測の事態に対するリスクの洗い出しを行い、夜間通行止めの計画段階から、より細部の操作に至るまでの留意点を確認した施工計画を立案します。
2)
曲線半径が小さい桁を多軸台車により架設する場合は、架設桁の両端部にセッティングビーム(仮受桁)の設置を計画します。
3)
通行止め解除遅延を回避するため、作業を中止し、規制内から撤退する限界の時刻(作業撤退限界時刻) を設定し、撤退する場合の手順を予め設定します。

4.今後の開通に向けた対応方針

委員会での審議等を踏まえ、当該工事における今後の対応を下記のとおりとします。なお、これに伴う平成28年度内の開通目標への影響はありません。

(1)
不具合等は、架設当日緊急的に既設桁に新たに孔をあけた接合部2付近に発生しました(変形した箇所)。
(2)
委員会での審議等の結果、変形した箇所への対応は、構造安全性や施工性、維持管理性、お客さまへの影響などを総合的に判断し、コの字型部材交換(部材の取替え)により対策工事を進めることとしました。
(3)
当該作業は、平成28年度「名神集中工事」(5月30日(月曜)午前0時~6月4日(土曜)朝6時、 6月6日(月曜)午前0時~6月11日(土曜)朝6時)に併せて実施します。
(4)
疲労及び腐食の耐久性確認のため、完成後にモニタリングを行います。

《高槻第二JCT Cランプ橋における部材取替え箇所》

高槻第二JCT Cランプ橋における部材取替え箇所

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