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お知らせ

第2回 四国横断自動車道 吉野川渡河部の環境保全に関する環境部会(議事要旨)

1.日時

平成25年12月10日(火曜)15時00分~18時10分

2.場所 

アスティとくしま2階 第5会議室 

3.出席者

出席委員:
中野部会長、鎌田副部会長、大田委員、桑江委員、上月委員、浜野委員、森本委員、和田委員
オブザーバー:
国土交通省 四国地方整備局 徳島河川国道事務所 調査第二課 森課長(代理出席)
徳島県 県土整備部 道路局 小林局長
事業者(事務局): 西日本高速道路株式会社 四国支社 建設事業部

松室部長
建設課 大木課長
徳島工事事務所 大内所長
徳島工事事務所 徳島東工事区 登倉工事長

4.議題

1)開会
2)事業者挨拶
3)議事ならびに説明事項
  1. 橋梁形式案の報告
  2. 橋梁形式案に対する環境側面からの評価
    • 第1回環境部会で決定した「道路構造検討方針」に基づく評価結果から、最も優位とされる橋梁形式案は、第2案とされた。

      ※以下に、道路構造検討方針(6項目)の評価と、委員からの意見を以下にまとめる。

    (1)上部工が鳥類に与える飛翔状況への影響

    【評価結果】

    • 各橋梁形式案とも、鳥類の飛翔阻害の軽減に考慮し、上部工に吊構造がない桁橋の橋梁形式を採用していることから優劣はないと評価された。

    【委員からの意見】

    • 阿波しらさぎ大橋建設事業では、建設後、鳥類が橋桁の上を飛翔していたが、最近の調査では数が少ないものの橋桁の下を飛翔する状況も確認されている。吉野川渡河部でも同様に橋桁の下を鳥類が飛翔した場合を想定すると、飛翔阻害の要因として橋脚数(間隔)や橋桁の厚さによる圧迫感が懸念されるが、シギ科・チドリ科にとっては橋桁の厚さによる影響の方が大きいとの意見があった。

    (2)工事時の台船による河床の浚渫

    【評価結果】

    • 第2案は、最も浚渫範囲が狭く、浚渫期間も短いことから、最も優位であるとの評価を得た。

    【委員からの意見】

    • 第2案は、工事期間が最も短いことから、環境負荷が最も少ないと考えられるとの意見があった。

    (3)下部工(橋脚)による、流況への影響(橋脚周辺部及び河口干潟の地形変化)

    【評価結果】

    • 第3案は洪水時の一時的な河床洗掘が最も少ない案とされるが、長期的な観点では、各3案とも優劣はないものとの評価を得た。

    【委員からの意見】

    • 吉野川河口域の地形変動の特性として、砂防ダム等の設置に伴う上流からの土砂供給の減少や、川砂利の採取等の人為的な影響がなくなったことにより、以前は大きな地形変動があったものの、この20年くらいは大きな地形変動が起こらなくなってきた状況である。
      このような状況下で橋脚の存在による影響は、短期的な地形変動を与えるものの、過去の地形変動と比較するとその程度は小さく、長期的な地形変動へ結びつくとは考えられないとの意見があった。
    • 橋脚の存在による地形変動は、短期的な洪水時などの出水による影響で生じるだけでなく、長期的な影響も懸念されるところであり、渡河部周辺では常時波浪による影響が大きいものとされる。また、高波浪時の影響解析結果によると、橋脚の存在による地形変動への影響は3案とも僅かであり、差異もほぼないに等しい。以上を踏まえると、吉野川渡河部周辺の長期的な地形変動は常時波浪に支配されており、橋脚の存在による影響は限定的であるとの意見があった。
    • 橋梁の存在は、中規模な撹乱を発生させることで、生物多様性を促進させるプラス要因となる可能性があるとの意見があった。

    (4-1) ルイスハンミョウの回廊に配慮すること

    【評価結果】

    • 各橋梁形式は、ルイスハンミョウの回廊に対して空間を確保した計画としていることから優劣はないものとの評価を得た。

    【委員からの意見】

    • ルイスハンミョウが現在の回廊をより利用しやすくなるように配慮をお願いしたい。

      ⇒事務局から、高速道路用地内での対応について検討していきたいと説明した。

    (4-2) 工事による浚渫土砂の処理方法に関すること

    【評価結果】

    • 浚渫土砂を河川内処理とする場合、河川内の仮置きによる底生生物等への影響が懸念されることから、浚渫規模が少ない第2案が最も優位との評価を得た。

    【委員からの意見】

    • 浚渫土砂を河川内に仮置きする場合、底生生物への影響に配慮した仮置き場所、置き方(厚さ等)を検討する必要があるとの意見があった。

    (4-3) 地形改変場所は可能であれば環境の価値を踏まえて検討すること

    【評価結果】

    • 橋脚の配置は、環境の価値を踏まえ、3案とも等間隔とすることの確認を得た。

    【委員からの意見】

    • 生物相のバックアップ領域について、事業実施場所周辺で生物調査を実施し、希少種であるフジノハナガイ等を含めた生物の生息状況を確認する必要があるとの意見があった。
  3. その他の環境保全対策

    ※委員から以下の意見をいただいた。

    • 阿波しらさぎ大橋建設事業の基礎打設工事の前後におけるシギ科・チドリ科の個体数変動を見ると、打設による騒音等の影響は確認できない。また、これまで知り得ている限りでは、工事による騒音等の影響により渡り鳥が戻ってこなくなった事例はなく、本事業でも工事中の騒音がシギ科・チドリ科の鳥類に与える影響は少ないと考えるとの意見があった。
  4. 環境要素の評価
    • 同内容については、以下の修正をすることで、承認を得た。

    【修正内容】

    • 生態系の特徴について、上位性や典型性等は削除する。
    • 生物相のバックアップ領域の存在については、今後、事業実施場所周辺で生物調査を実施し確認する、と修正する。
    • 環境要素に対する評価は、「対象項目への影響の評価を以下にまとめる。」ではなく、「対象項目への影響の検討を以下にまとめる」と修正する。
  5. 環境モニタリング調査計画策定方針(案)
    • 今後検討していく環境モニタリング調査計画について、下記の意見をいただいた。

    【委員からの意見】

    • 藻類の調査は、事業実施場所の底質が砂質であることから事業の影響の関係性は低いと考えられるが、工事中、漁業者にヒアリング等の調査を実施することが好ましいとの意見があった。
    • 生物相のバックアップ領域を確認するために、小松海岸も含めた広域の調査を実施する方がよいとの意見があった。
    • 底生生物の調査範囲は、潮下帯だけでなく潮間帯も対象とする方がよいとの意見があった。
    • 浚渫場所、浚渫土砂の仮置き予定場所の生物調査も検討した方がよいとの意見があった。
    • 周辺の消波ブロックには底生生物が付着しており、環境モニタリングを実施する方がよいとの意見があった。
  6. その他の意見
    • 検討会のあり方について以下の意見をいただいた。
    • 一般市民の観点からは、地震が来た場合に橋がどのような影響を受けるか、建設事業費はいくらかかるのかといったことが注目されるため、事業者としてそれらの説明が必要である。また、この検討会も住民に理解してもらえるような内容の会議であることが好ましいとの意見があった。

5.閉会

配付資料

  • 資料1 説明資料
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