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お知らせ

第6回 四国横断自動車道 吉野川渡河部の環境保全に関する環境部会(議事概要)

1.日時

平成27年10月2日(金曜)10時00分~12時00分

2.場所 

アスティとくしま1階 第2会議室

3.出席者

出席委員:
中野部会長、鎌田副部会長、大田委員、上月委員、浜野委員、森本委員
オブザーバー:
徳島県 県土整備部 運輸戦略局 岸局長
事業者(事務局): 西日本高速道路株式会社 四国支社 建設事業部

松室部長
建設課 里部課長
徳島工事事務所 福冨所長
徳島東工事区 坂東工事長

4.議題

(1)開会
(2)事業者挨拶
(3)議事ならびに説明事項
1)
事前調査の結果報告(速報)

※各調査項目別に、委員からあった主な意見等を以下にまとめる。

  • 騒音・振動調査(速報)(302KB) PDFファイルを開きます
    • 特になし。
  • 水質調査(速報)(253KB) PDFファイルを開きます
    • 委員から、比較的近い場所で採水しているものの観測値がばらついている傾向にある。また、大腸菌群数も1つだけ基準値を超過しており、調査方法に気をつけていただきたい。採水時の潮の状態で値も変わるため、塩分も含めて考察する方が良いとのご意見があった。
    • 委員から、水質調査実施時の潮位がばらついており、吉野川河口は表層から1m~2mぐらいまで淡水の影響を受けることから、潮の状態によって結果の解釈が変わることに気をつけていただきたいとのご意見があった。
    • 委員から、調査に余裕があるのであれば今切川や新町川の河口でも調査を実施し、吉野川河口と比較することで全体を見渡せると考えられるとのご意見があった。

      ⇒これに対し別の委員より、それらの河口に定点観測のポイントがあると考えられるため、水質調査結果に周辺の基準点のデータも合わせることが可能と考えられるとのご意見があった。

  • 地形調査(速報)(731KB) PDFファイルを開きます
    • 特になし。
  • 底生生物・底質調査(速報)(1,303KB) PDFファイルを開きます

    <潮下帯定量調査>

    • 委員から、説明資料のP15に示した吉野川河口の物理環境のイメージ図に対して、沖合の南東方向から浸入した波浪は河口テラスで砕波し、北東から南西に向けて沿岸流が生じる。その沿岸流は計画線付近の右岸側が終着点になるため、その辺りにシルト分が堆積することで、粒度分布に現れていると考えられる。以上を踏まえ、このイメージ図に波の動きを示す方がより分かりやすいとのご意見があった。
    • 委員から、平成26年8月の台風で、吉野川に限らず那賀川でも大きなダメージがあった。そのため、平成26年10月調査の種類・個体数の数字が低くなっており、これまでに予備調査を含めて実施した3回の調査のうち、1回は厳しいデータになったと感じられるとのご意見があった。
    • 委員から、バックアップ領域の確認にあたって、影響のある格子上でしか見つかっていない24種が検討すべき数字だと思う。そのうち、シャミセンガイ属とヒガシナメクジウオに関しては、この付近であまり確認されていない生物と考えられる。ただし、これらに注目するための集中的な調査が必要ということではなく、今後の調査の中で再確認されれば良いと考えられるとのご意見があった。
    • 委員から、ヒガシナメクジウオは河口干潟東部の尾根筋の地形付近にある粗い砂質を好み、粒度や水質を密接に関係していると考えられ、この辺りよりもっと深い所に生息しているイメージである。同種は特殊な生態をしており、生物学者が進化を研究する場合に用いられることもある。同種に対して感心はあるものの、採泥器を用いる調査であることから狙って定量調査をすることは難しいと考えられるとのご意見があった。
    • 委員から、底生動物のデータのまとめ方として、クラスター分析等でどういった特徴のある生物が分布しているか示す方が、地形との関係も分かりやすいと考えられるとのご意見があった。

    <潮間帯定量調査>

    • 特になし。

    <付着生物調査(消波ブロック部)>

    • 特になし。
  • 鳥類調査(速報)(890KB) PDFファイルを開きます

    <飛翔状況調査・生息状況調査>

    • 委員から、これまで河口干潟と右岸部が繋がっていたが、平成26年8月の出水によって途切れたことが、ねぐらの状況が変化した要因であるのか質問があった。

      ⇒これに対し事務局より、それによって河口干潟の聖域性が高まっていると考えられ、ねぐらが変化した要因の1つと考えられるとの説明があった。

    • 委員から、観測レーダーの調査や調査員の増加など、鳥類調査にどんな選択肢があるのか質問があった。

      ⇒これに対し事務局より、飛翔高度の観測に関してはこれまで通り実施していきたいが、飛翔軌跡の観測と夜間の調査を継続実施するには課題が多いとの説明があった。

    • 委員から、シギ・チドリ類は昼間と夜間に右岸の堤防を越えた住宅地側も飛翔しているのか質問があった。

      ⇒これに対し事務局より、全体の3割ぐらいが住宅地や農地を飛翔しているが、住宅地側をレーダーでは観測できないため、河口域で得られた飛翔軌跡の情報から周辺の飛翔を類推して解析するということが一般的である。また昼間を見ていると明らかに住宅地の上を飛翔しており、昼間と夜間が劇的に変わるとは考えにくいものであるため、夜間も住宅地上を飛翔していると考えられるとの説明があった。

    • 委員から、観測レーダーで把握した昼間と夜間に飛翔している鳥の数を比較することができるのか質問があった。

      ⇒これに対し事務局より、個体数ではなく昼間と夜間の軌跡の本数で比較することは可能であるとの説明があった。

  • 魚類調査(速報)(315KB) PDFファイルを開きます
    • 委員から、可能であれば魚類調査の刺網で捕獲したスズキなどの大型の魚類は、現場で腹を割いて内容物が何であるか写真を撮影していただきたいとのご意見があった。
2)
底生動物のハビタット区分に関する方針
  • 事務局から資料1「 底生動物のハビタット区分に関する方針(228KB) PDFファイルを開きます 」を説明。

    ※以下に、今後の検討事項をまとめる。

    • 第6回検討会までに、浚渫の影響をハビタット区分に基づいて検討する。

    ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

    • 委員から、物理環境のデータを踏まえてハビタット区分を検討し、各ハビタットの調査地点数に偏りがあるのであれば、調査地点を移動・追加するといった検討を早めに行う方が良いとのご意見があった。
    • 委員から、ハビタット区分は、物理場の形成プロセスを踏まえて各ハビタットの環境が説明できるような区分方法を検討する方が良い。これに対し、地形は地盤高のメッシュデータがあるから区分可能であるが、底質はサンプリングポイントしかデータがないため、その広がり方は類推するしかなく、地形と底質を関連づけて説明することが大事であるとのご意見があった。
    • 委員から、ハビタット区分の検討で一番心配なのは、例で挙げられたフジノハナガイやツノメエビといった台船が入るような場所にしかいない種が一番影響を受けると考えられるため、台船と対応づけて保護策を考えられるようなデータにしなければ意味が無いとのご意見があった。
    • 委員から、ハビタット区分の検討に適した種の選定方法について質問があった。

      ⇒これに対し事務局より、種の選び方として出現回数や頻度、個体数などを踏まえて信頼性のある種を選択して分析を進める必要があると考えているとの説明があった。

    • 委員から、現在の限られたデータの中で検討を積極的にチャレンジしていくというスタンスが重要であるとのご意見があった。
    • 委員から、今年の11月から工事に着工するため、現在のデータから浚渫に伴う影響評価を検討し、影響を具体的に定量化して判断していくことが重要である。吉野川河口が広大で、自然のゆらぎも大きく浚渫による影響が少ないということが分かっていたとしても着手前に評価し、結論があって工事を実施していくことが重要であるとのご意見があった。
    • 委員から、環境特性を評価するための種が毎回出現することは重要であるが、これまでに毎回出現した種のリストからは、種名が分かっておらず科・属でとまっているものや、ブンブクヤドリガイ科といった寄生種、ゴカイ類のGlycinde.spといった分類体系が進んでいない種もあるため、現実的には評価できる種が限られてくるとのご意見があった。
    • 委員から、吉野川河口は物理的に変動が大きいため、底質と生物がいつも一致するとは限らない。調査するほどエラーみたいな雑音のデータも蓄積されるため、変動しやすい場所での特性が橋脚を設置しても維持されるということが大事であるとのご意見があった。
    • 委員から、底生動物のハビタット区分の検討に個別の種を注目しているが、種組成の類似度から集団に着目して群集の分析もしたら良いとのご意見があった。
    • 委員から、次回の検討会に向けて、物理環境特性を踏まえてハビタット区分を検討し、浚渫に伴う地盤高の変化を考慮して、各区分に対する影響をある程度定量化することが可能であるか質問があった。

      ⇒これに対し事務局より、現時点の限られたデータのみを使用し、出水に有無によって浚渫範囲が変わることから、得られた結果が確定的なものではないということを前提に、検討を進めていく必要があるという認識であるとの説明があった。

3)
夜間走行車両のヘッドライトによるシギ・チドリ類への影響に関する検討
4)
事前調査結果に基づく工事中調査計画のブラッシュアップ
  • 事務局から資料1「 事前調査結果に基づく工事中調査計画のブラッシュアップ(164KB) PDFファイルを開きます 」を説明。

    ※本項目については、全調査で現行計画と同様の調査内容で継続実施することが了承された。

    ※各調査項目別に、委員からあった主な意見等を以下にまとめる。

    騒音・振動調査

    • 特になし。

    水質調査

    • 特になし。

    地形調査

    • 委員から、平成26年10月と平成27年6月の地形差分図が、沖合の縦断方向の測量箇所と、河川の横断方向の測量箇所の接合部辺りで縦に筋が入るような差分が生じているため、この接続部分を改善するような船の走らせ方、補間の仕方を検討する方が良いとのご意見があった。

    底生生物・底質調査

    • 特になし。

    鳥類調査

    • 委員から、シギ・チドリ類とカモ類の飛翔軌跡が異なっていることから、シギ・チドリ類だけでなくカモ類などの飛翔状況に関する考察もする方が良いとの意見があった。

      ⇒これに対し事務局から、カモ類は沖側に圧倒的に多く、そのうち、阿波しらさぎ大橋の上空、近隣の中小河川との往来が吉野川河口に出ている例が多いと考えられる。特に1月は、海苔養殖場を往来して飛翔し、干潟に関する飛翔はしていないように感じているとの説明があった。

魚類調査

  • 特になし。
5)
環境モニタリング調査結果の公表方法
  • 事務局から資料1「 環境モニタリング調査結果の公表方法(229KB) PDFファイルを開きます 」を説明。

    ※本項目については、検討結果通りで了承された。

    ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

    • 委員から、阿波しらさぎ大橋整備事業では、調査結果やGISデータをDVDにまとめて公開する取組を実施しており、本事業でもそれを踏襲して実施して欲しい。将来的に、データが公開されることを見通しながら、事前にフォーマットを統一してデータを蓄積しておく方が良いとのご意見があった。
6)
今後の予定

5.閉会

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