令和6年度
関西支社管内
優良事業所の表彰
工事中無事故などによる優良表彰で
全66件の授賞を行いました
NEXCO西日本関西支社(大阪府茨木市、支社長:安達 雅人)では、令和6年11月
19日(火)に茨木市文化・子育て複合施設 おにクルにおいて、安全管理および品質管理が特に優良であるとして、令和6年度の『優良事業所(工事受注者)』を表彰しました。
優良表彰を受賞された会社さまに、受賞の感想や会社独自の取り組みに関して伺います。
田中 啓介さま
- 部門建設工事
- 受注者名株式会社IHIインフラシステム
- 工事名新名神高速道路
宇治田原第一高架橋(鋼上部工)工事(その2)
当該工事の特徴的な作業の中から、最も印象深い事柄をお聞かせください。
本工事の特徴として、受注後直ぐに「暫定4車線路線」から「完成6車線路線」に見直されたことがあげられます。既に完成している4車線橋脚の基礎補強や横梁拡幅を行うことなく6車線路線となるように、橋梁上部工の床版形式をPC床版から鋼床版へ変更し軽量化を図りました。この鋼床版形式の採用は稀であるため、関西支社および新名神京都事務所のみなさまから助言を頂きながら、安全と品質の両方を確保できる施工方法を検討したことにより、無事に工事を完成できたことが印象深いです。
当該工事での安全の取り組みについて、どのような点が評価されたと思いますか。
本橋は、供用中の「府道」「農道」「河川」「古墳」を跨ぐ上部工事です。現場溶接箇所が多く、火の粉落下による第三者災害発生の可能性が考えられました。通常の養生に加え、パネル吊足場の継ぎ目や隙間に「防炎アルミテープ」を設置し、二重の安全対策を行いました。この他にも高所作業時の「安全帯使用監視システム」やベント設備の「常時傾斜監視システム」の導入なども積極的に行いました。過去の安全事例だけにとらわれず、現場特有の危険性を予知し、細部まで手当てしてきたことが評価されたものと思います。
御社の労働災害を防止するための特徴的な取り組みを教えてください。
昨今の建設現場の担い手不足に伴う問題解消や働き方改革に向け、弊社ではDXやICT技術、BIM/CIMなどの技術開発や導入を積極的に進めています。また、外国人労働者の入場数が増加していることから、安全指導や注意喚起が正しく伝わるように以下の取り組みを行っています。
・「外国語教育資料」による新規入場者教育
・「多言語標示」「ピクトグラム」による注意喚起
これらにより、現場に入場する全作業員が安全に対して共通認識を持つことができるものと考えています。
受賞の感想および今後に向けての抱負など一言お願いします。
NEXCO西日本のみなさまをはじめ、関係各署や隣接工事の方々のおかけで、今回このような表彰をいただくことができました。この場をお借りして心より感謝申し上げます。この受賞を励みに更なる意識向上を図り、今後も安全かつ最良な品質を確保して無事故無災害でしゅん功できるよう取り組んでまいります。今後ともよろしくお願いいたします。ご安全に!!
三浦 智和さま
- 部門建設工事
- 受注者青木あすなろ建設株式会社
- 工事名大和北道路 横田第一高架橋南(下部工)工事
当該工事の特徴的な作業の中から、最も印象深い事柄をお聞かせください。
本工事は、奈良県の主要幹線道路である国道24号の供用車線直上において、橋梁下部工梁部施工を行うための特殊支保工を架設しました。この支保工の架設には、施工条件に合わせた過去に実績の無い構造変更したものを使用しました。そうした中で、検討段階から最も安全性・安定性の高い構造を選択し、昼夜間施工での作業計画・タイムスケジュール通り特殊支保工の架設・解体作業を無事に完了させたことが印象深いです。
当該工事での安全の取り組みについて、どのような点が評価されたと思いますか。
工事期間での夜間作業は延べ234日間で当初予定より大幅に増えましたが、関西支社並びに奈良工事事務所のみなさまにもご協力いただいた通行止め・対面通行規制も含め、日々の交通規制方法についての反省点や改善を関係者で話し合い、タイムスケジュールの厳守および第三者災害防止対策重視の作業方法に努めたことにより、無事故・無災害で完了したことを評していただいたと思います。
御社の労働災害を防止するための特徴的な取り組みを教えてください。
当社独自の安全衛生マネジメントシステム:A-OHSMS(エー・オスモス)を構築し、本社-大阪本店-作業所が一体となり労働災害の潜在的危険性又は有害性等を除去・低減すること(リスクアセスメント)で、安全で快適な職場環境の形成を目指しています。また、現場では同一工種においても、繰り返し作業手順の見直しを実施することで、安全意識向上と労働災害リスク低減に努めていました。
受賞の感想および今後に向けての抱負など一言お願いします。
この度の受賞は、当社を含め関係協力会社の安全管理体制を高く評価して頂き誠にありがとうございました。また、奈良工事事務所のみなさまにもご苦労とご尽力頂いたことを感謝しております。本工事の経験を活かし、今後も安全への取り組みに絶えまぬ努力を進めていき、他工事においても無事故・無災害を目標にしていきたいと考えています。
東内 康成さま
- 部門保全工事
- 受注者株式会社 五大コーポレ-ション
- 工事名阪和自動車道
大堀高架橋他1橋耐震補強工事
当該工事の特徴的な作業の中から、最も印象深い事柄をお聞かせください。
本工事は鉄筋コンクリ-ト巻立て60橋脚、炭素繊維巻立て18橋脚、落橋防止構造30箇所他の耐震補強工事でした。その中で約5橋脚は松原料金所に近接した工事で光ケーブル等多くの重要施設があり損傷事故防止対策が重要な課題でした。また料金所の1レーンを終日固定占用する事が不可能であったことで、第三者に対する安全対策も併せて重要でしたが、阪奈高速道路事務所の各担当者みなさまのご指導、ご協力のおかげで、無事に無事故でしゅん功する事ができました。
当該工事での安全の取り組みについて、どのような点が評価されたと思いますか。
まずは、無事故・無災害でしゅん功できた事と、関西支社管内安全パトロ-ルにおいて、全足場メッシュシート設置による第三者への被害リスクの防止や、現場作業環境整備として快適トイレの設置、ラバ-コ-ンの色分け、他現場ルールの掲示、構造物掘削部の明示として見やすいオレンジメッシュシートなど、現場の特性に応じた自責事故防止について、真摯に向き合った結果が評価されたのではと思います。
御社の労働災害を防止するための特徴的な取り組みを教えてください。
弊社では従来ISO管理部において安全活動を行っていましたが、本工事途中に安全部として独立の部署を設け現在安全活動に取り組んでいます。労働災害防止にはリスクの抽出が不可欠であるので、全ての作業所において工事着手前に施工検討会を実施し、施工上の問題点とその対策について現場担当者および社員で検討を行い、リスク低減に反映させています。また、日々のリスクアセスメントKY活動時に作業員の健康状態の聞き取りを作業開始時だけでなく、終了時においても実施し労務安全管理に努めています。
受賞の感想および今後に向けての抱負など一言お願いします。
この度は優良事業所として表彰して頂きありがとうございます。本工事は弊社がNEXCO西日本発注の工事を元請として初めて受注した工事であり、その工事でこのような表彰を頂いたことは大変光栄でございます。これは阪奈高速道路事務所みなさまのご協力、ご指導並びに協力会社の方々のご支援により成し遂げる事ができたものです。また、弊社が地元密着型企業としてのメリットを最大限に生かせたことも大きな要因だと思います。今後も労働災害防止への取り組みに工夫を凝らし店社で水平展開を行い安全活動を推進していきたいと思います。
橋本 卓さま
- 部門保全工事
- 受注者中林建設株式会社
- 工事名南阪奈道路 たじはやTB他6箇所収受員通路新築工事
当該工事の特徴的な作業の中から、最も印象深い事柄をお聞かせください。
南阪奈道路たじはやTBでは、上り線下り線共に7レーンずつあり供用中のさ中、規制を行い料金収受員通路棟の新築工事を行うものでした。阪和道上り線下り線、一般道に接続する料金所のため規制可能なレーンの制限がありましたが昼夜にわたって鉄骨工事、仕上げ工事を行う施工計画を立て、供用レーンが近接している中で合図者を常に配置し無事故・無災害で工事完成できたことが印象深いです。
当該工事での安全の取り組みについて、どのような点が評価されたと思いますか。
高速道路上での特殊な環境のため新規入場時に全作業員に現場ルールの順守を徹底しました。新規入場者教育動画を作成することで均一化を図り、新規入場者に対して高速道路上での特有の注意ポイントを抜けなく周知することに注力しました。また、安全に対する意識が高い作業員には、優秀作業員として表彰を行い安全意識の向上につなげました。このような取り組みを通して『この現場で事故を起こさない』という意識を全関係者に浸透した点です。
御社の労働災害を防止するための特徴的な取り組みを教えてください。
元来、紙ベースで行っていた当日の作業計画・安全注意事項の確認をデジタルサイネージのものに変更したことです。日々変わる作業環境を電子化した写真、図面を用いて周知することで、全員に分かりやすい説明になるようにしました。また、毎月、弊社安全品質環境部による安全パトロールに加え、建築部による建築巡回を実施しました。視線・考え方・対策を現場運営に反映しました。
受賞の感想および今後に向けての抱負など一言お願いします。
この度は、このような賞をいただき誠にありがとうございます。無事故・無災害でしゅん功できたことは阪奈高速道路事務所のみなさまをはじめ、関係協力会社のみなさまのご協力があってのことで感謝申し上げます。本工事の経験を活かし、今後も施工管理に取り組んでいきたいと思います。
深見 竜士さま
- 部門保全工事
- 受注者OKIクロステック株式会社
- 工事名関西支社管内
フリーフローアンテナ用撮像装置設置工事(令和3年度)
当該工事の特徴的な作業の中から、最も印象深い事柄をお聞かせください。
本工事はONランプおよびOFFランプにF型ガントリーを建柱し、通行車両のナンバープレートを撮影するカメラを設置するというのが主な工事でした。 全箇所で建柱および機器据付時に交通規制が伴うため、夜間通行止めが実施されるタイミングに調整を行い多くの班数を入れ集中して工事を実施しました。
当該工事での安全の取り組みについて、どのような点が評価されたと思いますか。
ガントリー建柱や機器据付においてはクレーンや高所作業車の使用および交通規制を伴う危険作業でした。 施工場所(69箇所)毎で施工条件が違うため、計画書では各所に合わせた車両配置図にクレーンや高所作業車の作業半径を記載するなどして綿密な計画を立案しました。作業毎にチェックリストを活用し、当たり前のことを確実に行う姿勢を評価していただけたと思います。
御社の労働災害を防止するための特徴的な取り組みを教えてください。
毎朝のKYミーティング時に前日作業におけるヒヤリハット事例について聴取を行っています。ヒヤリハット事例はその場で内容を詳しく報告してもらい、作業員全員に対して周知しています。弊社ではOHSMS(労働安全衛生マネジメントシステム)に基づく各種点検票(電動工具、高所作業車、玉掛作業、ベルトスリング、熱中症予防、積載物確認等)を活用して作業種別に応じた段階チェックを日々行っています。また、安全訓練時に事故映像の展開、意見交換を行い安全意識向上にも努めました。
受賞の感想および今後に向けての抱負など一言お願いします。
工事を無事故、無災害でしゅん功することができたのは各高速道路事務所のみなさまのご協力、協力会社の方々のご尽力によるものと感謝します。今後もこの経験を活かし、より良い工事を行っていければと思います。この度は表彰いただきありがとうございました。
向 弘晴さま
- 部門保全工事
- 受注者鹿島建設株式会社
- 工事名山陽自動車道 尼子山トンネル覆工応急復旧工事
当該工事の特徴的な作業の中から、最も印象深い事柄をお聞かせください。
山陽自動車の龍野西ICから赤穂ICへ向かう下り線の尼子山トンネル内で、令和5年9月5日に車両火災事故が発生し、トンネル覆工が甚大な被害を受け通行止めとなりました。人・重機を急遽手配・総動員して、NEXCO西日本から強力な支援を受けながら24時間体制で施工に当たった結果、12月15日に無事通行止めを解除しました。中でもトンネル覆工を切削する作業は深さ管理が難しく削り残しを何度も仕上げるなど厳しい作業でした。
当該工事での安全の取り組みについて、どのような点が評価されたと思いますか。
今回高速道路内での作業で龍野西SAに設置した事務所から施工個所まで往復で1.5時間かかるため、現地とやり取りできる通信設備を設け、昼の作業管連絡調整会議をTeamsで行い、日々の作業内容から安全注意事項まで鹿島社員、技能員全員に周知を行い認識のズレなく作業できたことです。モニターが調達できるまでは、屋外のパイプ椅子上にノートパソコンを持ち出し行っていました。
安全管理に限らず、工事従事者(下請業者)との接し方で心掛けている点などあればお聞かせください。
工事従事者のモチベーションを如何にして上げるかを心がけています。困っていること、異業種間の調整に問題がないか、作業環境は快適かなど、現場巡視時、昼の打ち合わせ時間を通じて吸い上げるようにしています。吸い上げた内容に対しては、できるだけ早く対応するようにしています。今回は休みなく重機を使用したため、損耗が激しく、心配の声が上がったのでビット交換や重機の修理など夜間でもメンテできるような体制を整えました。
受賞の感想および今後に向けての抱負など一言お願いします。
工程が非常に厳しい工事でしたが、所員、工事従事者含め最後までモチベーション高く望むことができました。また、NEXCO西日本からは支社を挙げての支援をしていただきNEXCO西日本と一体となって工事を進めることができました。その結果、通行止め解除を約2週間前倒しにでき社会貢献に携わることができました。さらに今回、優良事業表彰までしていただき感謝しています。今後さらに向上できるように取り組んでいきたいと思います。