入札及び契約の更なる適正化について
(調査等業務への総合評価落札方式の導入)
NEXCO西日本(大阪市北区、代表取締役会長CEO:石田 孝)は、これまで、工事の品質確保安全対策の徹底及び工事下請け会社への不当なしわ寄せの排除、さらには健全な工事執行体制の構築と高速道路の建設・保全サービス事業全般の技術力の維持向上を図る目的で、工事における「総合評価落札方式」の運用拡大並びに「工事契約価格適正化制度」の導入によるダンピング受注など不適切な低入札の排除に取組んでまいりました。
このたび、調査等業務についても、ダンピング受注など不適切な低入札を排除することを目的として、「価格評価」に「技術評価」を加えて総合的に評価する「総合評価落札方式」を、標準的な入札・契約方式として導入することとしましたのでお知らせします。
1.調査等業務の現況と課題
- 調査等業務における現行の契約方式は、技術的に高度な業務については「企画競争方式」で、それ以外の業務については「価格競争方式」で実施しています。
- 平成19・20年度の契約実績は表-1、2のとおりです。(参考資料-1(14KB)
)
「価格競争方式」においては過当競争の実態となっており、一方、優れた技術提案を求めるために実施している「企画競争方式」においては、落札率が高止まりし、実質的に価格面での競争性が働いていない状況です。
〈表-1〉価格競争方式
年度 |
平成19年度 |
平成20年度 |
全体件数(件) |
111 |
47 |
平均落札率(%) |
64.0 |
66.9 |
落札率50%以下 の割合 |
29.7% |
27.7% |
〈表-2〉企画競争方式
年度 |
平成19年度 |
平成20年度 |
全体件数(件) |
136 |
94 |
平均落札率(%) |
96.1 |
98.0 |
落札率90%以上 の割合 |
89.7% |
97.9% |
※平成20年度は平成20年4月~9月の契約実績
- 落札率と業務成績評定点の関係
国土交通省の平成14年~17年度発注業務の落札率と業務成績評定点の関係は表-3のとおりであり、落札率70%未満の業務における「成績評定65点未満(業務成績として評価しない評定点)」の発生割合は落札率70%以上の約3倍となっています。
〈表-3〉落札率と業務成績評定点(出典:国土交通省調べ)
落札率 |
70%以上 |
70%未満 |
業務件数(件) |
17,327 |
2,753 |
評定点65点未満の割合 |
3.3%(1.0) |
8.4%(2.6) |
※当社の業務に国交省基準を適用して算出した低入札基準価格は契約制限価格の概ね70%に該当
2.新たな制度の概要
調査等業務の入札・契約にあたっては、今後は「総合評価落札方式」を標準発注方式とし、技術的に難度の高いものなどについては企画競争方式を適用し、規模の小さい業務・単純業務については価格競争方式を適用するものとします。
- 総合評価落札方式の概要
総合評価落札方式は、「価格評価」に「技術評価」を加えた「総合評価」が優れた者が落札する入札・契約方式であり、その適用は下記のとおりとします。
- ○簡易型:
- 業務の実施方針等の提出を求め、これに基づく技術評価に価格評価を加えて総合評価を行う方式
- ○標準型:
- 業務の実施方針等の提出と特定テーマに対する技術提案を求め、これに基づく技術評価に価格評価を加えて総合評価を行う方式
- 落札者の決定
入札価格が契約制限価格の範囲内にあるもののうち、評価値の最も高い者を落札者とします。評価値の算出方法としては、加算方式とします。
評価値 = 価格評価点 + 技術評価点
入札価格の落札率の範囲に応じて、下記の3つのゾーンに分割して設定します。
- 落札率100%~70%の範囲(通常競争ゾーン)
落札率100%を70点、落札率70%を100点とし直線摺り付けで設定
- 落札率70%~50%の範囲(低入札競争ゾーン)
落札率70%を100点、落札率50%を0点とし直線摺り付けで設定
- 落札率50%未満の範囲(価格競争排除ゾーン)
価格評価点は0点として設定
2)技術評価点の考え方
評価項目の設定は下記を標準とし、各項目の得点合計により算出します。
- 業務実施体制
- 配置予定技術者の経験及び業務実施能力
- 業務実施方針及び手法
- 特定テーマに対する技術提案(※簡易型の場合は除く)
3)価格評価点と技術評価点の割合
価格評価点と技術評価点の割合は、下記を標準とします。
- 簡易型 ・・・・・ 価格評価点 : 技術評価点 = 100 : 50
- 標準型 ・・・・・ 価格評価点 : 技術評価点 = 100 : 100
3.適用
平成21年2月1日以降に入札公告を行う調査等から本格運用を開始する予定です。
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