ゲリラ豪雨等局所的気象変動に伴う対応強化とお客さまへの迅速な情報提供を目指して
― 小型気象レーダーネットワークを活用した道路管理業務:道路会社で初の取組み ―
NEXCO西日本(大阪市北区、代表取締役会長CEO:石田 孝)は、“高速道路の100%の安全・安心の確保”を高速道路会社として最も重要な使命と考え、様々な取り組みを実施してきております。短時間のうちに急変する局地的な集中豪雨などの気象リスクを捉え、交通規制に向けた初動対応の迅速化、高速道路を通行されるお客さまへのいち早い道路気象情報提供を目指し、この度、株式会社ウェザーニューズ社と、道路管理業務における小型気象レーダー(以下「WITHレーダー」という。)ネットワーク技術の利活用について共同研究として取り組むことになりましたのでお知らせします。WITHレーダーネットワークを使った道路気象情報提供の応用研究は、道路事業者として初めての取り組みになります。
1.背景
短時間に発生し大雨をもたらす集中豪雨(いわゆる「ゲリラ豪雨」)は近年増加傾向にあるといわれています。
このようなゲリラ豪雨に代表される集中豪雨の他、強雪、突風、竜巻など局地的な気象現象の原因のほとんどが積乱雲によるものといわれています。この積乱雲は発生から発達までの時間が急速なため、現在の気象観測技術では事前の予測、量的観測に限界があり、また、雲の発生地域や移動方向、移動速度など、ピンポイントでの位置特定は従来の気象レーダーでは観測できないことから、既存の気象技術を上回る局所的気象予測、気象監視体制が100%の安全・安心には欠かせなくなってきています。
2.ねらい
近年増加傾向にある局地的大雨や集中豪雨など短時間のうちに急変する気象リスクをリアルタイムに把握し、臨時巡回、点検の開始や通行規制の準備など初動対応の迅速化、高速道路を通行されるお客さまへのいち早い道路気象情報提供を目指します。
3.共同研究
NEXCO西日本ではこのような局地的気象現象に対する対応策について、積乱雲の観測に優れたWITHレーダーネットワークを所持する株式会社ウェザーニューズ社と、昨今、頻度が高まっているゲリラ豪雨など気候変動に対する道路状況の監視体制の強化や交通規制が必要となる場合の初動対応の更なる迅速化に向け、取り組むことといたしました。NEXCO西日本ではこれまでの弊社の気象観測データ、災害履歴、道路管理手法など交通事業者側のデータベースの提供とWITHレーダーの観測場所の検討、株式会社ウェザーニューズ社ではWITHレーダーの観測・運用・保守・データの提供を行ない、新しい気象技術の道路管理への応用研究については、相互間で共同研究を行ってまいります(「図-1:共同研究スキーム」)。
図-1 共同研究スキーム
4.具体的な取り組み内容と期待される効果
WITHレーダーは、本格的な雪氷対策シーズンを迎える12月末までに11箇所での観測を開始します。引続き検証を行いながら、平成23年度までに交通の要衝を中心に20箇所の追加の観測開始を予定しています(「図-2:WITHレーダーの配置計画」)。
この対策により気象変異時の通行規制準備時間を30分以上早めることが可能と考えています。
図-2 WITHレーダーの配置計画
5.今後のスケジュール
平成21年度
平成22~23年度
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観測場所の検討を行いながら20箇所程度の追加観測を開始
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相互にWITHレーダーネットワーク技術の道路管理業務への運用、適用について検証

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