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ニュースリリース

工事における総合評価落札方式の評価方式及び低入札価格調査制度の見直しについて

平成23年6月22日
西日本高速道路株式会社

 NEXCO西日本(大阪市北区、代表取締役会長兼社長:西村英俊)は、平成23年7月から、工事における総合評価落札方式において、入札価格が低くなると価格の差よりも技術評価点の差を大幅に優位に評価する評価方式を導入し、併せて低入札価格調査制度の見直しを行います。

NEXCO西日本では平成19年4月から工事契約価格適正化制度を設け、工事の品質確保、安全対策の徹底及び工事下請け会社への不当なしわ寄せの排除を目的に、低入札価格調査を強化し、工事契約の適正化に努めています。昨今、低入札価格調査の基準となる適正契約基準価格近傍への入札価格の著しい集中が見受けられます。入札価格集中帯にありながら適正契約基準価格の直上、直下で低入札調査の厳格性に著しい差異があるなど、望ましくない状況が生じています。これら課題の解決と、工事契約においてより技術力が評価される制度とするため、 以下のとおり見直しを行うことにしました。

1.制度の変更概要

1)総合評価落札方式の評価方式の変更
  1. 価格評価点を導入し、従来の除算方式から加算方式に変更。
  2. 価格評価点は、契約制限価格から低入札基準価格までの間は、入札価格が低くなるに従い直線的に増加、低入札基準価格からは価格評価基準額に近付くにつれて価格評価点の増加は大幅に小さくなり、価格評価基準額で最高点100点(直線と2次放物線の併用)。それを下回る場合は過度な低入札として加点しない。
  3. 価格評価基準額は、従来の最低制限価格と適正契約基準価格との間に設定(機器設置系工種の場合は別)。
総合評価落札方式の評価方式の変更
2)低入札価格調査制度の変更
  1. 審査強化型の低入札価格調査の対象基準額(この額を下回ると低入札調査を実施)を適正契約基準価格から審査対象基準価格に変更。適正契約基準価格は廃止(土木工事系工種、機器設置系工種とも)。
  2. 審査対象基準価格は、土木工事系工種の場合の価格評価基準額と同一に設定。
  3. なお、併せて平成23年4月1日国交省の低入札調査基準価格変更(+2%程度)に準じ、当社の低入札基準価格についても同様に変更。
3)技術評価の変更
  1. 技術評価客観性確保のため、技術提案にかかるヒアリングは原則廃止。
  2. 技術評価の差異を明確にするため、技術評価の一部に相対的評価項目を追加。

2.総合評価の変更

1)価格評価式
価格評価式
  1. 価格評価基準額(価格評価最高点の入札額: 後述する3.1.審査対象基準価格とは別に定義)
    これを下回る入札は過度な低入札と考えられる額で、従来の最低制限価格相当額であるが、これまでの入札結果より、この額を2%程度上げても低入札審査による排除率がほとんど100%近いことを踏まえ下記のとおり設定。
    価格評価基準額=
    直接工事費+共通仮設費積上分+共通仮設費率計上分*0.3
    但し上限80%、下限70%
    (下線部を追加:従来の最低制限価格75%程度⇒価格評価基準額77%程度)

      ただし、機器設置系工種では、これまでも、最低制限価格相当額を下回る入札であっても適正な履行が可能と認められ落札者とした例も多々見られることから、上記の額を下回った額で入札した者がいた場合、最低入札額を価格評価基準額に設定。

  2. 低入札基準価格
    平成23年4月1日国交省の低入札調査基準価格の変更に準じ下記に変更。
    低入札基準価格=
    直接工事費*0.95+共通仮設工事費*0.9+現場管理費*0.8+一般管理費*0.3
    但し上限90%、下限70%
    (下線部を変更、従来は現場管理費*0.7、85%→87%程度)
2)技術評価[相対評価による評価項目の設定]及びその客観性の確保
  1. 技術評価の客観性の確保のため、従来の技術提案資料に関するヒアリングは原則実施しない。
  2. 技術評価に関して評価上位者に対する評価を特にきめ細かく実施し、評価差を明確にするため、技術評価点が同点首位の場合、技術提案または施工計画について、その評価結果及び質的内容に着目し優劣を判断し最も優位な入札者に対して0.5点を付与。

3.低入札価格調査制度の変更

  1. 審査対象基準価格
    工種に関係なく、下記の額を下回る入札者が落札予定者となる場合、従来の審査強化型の低入札調査を実施。
    審査対象基準価格
    直接工事費+共通仮設費積上分+共通仮設費率計上分*0.3
    但し上限80%、下限70%
    ※機器設置系工種の場合、最低入札額が価格評価基準額となる場合があるので、あえて、価格評価基準額とは別に定義。
  2. 最低制限価格
    • 総合評価落札方式の場合は最低制限価格を廃止。
    • 価格落札方式の場合は、土木工事系工種(WTO対象工事は総合評価落札方式で実施)で、最低制限価格を設定するが、額を下記のとおり変更。
    最低制限価格=
    直接工事費+共通仮設費積上分+共通仮設費率計上分*0.3
    但し上限80%、下限70%
    (下線部を追加、75%→77%程度)

4.入札方式と対象工事の工種によるパターンと価格評価式

入札方式と対象工事の工種によるパターン

適用工種
入札方式
土木工事系工種
(土木、土木補修、舗装、PC橋上部工、鋼橋上部工、建築、電気、管、区画線、のり面処理、防護さく、遮音壁、標識、道路保全土木、道路保全施設)
機器設置系工種
(トンネル非常用設備、受配電設備、遠方監視制御設備、伝送交換設備、交通情報設備、無線設備、トンネル換気設備、機械設備、通信、塗装、造園)
総合評価落札方式
(2億円以上の支社発注工事で、WTO対象基準額以上の工事も含む)
審査対象基準価格を設定し、その額を価格評価基準額とする。
⇒価格評価式(1)
審査対象基準価格を下回る入札者がある場合、評価値上位の者から順に低入札調査を実施。
審査対象基準価格を設定し、その額を価格評価基準額とする。
但し、審査対象基準価格を下回る入札者がある場合、開札時において最低の入札額を価格評価基準額とする。
⇒価格評価式(2)
価格落札方式 最低制限価格を設定。 審査対象基準価格を設定。
審査対象基準価格を下回る入札者がある場合、入札額が低い者から順に低入札調査を実施。

価格評価式(1)

下記グラフの点数は、x0が77%、x1が87%の場合
価格評価式(1)

価格評価式(2)

下記グラフの点数は、x0が40%、60%、77%、x1が87%の場合
価格評価式(2)

5.その他

本制度は7月1日以降に入札公告を行う工事に適用

参考資料

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