NEXCO西日本(大阪市北区、代表取締役会長兼社長:西村 英俊)と三井住友建設株式会社(東京都中央区、代表取締役社長:則久 芳行)は、東九州自動車道 日向(ひゅうが)インターチェンジ(IC)~都農(つの)IC(仮称)間に位置する田久保川(たくぼがわ)橋(仮称)において、世界で初めて蝶型形状のコンクリートパネルを橋梁の側面部(ウエブ)に用いた「バタフライウエブ橋」の施工に着手しました。
NEXCO西日本は、高速道路事業の更なる効率化を目指して民間企業や研究機関と共同研究を行うなど、積極的に技術開発に取り組んでいます。今回施工するバタフライウエブ橋においても、NEXCO西日本と三井住友建設株式会社が共同開発した技術を用いており、各種の解析や実験を重ねて今回の実用化に至ったものです。
バタフライウエブ橋は、ウエブを蝶型形状の薄型パネルにするとともに、パネルとパネルの間に空間を設けたことにより、上部工重量を約10%軽量化(箱桁橋比)することができました。これにより、コンクリートやPC鋼材の使用数量の削減等が図られ、全体工事費の縮減が可能になった新しい橋梁構造です(図-1,図-2)。
バタフライウエブ橋のウエブには図-3,図-4のように引張力と圧縮力が働きますが、引張力に対してはPC鋼材を配置して補強を行い、圧縮力に対しては通常の2倍の圧縮強度である80N/mm2のコンクリートを用いています。また、蝶型形状にしたことにより引張力や圧縮力の影響がない箇所のコンクリートを省くことができた合理的な構造となっています。
バタフライウエブ橋は、図-3のような蝶型形状のコンクリートパネルを工場で製作できることや、橋梁重量の軽量化で作業効率が向上するため現場での施工期間を短縮することができます。