平成25年9月25日
三井住友建設株式会社
西日本高速道路株式会社
本開発は、三井住友建設(株)と共同で、橋梁構造物(上部工)に腐食の可能性のある材料の代わりに錆びない新素材を採用して、超高耐久橋梁(上部工)を研究・開発したものです。塩害による構造物の劣化やコンクリート片の剥落を防止し、将来の維持管理費用の低減や安全性の向上を目的としています。
「Dura-Bridge」はコンクリート構造をもとに、アラミドFRP(アラミド繊維強化プラスチック)ロッドを緊張材として用い、PC鋼材や鉄筋を一切使わないプレストレストコンクリート構造です。せん断補強鉄筋を配置しなくてすむように、コンクリート自体のせん断耐力を向上させる高強度繊維補強コンクリートを開発し採用しています。
桁にはバタフライウエブ構造を適用し、軽量化とせん断補強の合理化を図っています。また、部材を極力工場製作することによって高品質化と現場作業の省力化を図っています。
今回開発した技術は、コンクリートに高強度繊維を混入することによって鉄筋の配置をなくし、PC鋼材の代わりにアラミドFRPロッドを使用してプレストレス力を導入しています。
本橋梁の実現に向けて、この技術を採用する橋梁の最適なプロポーションを追究して建設コストの最適化を図るとともに、工事用道路等に本橋梁を造り車両の通行による実際の挙動を検証して本格的に導入していく予定です。また、この研究成果を応用し、取替床版等の更新用部材として適用することも検討しています。
なお、本橋梁のコストについて詳細は検討中ですが、将来にわたり維持管理費用が不要になることを期待し、一般的なPC箱桁橋の上部工に対して1.5倍程度を限度としております。実際には、今後のコストを抑えるための工夫により、橋梁の全体工費(上部工、下部工、基礎工を含む)として1.3倍程度を目標としています。