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ニュースリリース

新幹線用トンネル覆工表面検査システムの共同開発について

平成29年11月29日
西日本高速道路株式会社
西日本旅客鉄道株式会社

NEXCO西日本(大阪市北区、代表取締役社長:石塚 由成)とJR西日本(大阪市北区、代表取締役社長:来島 達夫)は、新幹線のトンネル覆工点検をより効率的に実施することのできる新幹線用トンネル覆工表面検査システムの技術開発に着手します。

1.技術開発の目的

現在のJR西日本の撮像車両

図-1 現在のJR西日本の撮像車両

NEXCO西日本では、高速道路の安全・安心を確保するため、トンネル覆工コンクリートの状況を確認することを目的に平成16年より画像を用いたトンネル覆工点検システムを開発し運用しております。

このたび、JR西日本は、「新幹線用トンネル覆工表面検査システム(通称:SATUZO)(図-1)」の2002年(平成14年)導入から約14年が経過し、より効率的にトンネル覆工点検を行うためNEXCO西日本が保有する「道路トンネル覆工点検システム “eQドクターT”」の技術をベースにして、新たな「新幹線用トンネル覆工表面検査システム」を開発することとしました。

なお、NEXCO西日本とJR西日本は2017年11月9日に共同開発協定を締結しています。

2.開発のポイント

今回開発する「新幹線用トンネル覆工表面検査システム」の技術開発における主なポイントとしては、高速道路と新幹線の異なる主な特徴から、横断勾配(カント)の違いや営業時間外での点検等の項目があげられます。(表-1)。

eQドクターT(道路トンネル覆工点検車)

図-2 eQドクターT(道路トンネル覆工点検車)

表-1 開発のポイント

項目 高速道路用 新幹線用
横断勾配(カント)の違いによるカメラフォーカスや照明方式
  • 設計速度が異なるため、横断方向の傾きの変化量が新幹線と比べると小さい(約6%以下)
  • 設計速度が異なるため、横断方向の傾きの変化量が高速道路に比べると大きい(約14%以下)
点検時における制約条件
(撮影速度、撮影位置)
  • 撮影速度:100km/h
  • 撮影位置:車線内で走行位置が固定されない
  • 撮影速度:約50km/h※

    ※夜間営業時間外に運用する専用車両の走行可能速度

  • 撮影位置:レールによって走行位置が固定される
撮影機器の設置制約
  • 本システム撮影機器のみの専用車両に搭載(図-2)
  • 他の設備診断システムと合わせて車両に搭載するため搭載スペースに制約有

3.今後について

NEXCO西日本とJR西日本は、本取り組みにおいて開発のポイント(表-1)等を観点として概略検討および設計検討等に計画的に取り組み、可能な限り早期に「新幹線用トンネル覆工表面検査システム」の実用化を目指しています。

さらに、今後も双方が保有する技術の相互交流によって、広く社会インフラの維持管理に活用するための技術開発に取り組んでいきたいと考えています。

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