動物侵入防止柵を設置するなど、野生動植物や自然環境の保全対策を反映させた道路整備を進めています。また、沿道地域の静穏な生活環境を守るため、遮音壁の新設・改良などを推進しています。
エコロードの推進にあたっては、道路による自然環境への影響を緩和する「マイナスの低減」、道路空間を利用して自然環境を創出する「プラスの付加」という2つの軸を定め、さまざまな対策に取り組んでいます。
代償:近隣同様の生息・生育環境を整備
道路のり面や環境施設帯、SAを活用し、緑化や水辺整備によって動植物の生育環境を創出
「府中湖PAに整備したビオトープ」(高松自動車道)土捨場跡地を利用したビオトープの整備
当社グループでは、建設事業ごとに工事着手前に自然環境の調査を実施し、学識経験者を交えた委員会等で最適な自然環境の保全対策を検討しています。必要に応じて構造変更による隣接湿地の保存や希少植物の移植などを実施し、自然環境に及ぼす影響の最小化や生物多様性の保全に努めています。
また、建設後においても、環境の経年変化や保全措置の効果を把握するためモニタリングし、適切な管理を行うことで、自然環境保全の質的向上にも努めています。
自然環境が豊かな地域で道路を建設する場合は、その地域に自生する樹木の種子を採取して育てた「地域性苗木」を高速道路ののり面に植樹しています。地域性苗木は、地域の遺伝子を持つことから、「遺伝子の保全・種の保全・生態系の保全」という生物多様性の保全に寄与できると考えています。
2017年度末までに約12.6万本の地域性苗木を植栽しており、今後も、建設工事が進む新名神高速道路などで積極的に取り組んでいきます。
地域性苗木の植樹
高速道路に野生動物などが侵入すると、動物が車にひかれる危険があるばかりでなく、動物を避けようとしたドライバーが交通事故に巻き込まれる恐れがあります。
そこで、当社では、動物の道路への侵入防止柵を設置しています。また、ドライバーへの注意喚起を促すための標識設置などの対策も講じています。
シカ侵入対策(フェンスの嵩上げ)
小中型動物侵入対策(排水溝の閉塞)
当社グループでは、騒音の緩和を道路事業者の重要な責任のひとつと捉え、沿道地域の土地の利用状況などを踏まえながら、遮音壁の増設やかさ上げによる遮音壁の改良などに努めています。
また、老朽化した遮音壁の取り換えなどの改良工事も実施しています。今後も、必要に応じて沿道環境の保全に努めていきます。
【施工前】
【施工後】
老朽化した遮音壁の取替え及びかさ上げ工事