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特集1:災害対応力の強化

災害対応力の強化

関空連絡橋の復旧~「日常」を早急に取り戻すために~

台風によるタンカー船衝突というかつてない事態。空港に取り残された人々を救出し、「日常」を取り戻すため、NEXCO日本グループ、協力会社一丸となって復旧に取り組みました。

台風21号 〜災害対応の記録〜

2018年9月4日、25年ぶりに非常に強い勢力で上陸した台風21号は、近畿地方を中心に甚大な被害をもたらしました。空の玄関口である関西国際空港では、高潮による浸水、停電が発生。さらに空港への唯一のアクセス道路である関空連絡橋にタンカー船が衝突したため、道路と鉄道が不通状態となり、空港にいた人々が取り残される事態となりました。

タンカー船衝突の図解

衝突による橋のずれの様子衝突による橋のずれの様子

早期復旧の取り組み

当社は、人命救助の観点から一刻も早く取り残された人々を救出するため、損傷を受けなかった上り線を活用した片側交互通行による通行措置を9月5日0時40分から開始し、シャトルバス等により7,800人が関西国際空港外へ救出されました。その後、関西国際空港の営業再開に向けて上り線、下り線それぞれの車線を確保した通行とするため防護柵工事等を行い、7日5時10分に対面通行へ移行しました。空港の一部運航再開に間に合わせることで、空港へのアクセス機能を早期に確保しました。

シャトルバスによる救助の様子シャトルバスによる救助の様子

関空連絡橋全線復旧までの流れ

関空連絡橋全線復旧までの流れ

2018年9月4日

タンカー船衝突

2018年9月5日

緊急車両の通行処置
(片側交互通行)

2018年9月7日

営業用乗合・
貸切バスの通行解除
(対面通行)

2018年9月12日・14日

破損した橋桁を撤去

2018年10月6日

マイカー利用可

2019年2月14日

橋桁の架設完了

2019年3月7日

4車線通行確保

2019年4月8日

6車線完全復旧

完全復旧までの取り組み

台風の影響によりタンカー船が関空連絡橋に衝突するというかつてない事態でしたが、関係機関、工事関係者等の協力により、当初見込みのゴールデンウィーク前から前倒しの4月8日に完全復旧し、日常を取り戻すことができました。

阪奈高速道路事務所 所長 藤島 勝利

阪奈高速道路事務所 所長 藤島 勝利

関西そして日本の玄関口のアクセスを担っていることに誇りをもって

昨年9月4日、台風21号による暴風の影響で発生した関空連絡橋へのタンカー船衝突は、私たちにとっても衝撃的な出来事でした。現場では、当日夜半から被災を免れた上り線を利用し、緊急車両の通行及び関空島に取り残された方々の救出バス誘導を開始。これと併行して、支社・本社をはじめ、グループ会社、復旧協力会社等多くの皆さまからご支援を頂き、翌日から対面通行による一般車の交通確保作業並びに損傷した下り線橋梁復旧作業に着手しました。

特に橋梁復旧に関しては、施工会社の迅速な対応により損傷桁の撤去・制作・架設まで円滑に進められ、また、各関係機関のご協力も得ながら、復旧作業に携わる関係者が連携し、一丸となって取り組んできたことで、4月8日に完全復旧を迎えることができました。今回の関空連絡橋復旧に携わって頂いた皆さまに厚くお礼申し上げます。

私たちは、これからも関西そして日本の玄関口(関西国際空港)のアクセスを担っていることに誇りをもって、サービスを提供してまいります。

所属・役職は2019年5月時点のものです。

災害対応力の強化

平成30年7月豪雨 ~災害対応の記録~

西日本から東海地方を中心に観測史上1位の雨量記録を更新し、甚大な被害をもたらした平成30年7月豪 雨。この豪雨により、これまでに経験のない広い範囲で当社管内の高速道路が通行止めとなりました。なかでも東西軸の重要幹線道路である中国自動車道・山陽自動車道等が重大な被害を受け、雨が止んだあとも災害による通行止めが継続しました。

高速道路の早期復旧をめざし、NEXCO西日本グループ一丸となって取り組みました。

高速道路の主な被災箇所

当社が管理する高速道路において、今回の豪雨で広域的に多数の被害が発生し、そのうち通行止め解除に時間を要する重大な被災箇所は10ヵ所発生しました。この10ヵ所のうち7ヵ所が区域外から高速道路上に流木・土砂が流れ込んだ被害であり、特に山陽自動車道の本郷IC~広島東IC間(5ヵ所)に集中しました。

流木・土砂等の流入/山陽道(河内IC~高屋JCT)流木・土砂等の流入/山陽道(河内IC~高屋JCT)

流木・土砂等の流入/山陽道(本郷IC~河内IC)流木・土砂等の流入/山陽道(本郷IC~河内IC)

切土のり面崩落/九州道(新門司IC~小倉東IC)切土のり面崩落/九州道(新門司IC~小倉東IC)

切土のり面崩落/東九州道(椎田南IC~豊前IC)切土のり面崩落/東九州道(椎田南IC~豊前IC)

緊急車両等の通行確保に向けた取り組み

自治体からの災害派遣要請を受けた、自衛隊や警察・消防等の緊急車両の通行を確保しました。

併せて、特に被害の大きかった中国地方への緊急物資等輸送を支援するため、山陽自動車道の広島IC〜河内IC間において、緊急物資等輸送車両の通行が可能となる措置を実施しました。

緊急物資等輸送車両通行の様子緊急物資等輸送車両通行の様子

関係機関との連携

九州自動車道

福岡北九州高速道路公社と連携し、公社が管理する北九州高速道路の上り線を、九州自動車道上り線の代替とすることにより、本州と九州を連絡する交通軸を早急に確保しました。

応急復旧の様子応急復旧の様子

九州自動車道(門司〜小倉東)交通運用九州自動車道(門司〜小倉東)交通運用

広島呉道路

崩落土砂の撤去において、並行する国道31号線、JR呉線も被災したため、国土交通省中国地方整備局及びJR西日本と連携して効率的な復旧作業にあたりました。

国道31号線を仮設道路により早期に交通確保していただいたことで、広島呉道路やJR呉線の復旧作業スペースを確保でき、併せて関係機関との施工調整、昼夜連続での施工により、当初11月としていた復旧目標を9月下旬に早めることができました。

また、広島呉道路の通行止めによる呉市周辺へのアクセス低下への対応として、広域迂回ルートの料金調整や広島市と呉市を結ぶ都市間バスへの通行措置により、定時性の確保に努めました。

復旧作業の様子復旧作業の様子

復旧完了の様子復旧完了の様子

広島県地域政策局 地域力創造課 課長 山田 和孝 様

広島県地域政策局
地域力創造課長 山田 和孝 様

災害時の広島~呉間の移動手段を連携して確保しました

広島県では、全域において交通インフラが甚大な被害を受け、その中でもJR呉線・広島呉道路・国道31号が全て遮断された広島~呉間の交通確保が急務であったため、まず、JR呉線沿線において各種の対策を行いました。

NEXCO西日本グループには、広島呉道路通行止め区間における、全国初の災害時BRTの実施や国道31号の渋滞対策について、迅速かつ効果的な協力・連携をいただきました。

バスの運行を再開した当初は、広島~呉間の所要時間が3時間以上かかる便もありましたが、NEXCO西日本グループとの連携等の結果、所要時間が約75分と大幅に短縮され、1日に最大約3千人が利用されるなど、JR復旧までの県民の主な移動手段となりました。

今後も、災害時に迅速かつ効果的な対策が取れるよう、平時からNEXCO西日本グループをはじめとした関係機関との連携強化に取り組んでいきます。