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お知らせ

第5回 四国横断自動車道 吉野川渡河部の環境保全に関する検討会(議事概要)

1.日時

平成27年4月27日(月曜)14時00分~16時00分

2.場所 

アスティとくしま2階 研修室1・2

3.出席者

出席委員:
山中座長、中野部会長、成行部会長、鎌田副部会長、上月委員、橋本委員、浜野委員、森本委員、和田委員
オブザーバー:
徳島県 県土整備部 道路局 久住局長
事業者(事務局): 西日本高速道路株式会社 四国支社 建設事業部

松室部長
建設課 大木課長
徳島工事事務所 大内所長
徳島工事事務所 徳島東工事区 坂東工事長

4.議題

(1)開会
(2)事業者挨拶
(3)議事ならびに説明事項
  1. 橋梁設計の報告

    ※以下に、今後の検討事項をまとめる。

    • 夜間の走行車両のヘッドライトの光による鳥類のねぐらや飛翔経路への影響について検討する。
    • 渡河橋に設置する道路標識に猛禽類がとまる可能性があることから、その他の事例を参考に対策を検討する。

    ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

    • 委員から、環境保全対策検討時に7.5mあった桁下空間の高さが、橋梁設計を踏まえると8.0mになることで、桁下を飛翔する鳥類にとって1割程度の面積が失われたこととなり、これを環境部会で議論する必要があるとのご意見があった。

      ⇒これに対し事務局より、事前説明の中で鳥類の専門家から、シギ・チドリ類は2m~3mの低いところを飛翔しており、余り影響がないと考えられるとのご意見があったことを報告した。

    • 委員から、高欄を全壁ではなく半壁にすることで、夜間の走行車両のヘッドライトの光が橋の外側に漏れる可能性があるため、一般の方々のご意見を聞きながら、影響を検討した方が良いと考えられるとのご意見があった。
    • 委員から、高欄が全壁であったとしても、大型車のヘッドライトの光は橋梁の外側に漏れてしまうと考えられる。ヘッドライトの光が鳥類に影響するかどうか不明であるため、鳥類の専門委員の意見を確認しながら検討する必要があるとのご意見があった。

      ⇒これに対し事務局より、今回の検討会で橋梁形式のディテールが決まれば、今後、ヘッドライトの影響について検討していきたいと考えている。また、橋梁は東側にRを描くカーブであるため、河口干潟に光が向きにくい環境であることを踏まえて検討していきたいとの説明があった。

    • 委員から、橋脚の形状を銀杏型にしたときに路面より外部にはみ出る天端と、渡河橋上の道路標識に猛禽類がとまる可能性が考えられるものの、河口干潟から離れた場所であるため、どの程度の影響が生じるか不明であるとのご意見があった。

      ⇒これに対し事務局より、事前説明の中で鳥類の専門家から、基本的に猛禽類は周囲を360度見渡せるような場所を好む傾向にあるが、吉野川河口付近のマンションのベランダに猛禽類が居たという事例もあることから、それらの場所を利用する可能性が考えられる。標識に関しては、類似の事例などを調査し、鳥よけを設けるなどの工夫を考えた方が良い。また銀杏型の天端に関しては、何らかの鳥類がとまって糞をすることで汚れる可能性があること、周辺に猛禽類の餌が増えれば、そこにとまる可能性があるとのご意見があったことを報告した。

    • 委員から、橋梁設計を踏まえた浚渫の土量について質問があった。

      ⇒事務局より、平成26年8月の大出水の影響で渡河部周辺に浅場が広がっており、極力浚渫が生じない施工方法を検討してきた。杭打ち施工時にはどうしても浚渫が生じるが、下部工のコンクリートを打設する際に、浚渫が広大になるコンプリートプラント船を用いず、補助桁を用いることで浚渫が少なくできると考えているとの説明があった。

    • 委員から、下部工施工の際にシルトが拡散しないようなフェンスの囲い込みの対策を実施するのか、また橋脚の壁面等に生物に対して害が出る様な防護材を使用するのか質問があった。

      ⇒事務局より、環境保全対策の1つとして、下部工施工時には汚濁拡散の防止のためのシルトフェンスを設置する。またコンクリート施工後に生物に対して害が出るような防護材を用いることは考えていないとの説明があった。

    • 委員から、渡河橋の排水設備の形状について質問があった。

      ⇒事務局より、吉野川河口付近ではスジアオノリ等のブランド化した産業があることから、橋面の雨水を排水路によって両岸に導くことで、川の中に直接落とさないようにしているとの説明があった。

    • 委員から、下部工の材料に用いるフライアッシュについては、NEXCO西日本での実績も少ないことから、供給や配合の検討が必要だと考えられる。このため、検討に際しては必要に応じて協力していきたいと考えている。また、フライアッシュの方がセメントよりは価格が安く、セメントを使わない分、CO2の削減に繋がると考えられるとのご意見があった。
    • 委員から、橋梁設計は全てのコンセプトに対して具体的な案を適切に検討されているとのご意見があった。また、上・下部工の剛結構造が6径間になった根拠について質問があった。

      ⇒事務局より、剛結構造に関しては、温度変化によるコンクリートの伸縮量や、杭、橋脚の耐力等を検討した結果、6基しか剛結ができなかったと説明があった。

    • 委員から、景観の検討について、付属物などをなくしたシンプルな考え方は良いと思う。しかし、視点場を変えると違う付属物が見える可能性があるため、どの視点場を重視するかを含め、今回のコンセプトを今後の詳細設計に申し送りして欲しいとのご意見があった。
  2. 第4回・第5回環境部会の結果報告

    ※以下に、今後の検討事項をまとめる。

    • 試験的に実施する夜間の鳥類調査の結果を踏まえ、夜間の走行車両のヘッドライトの光による鳥類のねぐらや飛行経路への影響を検討する。
    • 環境部会の意見を円滑に橋梁形式に反映するため、環境部会と橋梁部会の合同開催の場を検討する。
    • 工事の実施状況と環境モニタリング調査の結果に関して、検討会以外で情報を公開するための方法や時期について検討する。

    ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

    • 委員から、環境モニタリング調査のスケジュールの変更について、下部工の施工期間が長くなり、事後調査が後ろに移行したとしても工事中に継続的に監視し、その結果を踏まえながらその都度評価していけば良い。ただし、評価の仕方や底生動物のハビタット区分などに関しては、今年度中くらいにベースを作る必要があるとのご意見があった。
    • 委員から、環境部会と橋梁部会のやりとりが余りなく、例えば半壁高欄のヘッドライトの課題を詳細設計に反映できるタイミングがあるのか等、環境部会の意見が設計にどこまで反映できるのか示して欲しいとのご意見があった。
    • 委員から、下部工の施工方法や形式は、今回の検討会で決定されるのか質問があった。

      ⇒事務局より、下部工のディテールについては、大きな変更はないと考える。しかし、今後、工事の受注者が決定し、上部工の詳細設計を行う中で上部工自体が軽くなるなどの要因で剛結構造の連結数が増える、全体がスリムになる等の可能性は考えられるとの説明があった。

    • 委員から、今後、環境部会と橋梁部会の合同部会を実施する方が、何度も部会を開催せずに効率的だと思うとのご意見があった。
    • 委員から、底生動物のハビタット区分などの検討について、部会ではなく評価モデルを作成する人と、数人のメンバーで適宜集まって議論する場があった方が進めやすいと考えられるとのご意見があった。
    • 委員から、夜間に実施する鳥類調査の結果が、工事にどのように反映させるのか、確認しておいた方が良いとのご意見があった。

      ⇒事務局より、夜間の鳥類調査はデータが取れるかどうか、どのようなデータになるのか分からず、試験的にスタートするものであるため、得られたデータのご意見に基づいて、どう使っていくか検討していきたいとの説明があった。

    • 委員から、鳥類の夜間の飛翔経路が分かれば、そこに直接ヘッドライトの光が行かない様にするなどの工夫として、遮光板を設置するが考えられるとのご意見があった。
    • 委員から、今後の検討会の開催スケジュールでは、1年に1度、6月頃に検討会を開催することを予定しているが、工事の進捗や環境モニタリング調査の結果をウェブサイトで公開できる様な枠組みが必要である。ただし、どのような形で公表したら良いか、内容の解釈が必要になるため、委員に相談の上で公表していただけたらと思う。また、一般の方からも工事の進捗や環境モニタリング調査の結果を公表して欲しいとの要望があり、それに真摯に応えていくことが重要であるとのご意見があった。
    • 委員から、8月や9月は地形変化が起こる可能性が高いため、下部工施工期間が長くなると、その間の地形変化の影響を受けることになる。そういった状況の確認も必要であるため、検討会や部会ではなく、例えばニュースレター形式にする等で、定期的に情報を公開することが良いとのご意見があった。
    • 委員から、下部工の施工が始まると、上部工の形状も決まってしまうと考えられる。今後、鳥類に対して夜間の走行車両のヘッドライトの光が影響すること等が分かってきた時に、上部工の形式の修正ができるのか質問があった。

      ⇒事務局より、上部工での対応が遮光板程度であれば下部工施工後も対応が可能との説明があった。

  3. 今後の予定

5.閉会

配付資料

  • 資料1 説明資料
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