▲ 

お知らせ

第6回 四国横断自動車道 吉野川渡河部の環境保全に関する検討会(議事概要)

1.日時

平成27年10月27日(火曜)10時00分~12時00分

2.場所 

ふれあい健康館2階 第2会議室

3.出席者

出席委員:
山中座長、中野部会長、成行部会長、鎌田副部会長、桑江委員、上月委員、森本委員
オブザーバー:
国土交通省 四国地方整備局 徳島河川国道事務所 檜田副所長
徳島県 県土整備部 運輸戦略局 岸局長(代理出席 神野課長)
事業者(事務局): 西日本高速道路株式会社 四国支社 建設事業部

松室部長
建設課 里部課長
徳島工事事務所 福冨所長
徳島工事事務所 徳島東工事区 坂東工事長

4.議題

(1)開会
(2)事業者挨拶
(3)議事ならびに説明事項
  1. 第6回環境部会の結果報告

    ※本項目について、環境部会で「工事中の環境モニタリング調査は事前調査と同様に継続実施する」と了承されたことに対して、以下の意見を踏まえて検討会でも了承された。

    ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

    • 委員から、環境モニタリング調査計画のブラッシュアップの結果のうち、鳥類調査の飛翔状況調査に示された、「小松海岸とマリンピア沖洲人工海浜がねぐらとして機能しなくなってからは、主に河口干潟がねぐらとして機能し」の記述は、現在のシギ・チドリ類にとって河口干潟が好適であることであり、今後、ねぐらが変化する可能性はあるため、より適切な文章に修正する方が良いとの意見があった。
      [検討会後の対応]:
      意見を踏まえて説明資料P7(216KB) PDFファイルを開きます に記載した飛翔状況調査の調査結果を修正。
    • 委員から、今後、夜間の鳥類調査を実施しない理由が明確でないため、その根拠をしっかり記載しておく方が良い。また、夜間走行車両のヘッドライトの影響が僅かであるという根拠についてもより具体的に記載しておく方が良いとの意見があった。
      [検討会後の対応]:
      意見を踏まえて説明資料P7(216KB) PDFファイルを開きます に記載した飛翔状況調査の今後の課題を修正。
  2. 浚渫の影響評価

    ※浚渫の影響評価に関して、今後、以下の意見を踏まえて環境モニタリング調査データの蓄積に応じて適切にハビタット区分の検討を実施し、その影響を検討していくこととして了承された。

    ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

    • 委員から、ハビタット区分1の指標種の生息範囲の予測は、地盤高で評価したと説明があったが、含泥率の間違いではないのか質問があった。

      ⇒他の委員より、ハビタット区分1は砂が卓越する部分であるため、標高だけで区分できるというのが事務局の考えとの説明があった。

    • 委員から、ハビタット区分の検討結果について、これまでの調査結果ではハビタット区分1の含泥率が3~4%程度となっており、検討の前提としてそれが正しいということを仮定している。これまでの3回の調査でたまたまこうなったのか、あるいは今後数年でも地盤高と含泥率と無関係な状態が維持されているか保証されていないということが大きな課題と考えられる。参考資料の4ページに示したように、通常は水深が深くなれば外力が小さくなることで含泥率が高くなるが、調査の測定値は深さ方向が変わっても含泥率が変わらないという結果になっており、そこに何かの理由があるはずとの意見があった。
    • 委員から、ハビタット区分1の中で、調査結果から深さが変わっても含泥率が変わらない理由として、測定方法の問題があると考えられる。例えば、採泥器は表層数cmの層を採取しているが、細かな粒度の形成過程はごく表層に限られており、深くなるほど砂質が増えてくるため、採取した試料を分析すると砂質になるかもしれない。また、底質の形成の時間的な問題として、平成26年10月と平成27年6月調査の結果は、平成26年8月の大出水後のデータということもあり、底質の粒度分布の形成時間に対して十分じゃなかった可能性もある。先の仮説が本当に正しいかどうか、今後のデータの蓄積に応じて修正を加えていかないといけないと考えられるとの意見があった。
    • 委員から、浚渫によって含泥率が変化するのか質問があった。

      ⇒他の委員より、浚渫によって深さ方向にカットすると、その部分の底質が表に出てくる。吉野川河口の深いところは砂が卓越することから、より砂質化すると考えられるとの説明があった。

    • 委員から、浚渫の影響評価は、浚渫によって取り除いてしまう底生動物が、工事後に地形が回復することによって生物も戻ってくるということが前提の影響評価である。つまり、直接的に破壊されて生物がいなくなる部分が、生物がいると考えられる面積のうち何パーセントというのを算出しながら、地形が戻ったときに生物も戻ってくることが可能か予測しておくというものであるとの説明があった。
    • 委員から、ハビタット区分2と3の環境と生物がオーバーラップしているので、わざわざ分ける意図が分からない。また、区分3は泥が堆積しやすいのではなく、底質が撹乱されやすい一帯であるとの意見があった。

      ⇒事務局より、これまでの調査結果から区分2は安定的に泥が堆積しており、区分3は流路であることから底質の変化が大きい結果になっており、粒度の形成プロセスが異なると考えられることから、ハビタットを区分したとの説明があった。

      ⇒他の委員より、物理的な指標だけでなく、硫化物や有機物を見ると環境が異なる可能性があるとの意見があった。

      [検討会後の対応]:
      意見を踏まえて 説明資料P14(1,556KB) PDFファイルを開きます と 参考資料P3(763KB) PDFファイルを開きますに記載した区分3の説明を修正。
    • 委員から、出水後であればハビタット区分1の含泥率が水深に関係なく砂になる状況がありえると考えられる。しかし、採泥方法によって砂質になってしまったとしたら大きな問題で、表層部分に多くの底生動物が生息すると考えると感度が鈍くなっており、深く取りすぎているのであればもう少し浅く採泥することも考えた方が良いと考えられるとの意見があった。
    • 委員から、選好度モデルで評価した生物は、地盤高の選好範囲を図示し、そこで示されたものを分母としてどれくらい浚渫の影響が生じるのが予測する方が良いとの意見があった。
    • 委員から、浚渫の想定最大時とは何か質問があった。

      ⇒事務局より、橋脚はP1~P11まであり、その中で浚渫はP4~P11までを対象としている。平成27年度渇水期はP11の浚渫を対象としており、それ以外のP4~P10を同時に浚渫した場合を想定最大時としているとの説明があった。

    • 委員から、指標種の選好度モデルの結果、地盤高が2~4mが好適、4~7mが不適、7~8mが好適といった評価が生態学的、生物学的に合理的な説明ができていないと考えられるとの意見があった。

      ⇒他の委員より、好適、不適、好適と飛び地のような評価をした場合、不適のところも好適と評価しても良いと考えられる。現在の結果は、より厳しい評価結果となっており、その結果でも影響が少ないという結果になっているとの説明があった。

      ⇒事務局より、現在までの全ての調査結果を使っても、選択した指標種の出現データが少ない状況である。本来、生息評価モデルを構築するとある範囲に出現データが固まり、飛び地にならないようなモデルがあるべき姿と考えるが、全てのデータを使い、公式的なやり方をやった場合、このような結果となった。今後、データの蓄積に応じて変わっていくと考えられる。また、飛び地になった間を好適にした場合、モデルの正解率が落ちるだけと考えられるとの説明があった。

    • 委員から、指標種の生息評価モデルは、正解率だけでなく感度や特異度も見て解釈する必要がある。また、ヒサシソコエビ科などは、よく流れている種であるため、たまたま採取できたという状況もあり、全体の異常値みたいなものを除くと、もうちょっとデータの精度も上がると考えられるとの意見があった。
  3. 工事中の環境モニタリング調査計画

    本項目については、配布された資料に示した事務局の提案通りで了承された。

  4. 環境モニタリング調査結果の公表方法

    ※本項目については、配布された資料に対する以下の意見を踏まえ、事務局の提案通りで了承された。

    ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

    • 委員から、先行事例である阿波しらさぎ大橋整備事業と同様に、環境モニタリング調査のデータベースやGISデータを公表する必要がある。そのためには、将来的に、データが公開されることを見通しながら、事前にフォーマットを統一してデータを蓄積しておく方が良いとの意見があった。
    • 委員から、環境モニタリング調査結果の生データの公開に関して、データが暫定版の段階でも公表するのか質問があった。

      ⇒これに対し事務局より、検討会の開催をもってその都度公開する。また、第6回環境部会で手元に配布した平成26年10月~平成27年6月までの調査結果のデータ集は、今後平成27年10月までの調査結果を追加して事前調査結果のデータ集として、第7回検討会で示していくことを考えており、前回と同様の形式になると考えられるとの説明があった。

  5. 今後の予定

    ※本項目については、配布された資料に対する以下の意見を踏まえ、事務局の提案通りで了承された。

    ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

    • 委員から、検討会では環境モニタリング調査計画の決定も重要な事項であるが、着工も控えている中で、工事は環境にどう配慮をしているかを確認することが重要と考えている。モニタリングを実施するために検討会があるのではなく、何のためにモニタリングを行い、環境に影響がないような工事、橋梁にするために委員が集まって議論しているため、そういったことが明確な資料にする必要がある。そのため、ここの議題のタイトルは変えていただきたいとの意見があった。
      [検討会後の対応]:
      意見を踏まえて 説明資料P27(230KB) PDFファイルを開きます のタイトルを修正。
    • 委員から、今回の検討会は、平成27年度の浚渫範囲のみの議論であったと認識しているとの意見があった。
    • 委員から、浚渫土砂はどう処理するのか質問があった。

      ⇒事務局より、浚渫した土砂は陸揚げを行い、北側の川内周辺に整備する本線盛土に転用することを考えているとの説明があった。

    • 委員から、環境影響評価の項目には、触れ合いの項目があり、工事によって周辺へのアクセスが悪くなるのではないか質問があった。

      ⇒事務局より、現在の道路は全て建築限界を侵さない計画としているため、通れなくなることはなく、現在のまま利用できるとの説明があった。

5.閉会

配付資料

  • 資料1 説明資料
  • 資料2 参考資料
Get Adobe Reader

PDFファイルをご覧になるには、Adobe Readerが必要です。