平成28年8月3日(水曜)10時00分~12時00分
アスティとくしま1階 第2会議室
※本項目について、事業者から議事内容の情報公開に関する規約の変更が提案され、了承された。
※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。
⇒事業者より、「浚渫した土砂は盛土の路体に使用し、構造物には関係のないところに使用することを予定している」との説明があった。
⇒事業者より、「農業関係者の方に浚渫した土砂を見ていただいたが、泥の成分が多く、使いにくいという意見があったこと」を説明した。
※本項目について、以下の意見を踏まえて、検討を進めていくことで了承された。
※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。
⇒事業者より、「指標種の選定については、これまでの4回の調査で連続して出現した種、また、一般的な種というルールを用いているが、密度が濃いところは現在の検討の中では加味されておらず、地盤高から割り出した生息可能場面積に対する、浚渫の影響面積の比較にしかなっていない」との説明があった。
⇒別の委員から、「この議論は選好範囲を出現種の個体数で絞り込みして感度分析のような解析を行い、密度の高いところに絞っていくものである」との意見があった。
⇒別の委員から、「解析に個体数を使用しなかった理由はあるのか」との質問があった。
⇒事業者より、「解析に個体数を使用しなかった理由は特に無い。また、情報として個体数のデータを持っているので、個体数の多い箇所に限定したデータで解析することは可能である。しかし、潮下帯の調査は人が目視できない場所にて、採泥器を用いる調査を行っていることから、個体数について不確実性を伴うデータになる」との説明があった。
⇒別の委員から、「浚渫の影響評価に関して一番心配するところは、浚渫予定箇所に重要種の生息密度が高い場所は集中していないのかということである」との意見があった。
⇒事業者より、「重要種の生息密度に関しては、モニタリングをしながら監視していきたい」との説明があった。
⇒別の委員から、「浚渫による大きなダメージがある場所の個体数が多いのか少ないのかチェックした方が良い。ただし、この議論は浚渫した箇所が将来的に回復するということが前提であるため、浚渫の影響の大きさと回復する可能性の両方から検討していくべきである」との意見があった。
⇒別の委員より、「通常、個体数を考慮した生息適性を検討する場合、SI曲線を使用し、その場での最大個体数を評価することとなる。そして、そのSI曲線を掛け合わせたり、足し合わせたりすることで、最終的に生息適正度が評価できる。しかし、このような解析をするには、調査で出た個体数がその場所の最大個体数であるというような、ある程度の見込みが見えないと評価が難しい。したがって、限られたデータの中では、在・不在のみの検討にならざるを得ないため、仕方がないと考えられる。最大個体数が把握出来るもっと密度の高い調査を実施しているのならばともかく、この調査の中では適正な分析が行われている」との意見があった。
⇒別の委員から、「解析方法として個体数の基準値をつくって、その基準値を超えた個体数だけで選好度モデルを作成すると、生息密度をコンター図のような形で表現できるのではないか」との意見があった。
⇒事業者より、「台船は吃水が3.5m必要であり、深い所から侵入する計画としている。作業スペースを考慮し、この浚渫範囲が必要になる。ただし、最大時の浚渫予定範囲であること、また、現在行っている地形測量によって、狭まる可能性はある」との説明があった。
⇒別の委員より、「浚渫した場所はどのくらいの期間で元に戻るのかということに対し、台風が来るかどうかによって随分違うと思うが、5m程度の高波浪が来れば1回で元に戻り、低波浪であれば数年はかかるであろうと考えられる。特に、浚渫する箇所は砕波帯であり、常に砂が動き、撹乱が生じている状態が平衡状態であるため、そんなに心配はいらないと考えられる」との説明があった。
⇒事業者より、「永久的に残る構造物の寸法については確定しているので、何らかの資料の中に記載し、影響度合いについては、相談しながら検討を進めていきたい」との説明があった。
⇒事業者より、「環境モニタリングの調査地点を選定したものと同様になるかは分からないが、実際に施工する橋脚の箇所については、前後の比較として、補足的な調査であれば検討は可能だと考える」との説明があった。
※本項目について、事業者の提案通りで了承された。
※以下に、委員からあった質問を示す。
⇒事業者より、「NEXCO西日本としては、関西支社(新名神高速道路 鵜殿ヨシ原の環境保全に関する検討会)と四国支社(吉野川渡河部)のみであり、検討会を用いて進めていく事業は中々無い」との説明があった。
※本項目については、以下の3点を工事着手前までに確認することを前提に了承された。
※以下に、委員からあった質問を示す。
⇒事業者より、「今回の検討会でいただいた課題については、事業者側だけで一方的に進めていくものではないので、環境部会の委員の意見をいただきながら検討を行い、部会という形式をとるかどうかは相談となる。また、環境モニタリング調査については、継続した調査を行うが、異常な結果が出たときは委員に相談しながら進めていく」との説明があった。
⇒別の委員から、「検討結果を各委員に個別に報告していくと意見の共有が困難になってくる。そのため、ミニワーキンググループを開催し、簡単な議事録を作成することで、検討会の透明性に配慮していく必要がある」との意見があった。
⇒事業者より、「吉野川渡河橋は橋梁形式であるため、河口干潟からマリンピア沖洲人工海浜のルイスハンミョウの移動を遮らない構造となっている。また、施工時に遮蔽物を置かない等の配慮をしている」との説明があった。
※以下に、検討会後の本項目への対応を「 中間報告(1,648KB) 」として示す。
⇒浚渫の影響評価について再検討を行い、生息評価モデルの再構築を行うのではなく、第7回検討会で示した影響評価の結果と、下記の課題(2)の浚渫箇所の環境モニタリング調査の実施によって、適切に影響を監視していくこととした。
⇒各委員への確認の結果、対応について了解を得た。
⇒その他、委員からは、「ハビタット区分2は水の流れの終着場であり、撹乱が少なく安定してやや泥が混じる砂が堆積している環境であるため、そこに稚貝が定着する可能性が考えられる。」、「工事着手前の影響評価としては検討結果が限界に近いと考えられるため、今後、工事中、工事後に適切に環境モニタリング調査を実施して監視していく必要がある。」といった意見があった。
⇒実際に浚渫を行う場所に生息する底生動物への影響を事後評価するため、浚渫箇所を対象とした環境モニタリング調査を追加することとした。
⇒各委員への確認の結果、対応について了解を得た。
⇒浚渫土砂の処理方法について、浚渫した土砂は環境保全対策として陸揚げし、その土砂を盛土転用に利活用することとした。
⇒各委員への確認の結果、対応について了解を得た。