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お知らせ

第9回 四国横断自動車道 吉野川渡河部の環境保全に関する検討会(議事概要)

1.日時

平成30年4月6日(金) 14時00分~16時00分

2.場所 

あわぎんホール5階 第6会議室

3.出席者

出席委員:
山中座長、中野部会長、鎌田副部会長、成行部会長、長尾副部会長、大田委員、桑江委員、上月委員、真田委員、橋本委員、和田委員
オブザーバー:
国土交通省 四国地方整備局 徳島河川国道事務所 片岡副所長
徳島県 県土整備部 森副部長(代理出席:高規格道路課 河井課長補佐)
事業者:
西日本高速道路株式会社 四国支社 建設事業部
井ヶ瀬部長
建設課 里部課長
徳島工事事務所 浦所長
吉野川工事区 今村工事長

4.議題

(1)開会
(2)事業者挨拶
(3)議事ならびに説明事項
  1. 第8回検討会の課題への対応
    • 事業者から資料1に基づき、「第8回検討会の課題への対応(750KB) PDFファイルを開きます 」を説明。

      ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

      • 委員から、「課題(2)への対応に記載している鳥類調査結果の図面ついて、平成26年9月以前のデータはないのか。工事が平成27年11月から開始しているため、平成26年9月以前のデータを確認し、工事前のシギ・チドリ類の出現が多かったのか、少なかったのか確認する必要があると考えられる。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「本事業では、平成26年9月からの鳥類調査を事前調査としている。実際の工事は平成28年2月から始まったため、それより前が工事前の調査になる。」との説明があった。

        ※補足メモ)平成25年9月~平成26年5月まで予備調査を実施している。

      • 委員から、「課題(1)への対応に記載している図面(P5)について、グラブ浚渫船の周りの緑の枠は何か。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「緑の枠は浚渫範囲である。」との説明があった。

  2. 工事の実施状況(平成29年11月~現在)
    • 事業者から資料1に基づき、「 工事の実施状況(3,295KB) PDFファイルを開きます 」を説明。

      ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

      • 委員から、「平成29年10月に流量が8,600m3/s の出水が生じているが、この埋め戻しによって追加の浚渫が必要になったのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「平成29年10月末に出水が2回程起きたことから、計画時の浚渫量よりも実際の浚渫量が増加しており、資料のP13に示した浚渫土量及び面積は実際に浚渫した量を示している。浚渫量は地形調査結果から計画していたが、実際の浚渫量は施工業者が浚渫前に測量を実施して決まったものである。」との説明があった。

      • 委員から、「橋脚の配筋について、エポキシでコーティングされた配筋と露出した配筋が混在している理由は何なのか。これはNEXCO の基準であるのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「NEXCO の基準ではなく現場としての基準である。コンクリートのかぶりから一番近いところにくる最外縁の鉄筋は、塩害による腐食を防止するために樹脂でコーティングしており、最外縁に触れない鉄筋についてはコーティングしていない鉄筋を用いている。経済性も考慮している。」との説明があった。

  3. 工事中調査の結果報告(速報)
    • 事業者から資料1に基づき、「 工事中調査の結果報告(速報)(1,878KB) PDFファイルを開きます 」を説明。

      ※本項目について、以下の意見を踏まえて、今後も環境モニタリング調査を進めていくことで了承された。

      ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

      • 委員から、「潮下帯生物調査結果について、平成28年11月から平成29年6月にかけて種数が増加しており、これを新規生物の参入と考察されているが、同じ種数でも組成が入れ替わっているか分析する方が良い。」との意見があった。

        ⇒事業者より、「第2渇水期に大規模な浚渫を実施したため、それに伴う新規加入と撹乱について説明をさせていただいた。ご意見を踏まえて引き続き検討していく。」との説明があった。

      • 委員から、「底生生物のデータは、種数を中心にまとめているが、量的なデータである個体数と湿重量も考慮したまとめ方をしていただきたい。」との意見があった。

        ⇒事業者より、「ご意見を踏まえ、次回の検討会では、種数だけでなく個体数や湿重量も分かるような表現の仕方についても検討していく。」との説明があった。

      • 委員から、「阿波しらさぎ大橋整備事業を含めても、吉野川河口で6月~10月に工事を行うのは初めてのことである。シギ・チドリ類にとって冬が重要な時期であるが、出水期施工を行う6月~10月に留意するべき鳥の渡りはないのか。また、底生生物は夏に活動が活発になり、一番良い時期に工事が続くことから随時留意する必要がある。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「本事業では、環境モニタリング調査を決めたときより、事業の影響評価として鳥類のシギ・チドリ類を指標種として検討することを方針としている。出水期に夏鳥のシギ・チドリ類が飛来することや、シギ・チドリ類以外の鳥類への影響についても考えられるが、それらは9月の調査データを見ながら判断していくことになる。」との説明があった。

      • 委員から、「潮下帯生物調査では、ヒナノズキンという絶滅種が確認され、絶滅種であるにも関わらず出現したということは、吉野川が素晴らしい環境であるということを表している。」との意見があった。
      • 委員から、「説明資料のP23に示した粒度のグラフでは、底質が砂や泥に変化しているが、その理由をどう考えているのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「BD-2は砂と泥が混在するバッファーゾーンとなっているため、底質が特に変化しやすい場所である。これに対してBD-3及びBD-4は常に泥が溜まった状況となっており、現段階のデータによると浚渫をしたことで泥から砂に変化したと考えられる。ただし、同時期の調査では、この浚渫した箇所周辺の調査地点で泥が多く確認されているため、最新のデータも含めて次回の検討会で報告する。」との説明があった。

        ⇒委員より、「浚渫箇所の調査地点では、浚渫した箇所が今後どのように変化していくのかを確認していく必要がある。基盤自体が変化すれば、生物も変化していくと考えられる。」との意見があった。

      • 委員から、「地形調査結果より、吉野川河口では出水期を経て河川由来のシルト・粘土が堆積し、冬から春にかけて砂に戻っていくパターンで説明できると考えていた。そういうメカニズムでないのであれば、次の確報のときの新しい説明をして下さい。」との意見があった。
      • 委員から、「粒度組成のサンプルは、どの層のものを採取しているのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「採泥器を用いて、表層の砂泥を採取している。」との説明があった。

        ⇒委員より、「冬季の波浪などによって細粒分が流出し、同時に回りの細粒分が入ってくることである程度回復していくと考えられるが、回復しなければ長期的に細粒化する傾向が出るかもしれない。完全に地形が埋まるようなところでは、地形にくぼみがなければ馴染む気はする。」との意見があった。

      • 委員から、「地形調査の地形差分図より、地形調査の精度がどれ程か分からないものの、橋脚周辺では地盤高が平均的に30cm 程度上下するのを繰り返している。また、1日単位で考えると、砕波帯が潮汐で動く範囲は150m~200m 前後し、底質は常に変化し続けていると考えられる。特に、表層はせん断応力が密接に関係しており、砕波帯では粒度変化の推定はどうしようもないと考えられる。ただし、浚渫という大きなインパクトによって泥が溜まり、そこから動きにくい環境づくりが行われた結果、種数が増えたという見方も考えられる。」との意見があった。
      • 委員から、「地形測量を実施する際、波による揺れによって調査船が上下することで誤差が生じてしまうため、橋脚等に目印として基準高さを設定し、この基準高から得た標高値と地形測量で得た値の誤差を検証することで、調査結果が安心できる。」との意見があった。

        ⇒事業者より、「現在の調査では波が穏やかな日に調査を行っているものの、どのくらいの誤差が出ているのか分からないため、固定点を設けることで検証していくことを検討する。」との説明があった。

  4. 出水期施工の実施計画
    • 事業者から資料1に基づき、「 出水期施工の実施計画(425KB) PDFファイルを開きます 」を説明。

      ※本項目について、以下の意見を踏まえて、出水期施工の実施が了承された。

      ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

      • 委員から、「出水期に河川内に存置する昇降梯子、灯浮標、シンカーブロックの3つは、台風が接近しても存置するということなのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「それら3つは、出水期であっても河川内に存置するということである。国土交通省と協議中であるが、治水上の安全を冒さないように、台風が接近した場合の撤去等について検討していく。」との説明があった。

      • 委員から、「汚濁拡散防止膜は、出水期に設置しないということなのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「第2渇水期の様な大規模な汚濁拡散防止膜は設置せず、浚渫や井筒内を掘削する際には、その周辺に小規模に設置する。」との説明があった。

      • 委員から、「出水期施工を実施することで、全体の工期の短縮に繋がったのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「出水期施工を実施することによって、準備工や片付け工が不要になり工事費用の削減となるが、工期に関しては、従来のスケジュール通りである。」との説明があった。

      • 委員から、「出水期に橋脚の上で作業している場合、台風等によって川へ物が飛んでいく危険性があるが、どう片付けを行うのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「橋脚基礎の井筒の上に設置している作業構台は、H.W.L.よりも上にあるため、基本的にそのままである。ハウスなどはしっかりと固縛し、持ち出せない物は飛ばされないようにする。」との説明があった。

      • 委員から、「出水期施工のデメリットについて、浚渫された状態の地形が維持されていることがどういうデメリットになるのか。必要に応じて浚渫するということとどう異なるのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「常に浚渫された状態を維持し、最終的に地形が戻るタイミングがずっと後になるため、デメリットとして書かせていただいた。」との説明があった。

        ⇒委員より、「台船が長期間いないか、出たり入ったりするぐらいの違いである。生物にとって、浚渫されて撹乱された状態が良いのか、地形が埋め戻り安定しているのが良いのか、どちらが良いのか分からない。」との意見があった。

  5. 環境モニタリング調査計画の変更

    ※本項目について、環境モニタリング調査計画の変更が了承された。

  6. 今後の予定

    ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

    • 委員から、「環境に配慮した浚渫土砂の処理方法とは何か。マリンピア沖洲の人工海浜の砂が不足しているため、この浚渫土砂を利用してほしい。」との意見があった。

      ⇒事業者より、「浚渫土砂は、小松島市の赤石岸壁に一度陸揚げしている。元の場所に戻すと生物への影響が生じるため、公共事業に流用することを予定している。浚渫土砂をマリンピア沖洲の人工海浜に利用するためには、浚渫土砂の管理者である徳島県の許可が必要である。」

(4)閉会

配付資料

  • 資料1 説明資料
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