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お知らせ

第11回 四国横断自動車道 吉野川渡河部の環境保全に関する検討会(議事概要)

1.日時

令和元年10月8日(火) 10時00分~12時07分

2.場所 

徳島県教育会館 5階 小ホール

3.出席者

出席委員:
山中座長、中野部会長、鎌田副部会長、成行部会長、長尾副部会長、大田委員、桑江委員、上月委員、真田委員、橋本委員、浜野委員、和田委員
オブザーバー:
国土交通省 四国地方整備局 徳島河川国道事務所 黒口事業対策官(※代理出席)
徳島県 県土整備部 高規格道路課 小津課長(※代理出席)
事業者:
西日本高速道路株式会社 四国支社 建設・改築事業部
佐野部長
建設課 黒川課長
徳島工事事務所 浦所長
吉野川工事区 橋本工事長

4.議題

(1)開会
(2)事業者挨拶
(3)議事ならびに説明事項
  1. 第10回検討会の課題への対応
  2. 工事の実施状況(平成30年11月~現在)
  3. 第1回現地検討会の開催報告
    • 事業者から資料1に基づき、「 第1回現地検討会の開催報告(670KB) PDFファイルを開きます 」を説明。

      ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

      • 委員から、「地元の方は実際に現場見学に来ているのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「地元の方はまだ来られていないが、事業者として広報を行い、現地見学会や親子見学会を開催している。また、今年は土木学会の年次総会が高松で開催されたため、四国に多くの人が訪れ、その機会に現場を見学してもらうことがあった。」との説明があった。

  4. 工事中調査の結果報告
    • 事業者から資料1に基づき、「 工事中調査の結果報告(3,965KB) PDFファイルを開きます 」を説明。

      ※本項目について、以下の意見を踏まえて、今後も環境モニタリング調査を進めていくことで了承された。

      ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

      • 委員から、「資料 1 の P21、P22 に記載されているピーク流量はどこの水位観測所のデータより算定しているのか。吉野川で算定をするのなら岩津観測所、吉野川河口ならば中央橋観測所、最近では第十堰でも算定できるようになっている。」との意見があった。

        ⇒事業者より、「データとしては中央橋観測所のデータを使用している。このデータから水位を流量に換算して、さらに旧吉野川に抜けていくデータを差し引いた数字を流量として算定している。」との説明があった。

        ⇒委員より、「現在、中央橋観測所で水位流量換算公式は公開されているのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「水位・流量換算公式は公表されていないが、流量が公開されている場合はその値をそのまま利用し、公開されていない場合は水位・流量換算公式を作成し、想定の流量を算定している。この値は確報にはならないが、近い値にはなっているだろうということで資料には記載している。」との説明があった。

        ⇒委員より、「それでは、第十堰の通過流量を参考に乗せているということでよいのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「そのとおりである。」との説明があった。

      • 委員から、「資料 1 の P30 地点別の種の変化について、例で示されている BG-1 の数値と左の表の数字が違うため、わかりづらくなっている。修正を行う方がよい。」との意見があった。

        ⇒事業者より、「資料 1 の P30 については修正させていただく。」との説明があった。

      • 委員から、「資料 1 の P30 の地点別の種の置き換わりを評価しているが、これは、調査日毎に出現パターンが変化しているが、差分で見ると工事前後で減少傾向はないため、種の移り変わりは発生していないという解釈でよろしいか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「出現パターンを見るのではなく、工事前後で指標となる種が減少していないため、工事により種の入れ替わりは生じていないということである。」との説明があった。

      • 委員から、「橋脚があることにより、橋脚周辺が洗堀している。今後、橋脚があることにより、影響を受け続けていくのならば、以前、検討を行った、橋脚から下流に何mの影響が出るのかを検討したものと実際の影響とを比較する方がよい。また、その範囲がハビタット区分にどの程度影響を与えるか検討してほしい。」との意見があった。

        ⇒事業者より、「橋脚周辺で洗堀が起こることは当初の想定にあり、そのことも踏まえて自然のゆらぎが大きいという条件の中で、影響評価を行っていくためにバックアップ状況の確認を行っている。いただいた意見の影響を考察できるように課題とさせていただく。」との説明があった。

        委員より、「円柱の橋脚周辺の局所洗堀については昭和40年台に活発に研究されており、愛媛大学名誉教授の鈴木幸一先生がその影響をまとめている。この研究により、水利公式集として定式化されており、流量と最大洗堀深と洗堀孔の長さについて公式で推定できるため、こういった知見と比較して評価すればよいのではないか。」との意見があった。

        ⇒事業者より、「いただいた意見をもとに検討を行う。」との説明があった。

      • 委員から、「底生生物のデータ集に関して、データの並べ方や記載されている個体の分類がおかしい。公表するデータであれば、修正を行わなければならない。」との意見があった。

        ⇒事業者より、「データ集の誤植、間違いに関しては、もう一度精査し、修正させていただく。」との説明があった。

      • 委員から、「資料 1 の P24 地形調査の浚渫後の戻り具合のグラフについて、計画時の浚渫目標より、浚渫後に計測した値の方が低くなっているが、これは計画より掘りすぎたということか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「実際のところ、計画と同じようにきっちりと浚渫を行うのは難しく、掘りすぎているということである。」との説明があった。

        ⇒委員より、「この誤差(50cm 程度)は、こういった工事の場合、許容範囲であるのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「50cm 程度であれば、許容範囲内であると理解している。」との説明があった。

      • 委員から、「掘りすぎているということは、立米にすると土量が大きくなるのではないか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「土量は設計数量よりは少し増え気味であるが、厳密にその高さで掘り下げるのは技術的には難しいと考えている。」との説明があった。

      • 委員から、「資料をみていると、浚渫により発生した土量が29万m3であり、津田の埋め立てに25万m3を使用しているが、残り4万m3ほど残っているが、これはどうするのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「徳島県が行っている大きな公共工事に流用できないか適宜、調整している。また、今後も浚渫した土砂の土量を確認し、工事終了まで調整を続けて、具体的に定まれば、検討会等の場で公表させていただくことを考えている。」との説明があった。

        ⇒委員より、「沖洲の人工海浜にも活用していただきたい。」との意見があった。

        ⇒事業者より、「その件については徳島県と調整し、活用していただく方向で話が進んでいる。」との説明があった。

      • 委員から、「津田の埋立への浚渫土の受け入れは終わっているのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「今期も、追加で5万m3程度追加する方向で調整を行っている。」との説明があった。

      • 委員から、「今年度末には橋脚が完成予定となっているが、橋脚完成後も浚渫が行われる予定であれば、調査計画を変更し、浚渫の影響を評価するほうがよい。」との意見があった。

        ⇒事業者より、「調査計画については各委員の意見を参考にしながら、変更を行っていく予定である。」との説明があった。

      • 委員から、「干潟の接続部を切断したと聞いており、実際に通りがかった際に切断していた。実際の管理者ではないが、この調査への影響もあると考えられるので、事業者としてこういった情報は共有しているのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「干潟の接続部の切断については、直接の事業者ではないため、申し上げる立場ではないが、聞いた情報によれば、漁業者が自ら申請し、事業を行っているとのことである。また、9月の半ばには通水したようであるが、台風の影響で通水できないほど砂が堆積したようである。本事業としては、自然の影響と人為的な影響をまとめて調査・評価していきたいと考えている。」との説明があった。

      • 委員から、「阿南の今津海岸も砂がやせているので、浚渫土砂を活用していただければと思う。個人的な意見だが。」との意見があった。

        ⇒事業者より、「今後も関係機関と調整を続けていく。」との説明があった。

      • 委員から、「干潟を切断したという情報は重要で、犬が行き来することでシギ・チドリ類に影響を与える話もあり、人・犬の往来がシギ・チドリ類へ影響を与える可能性があるため、干潟の情報に関しては注意する必要があると思う。」との意見があった。

        ⇒事業者より、「見ている限りでは、潮位の関係により、潮が引くと干潟が接続している。タイミングによっては犬や人が往来できるため、こういったことも包含できるように調査していければと考えている。」との説明があった。

      • 委員から、「浚渫箇所の埋め戻しについて、冬季の風浪により埋め戻されたとしているが吉野川の冬季では、水深 2.5m 程度までしか影響せず、砂はあまり移動しないので、埋め戻されない方が当たり前に思う。埋め戻しは夏場の高波浪、高潮、洪水の影響で起こる。そのため、長い目で観察していく必要がある。小松島港で観測されているデータを使用し、冬季の砂の移動限界水深を算定してほしい。基本的には水深 5m までは変動せず、干潮時の 4m 弱程度になったときに多少移動する時間があるのでは。」との意見があった。

        ⇒事業者より、「参考にさせていただく。」との説明があった。

      • 委員から、「下部工の施工は終了するということで、上部工の施工に移っても浚渫深さ3.5m は必要なのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「上部工の柱頭部の施工は現場打施工であり、現場打施工を行うには CP船を使用するため、3.5m の浚渫は必要である。ただし、柱頭部の施工時のみであり、柱頭部施工後は、ここまでの浚渫は必要なくなる予定である。」との説明があった。

      • 委員から、「仮設桁の撤去方法はどうするのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「300m の大きな桁なので小割りにして陸上に引き上げる、海側に大きなブロックとして台船におろして撤去する等、現在、検討中であり、浚渫も必要になる可能性があるので、環境への影響も含めて総合的に判断する」との説明があった。

      • 委員から、「シギ・チドリ類の数が 5 年間トータルで減っていないということは吉野川河口全体がいい場所であるということである。ここ、5~10 年で全国的、世界的にも小型のシギ類は減少しているので、素晴らしいことだと思う。ただし、今後、上部工が完成していくので、注視する必要がある。マリンピアや干潟での休息場の変化はよくわからず、状況次第で変化するのではないかと思う。陸上部の P12、P13、P14 がねぐらに影響に関して今後、確認する必要があるかもしれないが、ねぐらから 200m 程度は離れており、文献でも猛禽類がシギ・チドリ類を隠れて襲うサプライジングアタックの安全距離は100m 程度であるといった文献もあるため、あまり影響はないのではないかと思う。」との意見があった。
      • 委員から、「資料1のP32のハビタット区分の影響には台風の影響は含まれるのか。」との質問があった。

        ⇒事業者より、「ハビタット区分は毎回モデルを作成したうえで検討しており、あくまで浚渫に対する影響評価を行ったものである。」との説明があった。

  5. 今後の予定

    ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

    • 委員から、「環境モニタリング調査結果のデータを正確に公表することも大事だが、デ ータだけでは一般の方は理解しにくい。そのため、今後は一般者にもわかりやすい資料を作成する必要があるのではないか思う。」との意見があった。

      ⇒委員より、「委員会の取りまとめといった資料がわかりやすいのではないかと思う。」との意見があった。

(4)閉会

配付資料

  • 資料1 説明資料
  • 資料2 参考資料
  • 資料3 環境モニタリング調査結果データ集
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