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お知らせ

第16回 四国横断自動車道 吉野川渡河部の環境保全に関する検討会(議事概要)

1.日時

令和5年10月18日(水) 13時30分~15時30分

2.場所 

徳島大学理工学部内工業会館 2階メモリアルホール

3.出席者

出席委員:
山中座長、中野部会長、鎌田副部会長(WEB)、成行部会長、長尾副部会長、大田委員(WEB)、上月委員、真田委員、橋本委員、浜野委員、和田委員
オブザーバー:
国土交通省 四国地方整備局 徳島河川国道事務所 三好 事業対策官
徳島県 県土整備部 高規格道路課 明星 副課長
事業者:
西日本高速道路株式会社 四国支社
建設・改築事業部   大城部長
建設・改築事業部   衛藤構造担当部長
建設・改築事業部   古賀課長代理
徳島工事事務所    長谷川所長
徳島工事事務所    中谷工務課長

4.議題

(1)開会
(2)事業者挨拶
(3)議事ならびに説明事項
  1. 第15回検討会の課題への対応
  2. 環境モニタリング調査の結果報告
  3. 総合評価報告書(案)について
  4. 上部工の影響評価
  5. ミティゲーションの考え方
    • 事業者から資料1に基づき、「 影響評価をうけたNEXCO西日本のミティゲーションの考え方(246KB) PDFファイルを開きます 」を説明。

      ※本項目について、以下の意見を踏まえて、総合影響評価報告書(案)及び本事業における代償措置が必要ないことについて了承された。

      ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

      • 委員から、「鳥類調査のデータに関して、桑江委員(欠席)からコメントはあるのか。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「総合影響評価報告書(案)についての意見はいただいたが、調査結果の意見は特になかった。」との説明があった。

      • 委員から、「影響評価報告書(案)について、これまでに議論ができたところ、できなかったところを記載していただきたい。」、「指標種をハビタット区分により評価し、工事の影響が軽微と評価したことについては問題無いが、モニタリング調査で取りまとめた種の同定、重要種の出現状況、種数、個体数、バイオマス(湿重量)といった細やかなデータについても記述だけでも構わないので、工事前・工事中・工事後で影響がなかったことをまとめていただきたい。」、「データをみると原因は不明ではあるが、工事後に関して、軟体動物のバイオマス(湿重量)が減少しているため、後々、問題となりそうな事実については記載していただきたい。また、重要種についても工事前・工事中・工事後の出現頻度・変化についても評価・言及してほしい。」、「水産資源種(アユやシラスウナギ)の影響について漁業関係者等へのヒアリング等に基づいて評価すべきではないのか、スジアオノリの収穫量が減少したと聞いているが。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「種数、個体数、バイオマス(湿重量)の傾向、底生生物の出現頻度等の細かいデータは、第3章 環境モニタリング調査 3.5底生生物にA3の資料として添付されているが、その結果については言及されていないため、報告書内での取り扱いについては検討させていただく。」、「工事後のバイオマス(湿重量)の減少や重要種の出現頻度については、委員の意見をふまえ、事業との因果関係は不明であるとしたうえで、整理・取りまとめさせていただく。」、「工事終了後に河口部の漁協者から水産資源種が減少したとの報告は受けていない。また、汚濁防止シートがアユの遡上に与える影響については、以前に検討し、影響が生じていないことを当時の漁業関係者へ報告している。」との説明があった。

      • 委員から、「説明された漁業者へのヒアリング結果に関しても報告書に記載していただきたい。」との意見があった。

        ⇒ 他の委員より、「漁業関係者等の意見は、科学的な根拠が乏しく、事実かどうか確認するのが非常に難しい。そのため、報告書に記載するのはふさわしくないのでないか。」との意見があった。

      • 委員から、「委員の意見もわかるが、検討会の当初計画の中で漁業者へも聞き取りを行うと聞いており、その結果が報告書には記載されていないのでは。」との意見があった。

        ⇒ 他の委員より、「報告書内での取り扱いについては、整理して改めて確認していただく。」との説明があった。

      • 委員から、「説明資料P19の底生生物・底質の調査結果について記載されている箇所で、【平成30年10月の大規模出水】と記されているが、これは【平成30年7~10月にかけての大規模出水】が正しいので修正したほうよい。」、「説明資料P32に記載されている環境保全対策(原案)の【2-1 工事中は水質汚濁、騒音や振動の対策を実施します。】と記載されているが、これは低減対策を実施しますとの表現のほうが良いのではないか。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「大規模出水に関する表現については修正させていただく。」、「環境保全対策(原案)は第2回の検討会の際に決めたものであり、それ以降はこの内容で動きながらパンフレット等の各種資料作成をしてきており、現段階から遡って修正するのは難しい。」との説明があった。

        ⇒ これに対し委員から、「原案については、こだわるところではなく、表現として違和感があるだけである。」との意見があった。

      • 委員から、「橋梁の景観の事項に関しても、実現できなかったこととできたことを整理のうえ記載してほしい。また、諸々の事情により半壁高欄での計画を全壁高欄で施工したことも記載していただきたい。」、「報告書1-13の検査路のフォトモンタージュが、実際に施工されているものと異なるため修正していただきたい。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「半壁高欄から全壁高欄へ変更したことについては報告書に記載させていただく。また、検査路のフォトモンタージュについても修正させていただく。」との説明があった。

      • 委員から、「説明資料P31の【実施設計にて一層の環境配慮】について、実施したことを表の一覧等でわかりやすく整理するほうが良い。」、「事業における環境配慮にかかるコストについて、どういった考えがあるのか。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「実際に行った環境配慮に関しては、わかりやすく整理させていただく。」、「環境配慮にかかるコストについて、会社としての明確なルールはない。大規模なコストが必要となることもあるので、専門家と協議し、事業ごとで必要なことを整理のうえ、実施している。ケースバイケースである。」との説明があった。

      • 委員から、「今回の事業に関しては、代償措置等の必要性はないとのことだが、こういった環境等への配慮について社会的にどこまで実施するべきか、また、しない場合にも社会的なリスクが生じることも懸念されるが、企業側としてどう考えているのか。」との意見があった。

        ⇒ 他の委員から、「環境に配慮することにより、事業にかかるコストがどれくらい増加したのか、また、事業費の内、環境配慮のコストはどれくらいになるのか。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「環境配慮にかかるコストは環境配慮以外の要因と結びついており、単純に切り分けて説明することが難しい。」との説明があった。

      • 委員から、「事業評価としてB/Cでの評価手法等があるが、環境配慮にかかるコストについて整理し、評価できたら面白いのではないか。」との意見があった。
      • 委員から、「当初の工程から2年程度ずれたと記憶しているが、工程が遅れたことについて、要因等を踏まえて報告書にコメントとして記載してはどうか。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「報告書のP2-60施工段階でのミティゲーションにて、簡単ではあるが記載させていただいている。」との説明があった。

      • 委員から、「影響評価については、インパクトレスポンスフローに基づいて、良くまとまっていると思う。事前説明時の指摘事項についても反映されており、特に問題ありません。」との意見があった。
      • 委員から、「報告書の全体的な流れについては、問題ありません。吉野川河口部は、変化が激しく、事業の影響を評価するために要因を切り分けるのが難しい。」との意見があった。
      • 委員から、「インパクトレスポンスフローの建設作業振動・建設作業騒音が与える影響が鳥類のみとなっているが、最近の知見では、イセエビ、マガキやシオマネキ等の海洋生物にも影響を与えることが報告されている。そのため、騒音・振動が底生動物にも影響を与える可能性があり、当初から把握できていないので、仕方がないが、少し気がかりである。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「平成25年に実施した検討会で、取り決めたフローに基づいて、モニタリング調査を実施してきたため、騒音・振動が鳥類以外の生物に与える影響については、考慮できていない。」との説明があった。

        ⇒ 他の委員から、「当初に定められたインパクトレスポンスフローをこの段階で修正するのはルール違反であると思われ、当初の段階で新たな知見による影響を考慮できていなかったのは検討会としても仕方がないことと思われる。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「インパクトレスポンスフローには、第16回検討会の意見を踏まえたコメントを入れる。」との説明があった。

  6. 今後の予定
    • 事業者から資料1に基づき、 「 今後の予定(296KB) PDFファイルを開きます 」を説明。

      ※本項目について、以下の意見を踏まえて、今後の予定について了承された。

      ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

      • 委員から、「公開されるデータはPDFのみなのか。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「ホームぺージからダウンロードできるのは、PDFのみですが、エクセル等のデータに関しては事業終了後に開示請求していただければ、研究目的等、提供者は限らせていただくが、提供させていただく。」との説明があった。

      • 委員から、「事業終了はいつ頃になるのか。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「橋梁本体の工事は、終了しているが、近隣家屋へ与えた影響等の調査に基づいた補償等の関連事業があり、事業が終了する時期は決まっていない。」との説明があった。

      • 委員から、「委員会終了はいつ頃になるのか。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「パブリックコメントを実施のうえ、来年の3月に第17回検討会を実施し、終了する予定である。」との説明があった。

      • 委員から、「本事業で調査・整理した吉野川河口部のデータは、貴重なものである。日本の研究者には、このデータを活用していただきたいと考えており、各種学会でNEXCOの行ったことを広める、また、そのことに関しては委員として協力させていただきたい。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「データ提供に関しては、相談いただければ、柔軟に対応させていただく。」との説明があった。

      • 委員から、「ほかの研究者等にもデータの提供について学会等を通じて、アナウンスしてもよいのか。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「問題ありません。」との説明があった。

      • 委員から、「吉野川サンライズ大橋が受賞した田中賞について説明してほしい。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「景観への配慮を含めて、径間長130mという長いスパンを設計から施工まで完了できたところが評価されたと考えている。」との説明があった。

      • 委員から、「付近にヤードが設置できたという好条件もあるが、プレキャストコンクリートを付近の現場で作成し、施工(オンサイトプレキャスト)できたことにより、施工効率の向上やコンクリートの品質が向上できたことが評価につながったのでは。」との意見があった。
(5)閉会

配付資料

  • 資料1 説明資料
  • 資料2
  • 資料3 環境モニタリング調査結果データ集
資料2は第16回検討会での意見等を反映したものです。議事内で発言されたページ番号と一致しない場合があります。
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