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お知らせ

第10回 新名神高速道路 鵜殿ヨシ原の環境保全に関する検討会(議事要旨)

日 時:
令和7年3月7日(金) 15:00~17:00
場 所:
新大阪丸ビル別館 2階 2-3会議室
出席者:
出席委員)赤澤委員、鎌田委員、小山委員、中瀬委員、西垣委員、布谷委員、服部委員
オブザーバー)鵜殿のヨシ原保存会 西村会長、東野副会長

上牧実行組合 木村実行組合長、芳川副組合長
国土交通省近畿地方整備局 淀川河川事務所 谷川所長
(欠席:宮内庁 式部職 楽部)
(欠席:高槻市 街にぎわい部)
(欠席:雅楽師、皇學館大學特別招聘教授 東儀秀樹氏)

事業者)西日本高速道路株式会社

議 題:

1)開会
2)事業者挨拶
3)出席者の紹介
4)議事及び説明事項

4-1.第9回 検討会議事要旨

4-2.検討会規約及びモニタリングWG規約の変更  資料2 (208KB) PDFファイルを開きます
構成員の変更について
  • 「新名神高速道路 鵜殿ヨシ原の環境保全に関する検討会 規約」第4条2項に基づき、鵜殿ヨシ原の篳篥用ヨシに関するモニタリングワーキンググループの委員である赤澤委員を、本検討会の新たな構成員(委員)とすることを説明した。
  • 現状に沿った各委員の所属の変更を説明した。
  • 本検討会規約第7条3項について、現在の実態に合わせて削除を提案した。
• 各委員からは、検討会規約及びモニタリングWG規約の変更に関して了承を得た。
4-3.検討会経緯の説明(振り返り)  資料3 (1,411KB) PDFファイルを開きます
第1回から第9回検討会の経緯について  
  • 平成25年1月に開催した第1回検討会から、平成29年5月に開催した第9回検討会までの内容を説明した。
  • 第10回検討会の進め方として、令和5年11月に地中内を改変する工事が完了したことから、第9回検討会で決定したモニタリング調査項目の調査結果を報告し、篳篥用ヨシの生育環境に対する新名神高速道路事業の影響について評価することを説明した。
• 特に意見無し。
4-4.現地状況(工事状況)の説明  資料4 (2,335KB) PDFファイルを開きます
新名神高速道路の事業概要、事業経緯、淀川橋(仮称)工事、工事進捗報告について  
  • 新名神高速道路の事業概要、事業経緯を説明した。
  • 淀川橋(仮称)工事について工区ごとに進捗を説明し、地中内を改変する工事が令和5年11月に完了した旨を報告した。
• 特に意見無し。
4―5.鵜殿ヨシ原におけるモニタリング報告  資料5 (2,046KB) PDFファイルを開きます 資料5(検討会の意見を踏まえ一部修正) (1,693KB) PDFファイルを開きます
モニタリング項目① 採取状況確認について  
  • 地元採取者へのヒアリングでは、篳篥用ヨシの採取量や品質は工事着手前と大きく変化していないことから、採取状況に対して工事の影響はないと判断した。
• 特に意見無し。
モニタリング項目② 生育調査(植生分布調査)について  
  • ヨシ群落、ヨシ・オギ群落、オギ群落が減少傾向にあり、つる植物、高茎草本群落が増加傾向にあるが、冠水の有無、ヨシ原焼きの有無、気象条件、つる植物除草等の周辺環境に依拠していることを説明した。
• 各委員からは、以下の質問及び意見があった。
  • 工事において、河川内に外部の種子を持ち込まないようにする取組みについて、具体的に聞きたい。
  • ヨシに影響がありそうな植物としてオオブタクサやセイタカヨシが挙げられるが、植生分布調査に含まれていないのではないか。
• 事務局からは、以下のとおり回答した。
  • 河川管理用道路の進入時と、鵜殿ヨシ原内であるP11及びP12施工ヤードの進入時にタイヤ洗浄を徹底しており、植生分布の状況を見ても、工事用車両の進入経路からつる植物等が侵入・繁茂した様子は確認されていない。
  • オオブタクサは「ヨシ群落に侵入する高茎草本が優占する群落」に、セイタカヨシは「その他の植生群落」に分類している。資料内でも分かるよう、修正を検討する。
モニタリング項目② 生育調査(草丈・茎径・生育密度)について  
  • ヨシの調査区に関する現在までの生育状況について、平成30年から令和3年にかけて草丈・茎径が低下傾向、近年は改善傾向であることを説明した。
  • 対照区(除草管理なし)と比較すると調査区(除草管理あり)のヨシの生育が良好であり、また、つる植物除草が開始された令和4年から、ヨシの生育状況が改善したことを説明した。
  • 草丈・茎径の低下は、つる植物等の競合種の繁茂や未冠水による土壌養分の不足等の影響によるもので、工事の影響によるものではないことを説明した。
• 各委員からは、以下の意見及び提案があった。
  • 調査区と対照区の生育状況に大きな差がある年と差の小さい年がある。原因について何か考えているか。
  • 草丈はm単位、茎径はmm単位の話である。茎径については縦軸のスケールが細かすぎて特に差がないように見受けられる。グラフの見せ方について再考すること。
  • ヨシの生育状況結果については複合的要因が考えられるため、慎重に分析すること。
  • 2年にわたるヨシ原焼きの中止によってつる植物が繁茂したことで、ヨシ原焼きの文化的・植物的な重要性を実感した。
  • 今後、つる植物除草が継続されなくなることが懸念事項として残る。
  • 生育状況について、単年で評価するのは難しいことも、長期間にわたりNEXCOが調査したのでわかってきた。河川管理者への引渡し時には、ある程度長期間で評価したまとめ方で整理するべきであり、そろそろ調整を始めたほうが良いと思う。
  • モニタリング調査における評価について、篳篥用ヨシの生育状況に対し、工事の影響はなかったと結論付けてよい。
• 事務局からは、以下のとおり回答した。
  • 調査区の一部が令和4年から開始されたつる植物除草の範囲内に入ったことで、調査区から離れた位置に対照区を設けざるを得なかった。そのため、データに差が生じたと考えられる。
  • ヨシの生育状況には様々な要素が複合していることを踏まえて考察する。
  • 今後の河川管理者への引渡しについては、頂いた意見を踏まえて調整する。
  • 指摘があった内容については資料の修正を検討する。
4―6.地下水位及び土壌水分に関する評価  資料6 (2,255KB) PDFファイルを開きます
モニタリング項目④ 生育環境調査(水分調査)について  
  • ヨシの地下茎が存在する深さにおける地下水位及び土壌水分の調査について説明した。
  • 地中内改変が生じる基礎工及び橋梁躯体の施工期間中において、地下水位の変動傾向は工事着手前の傾向と大きな差がないことを説明した。
  • 地中内改変が生じる基礎工及び橋梁躯体の施工完了後において、地下水位及び土壌水分の変動傾向は工事着手前の傾向と大きな差がないことを説明した。
• 各委員からは、以下の質問及び意見があった。
  • 地盤改良とはどのような理由で、どのような改良を実施したのか。
  • 地盤改良時に周囲の水質を調査したか。
  • 過去の淀川切下げ事業以前の地下水位データがあれば、現在の地下水位と比較できると考える。
  • 本検討会において、ヨシ・オギ群落内に篳篥用ヨシが生育することや、篳篥用ヨシの水分条件等の生育環境が判明したことはよい成果となった。
  • 篳篥用ヨシの水分条件に対し、工事の影響はなかったと結論付けてよい。
• 事務局からは、以下のとおり回答した。
  • 頂板掘削時の揚圧力対策として、セメント等による地盤改良を実施した。
  • 鋼管矢板外の下流側で水質調査を実施した。鋼管矢板で遮水されており、数値にも問題がなかったことから、工事の影響がないことを確認した。
  • 淀川の切下げ事業前の地下水位について、資料があれば参考に比較する。
4―7.その他 報告事項  資料7 (151KB) PDFファイルを開きます
全体スケジュール   
  • 次回の検討会は、上部工が完了するまでのモニタリング調査結果を最終報告する場として計画していることを説明した。
  • 開催時期や開催方法は、今後、構成員と事務局で調整し判断することを説明した。
  • 施工ヤード使用後の復旧にあたっては、今後河川管理者等と調整することを説明した。
• 各委員からは、全体スケジュールについて了承を得た。
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