平成24年5月25日
西日本高速道路株式会社
NEXCO西日本(大阪市北区、代表取締役会長兼社長:西村 英俊)は、急速に進む高速道路の橋梁の老朽化に対応するため、橋梁補修技術開発及び工事とコンサルタント(調査設計等)を専門的に行う2つの会社を子会社化しました。
今後は、グループ全体で集積した技術・知識及び経験や、新技術を活用して、予防保全技術の開発・実証の推進と、現場での効率性・現場適用性の向上をめざします。
更に、橋梁補修技術を広く進展させ、社会に貢献する企業グループをめざします。
NEXCO西日本は、現在、3,375Kmの高速道路を管理しており、そのうちの568km(17%)は橋梁です。
この橋梁のうちで築後40年を超える橋は現在5%程度ですが、10年後には27%、20年後には58%となり、老朽化は加速度的に進展しつつあります。
今後、多くの橋梁が補修・更新時期を迎えるため、事業の平準化、維持管理費のコスト削減は不可欠であり、早期の予防的対策を導入し、効率的・計画的な維持管理を推進することは喫緊の課題です。しかし、一方で橋梁保全工事における不落・不成立となる割合が高く、将来的に円滑な事業執行の確保も課題です。
子会社化する2社は、橋梁補修における技術開発や補修工事、コンサルタント(設計等)を主な事業とする会社であり、橋梁の点検から補修までをグループ自らが一貫して行うトータルマネジメント※1の確立をめざします。
そして、グループ全体で集積した技術・知識及び経験や、子会社化した会社がもつ長寿命化などの新技術を活用して、橋梁のライフサイクルコスト※2の抑制や金属溶射※3の導入など、予防保全技術の開発・実証を推進します。また、積極的に現場での実証を図り、効率性・現場適用性の向上をめざします。
更に、これらの新技術は、高速道路の橋梁のみならず、一般の橋にも適用が可能であり、橋梁補修技術を広く進展させ、社会への貢献に努めてまいります。
加えて、災害等による橋梁損傷が発生した場合には、速やかな高速道路の復旧を自らが実施できるよう、災害対応力の強化を図ります。
会社名 | 主な事業内容 | 資本金 (出資割合) |
社員数 | 本店 所在地 |
代表者 |
---|---|---|---|---|---|
株式会社 富士技建 |
道路及び附帯する施設の維持修繕工事及び補修技術開発 | 80百万円 (100%) |
102名※4 | 大阪市 | 代表取締役社長 都田 稔※4 |
株式会社 ドーユー大地 |
道路及び附帯する施設の調査設計 | 70百万円 (100%) |
64名※4 | 広島市 | 代表取締役社長 萩原 彰※4 |
高速道路の保全は、(1)調査・点検、(2)補修計画策定、(3)設計、(4)設計チェック、(5)施工計画策定、(6)工事の各段階を経て実施されます。
トータルマネジメントとは、
これまで(3)及び(6)の設計及び工事の大部分は外注していましたが、その一部を自らで実施することによりNEXCO西日本のグループ内で、この一連の作業を開始から終了まで管理することです。
グループの技術開発能力研鑽とその有効性等を実証的に検証し、全体最適化を実現します。
NEXCO西日本グループの『中期経営計画2015 「自立」と「成長」平成24年4月』 より抜粋
金属材料の防錆・耐蝕性向上のため、表面処理を行う方法で、金属・セラミックスなどを溶融し、金属表面に吹きつけて被覆する工法で、塗装よりも耐久性が著しく向上します。溶射は一般的に、金属を溶融させ吹付ける装置(ガン)が大型であるため、工場内でしか行えませんでしたが、グループ化する会社が、小型吹付装置(ガン)を開発し、橋梁の桁端部などの狭隘な現場での施工を可能としました。