▲ 

ニュースリリース

「インフラ先端技術共同研究講座」を京都大学に開設

平成26年3月26日
西日本高速道路株式会社
阪神高速道路株式会社

NEXCO西日本(大阪市北区、代表取締役社長:石塚 由成)と阪神高速道路株式会社(大阪市中央区、代表取締役社長 山澤 倶和)は、大学と産業界との共同の研究拠点である「京都大学共同研究講座」制度を活用し、京都大学に「インフラ先端技術共同研究講座」を開設することとなりました。

高速道路各社は、高速道路の機能を将来にわたって十分に発揮していくために、有識者による検討会を設立して高速道路資産の長期保全及び更新のあり方について方針をとりまとめた ところであり、今後はコスト削減へのより一層の取り組みと同時に、きめ細かな点検やモニタリングにより構造物の変状リスクを最小限に抑える必要があります。そこで、共通課題を有するとともに関西圏の道路ネットワークを構成しているNEXCO西日本と阪神高速道路株式会社は京都大学と共同で研究開発を実施することとしました。

本講座を拠点にして、資産数量の多い橋梁等構造物を対象に、見えない(見づらい)箇所の検査技術やビッグデータを活用する仕組みをつくり、研究成果を速やかに社会実装して、情報把握の最適化による道路管理の高度化を目指します。

共同研究講座の概要

名称:
インフラ先端技術共同研究講座
開設期間:
平成26年4月1日~平成28年3月31日
開設場所:
京都大学大学院工学研究科内(桂キャンパス)

図1 NEXCO西日本と阪神高速道路による京都大学の共同研究講座開設

図1 NEXCO西日本と阪神高速道路による京都大学の共同研究講座開設

共同研究の内容

(1)
見えない・見づらい箇所の点検技術

舗装下のコンクリート床版の損傷やコンクリート内部の鋼材の腐食、コンクリート橋桁端部に代表される狭隘部のように、これまで見えなかった箇所の損傷を最先端の非破壊検査技術によって把握する技術を開発します。

図2 見えない・見づらい箇所の例(橋の側面図)

図2 見えない・見づらい箇所の例(橋の側面図)

写真1 舗装下のコンクリート床版の損傷例
写真2 桁端部に代表される狭隘部の損傷例

写真1 舗装下のコンクリート床版の損傷例
写真2 桁端部に代表される狭隘部の損傷例
(2)
ビッグデータを活用する仕組みづくり、最適なモニタリングのあり方

国等でも話題となっているビッグデータについて、センサーなどによって構造物から得られる振動や変形などに着目し、管理目的に応じた計測データとその利活用方法を明確にさせ、構造物の異常を速やかに把握する高度な点検・調査システムを構築します。

(3)
人材育成支援等

点検・調査新技術を社員が実際に使用して学べる仕組みづくりや、本講座の研究者らによる研修の実施により、専門技術者の育成に努めます。

共同研究講座による効果

(1)
本講座に専任の教員や研究員を迎えることにより、研究開発の促進が図れます。
(2)
建設分野だけでなく多分野の研究機関と技術交流を図り、ネットワークを拡大します。
(3)
最先端の研究に携わることによる社員の技術力向上だけでなく、他機関との交流によって受ける刺激により技術者意識の向上につながります。