平成27年7月29日
西日本高速道路株式会社
NEXCO西日本(大阪市北区 代表取締役社長:石塚 由成)は、管内における平成27年上半期の交通死亡事故発生状況をとりまとめました。
平成27年上半期中、管内の高速道路において、24件の交通死亡事故が発生しており、27名の尊い命が失われています。(平成27年1月~6月末までの速報値)
高速道路という特殊な走行環境下であるが故に死亡に至ったケースとして、事故により本線車道に降車していた人が後続車にはねられる「人対車」事故、事故の衝撃によって体が車外へ放り出される「車外放出」事故のほか、本線上に停止していた車両に後続車が追突する「対停止車両」事故や、逆走に起因する衝突事故などが発生しております。
これらの事故は、高速道路と一般道との違いを理解し、周りの状況に注意を払うことにより、最悪の事態を回避できた可能性があります。ドライバーの皆さまにおかれましては、今一度、この点に十分ご注意のうえ高速道路をご利用いただきますようお願いいたします。
NEXCO西日本では、高速道路をご利用のお客さまに安心・快適な道路環境を提供するため、引き続き、高速道路の交通安全対策に取り組んでまいります。
※資料中の値は、特に記載のあるものを除き、全てNEXCO西日本調べ
(1)死亡事故件数・死亡者数の推移
(2)死亡事故の特徴と傾向
事故形態別では、走行中の他の車両を巻込む事故が約5割を占めています。曜日別及び時間帯別では特に顕著な傾向は見られませんでした。「人対車」や「車外放出」事故は大幅に減少していますが、依然として看過できない状況にあると考えており、啓発を継続してまいります。なお、逆走に起因する死亡事故は2件発生しております。
事故形態 | 平成22年 | 平成23年 | 平成24年 | 平成25年 | 平成26年 | 平成27年(上半期) |
---|---|---|---|---|---|---|
人対車 | 5 | 10 | 13 | 13 | 7 | (2) |
車外放出 | 8 | 9 | 10 | 8 | 6 | (1) |
【参考】逆走事案の特徴
平成23年~26年における交通事故または車両確保に至った逆走事案302件(※)を分析したところ、以下のような特徴があることが確認されています。 (※ 警察の協力を得てNEXCO西日本が集計)
≪逆走発生箇所≫
≪運転者の年齢≫
≪運転者の状態≫
※ 警察の協力を得てNEXCO西日本が作成
(1)漫然運転やわき見運転をしない!
「考えごとやぼんやりしていた」「外の景色や車内の落下物に気をとられていた」などにより、前方への注意が欠けていませんか? 時速100kmの速度では、車は1秒間に約28mも進みます。漫然運転やわき見運転は、重大事故の原因となりますので、前方や周辺状況に注意しながら、十分な車間距離をとって運転に集中してください。もちろん、早目に休憩をとってリフレッシュしていただくことも重要です。
(2)車外放出事故防止のために、全席・全員シートベルト着用を!
高速走行で衝突した場合、シートベルトを着用していないと体が車内で振り回され、ガラス部を突き破って体が車外へ放出されることがあり、路面への落下時の衝撃や後続車にはねられることにより、死亡に至るケースがあります。
シートベルトがあなたを守ります。運転席・助手席だけでなく、後部座席も全員、シートベルトを装着しましょう。
なお、6歳未満のお子様を同乗させる場合、チャイルドシートの使用が義務付けられています。
高速道路におけるシートベルト非着用者の致死率は、着用者の 約10倍 に跳ね上がります!
(平成26年 警察庁資料による)
(3)事故・故障が発生したら・・・
高速道路は、時速100km近い車が行き交っている空間です。一般道と同じ感覚で行動すると、思わぬ事故に巻き込まれる可能性があります。交通事故・車両故障などの緊急事態が発生した場合の避難等措置の適否が生死を分けることもありますので、今一度、以下の注意事項についてご確認ください。
後続車の運転手があなたの車に気づいているとは限りません。
ハザードランプ・発炎筒・停止表示器材等で後続車に対する注意喚起を行ってください。また、万が一の場合に備えて、発炎筒・停止表示器材は必ず車載しておきましょう。
事故・故障車付近の本線車道や路側帯を歩き回ると大変危険です。
高速道路は一般道とは違います!同じ感覚での行動は絶対におやめください。
車内や車の前後での待機は大変危険です。運転手も同乗者も全員、すみやかにガードレールの外など安全な場所へ避難してください。
110番、非常電話、道路緊急ダイヤル(#9910)などで事故や故障状況を通報してください。
逆走行為は第三者を巻込んだ悲惨な事故に繋がります!
平成23年~26年において、管内で発生した逆走事案は302件(※)に上ります。高速道路における逆走行為は、ひとたび事故が発生すると重大事故に繋がるばかりか、何の落ち度もなく運転されている他のお客さまにも甚大な被害を与える可能性がある非常に危険な行為です。絶対におやめください。 (※ 警察の協力を得てNEXCO西日本が集計)
【高速道路は一方通行です】
逆走しないために、案内標識や路面表示などで進行方向を十分確認し走行してください。
行き先を間違えたり、行き過ぎてしまっても、次のインターチェンジで降り、高速道路を乗り直してください。本線上や料金所付近では、絶対にUターンやバックはしないでください。
【逆走車を発見したら】
(1)交通安全対策(ハード対策)
NEXCO西日本では、交通事故の発生しやすいカーブ区間や長い下り坂などを中心に看板による視覚的表示、矢羽根板、薄層舗装、凹凸路面標示などにより速度を抑制するよう注意喚起を行っています。これらの表示を見たら、特に速度超過に気を付けて、車間距離を十分に取るなどの安全走行をお願いします。
また高速道路での逆走を防止すべく、(1)合流部でのUターンを抑制するために、注意喚起の「矢印板」及びゼブラゾーンへの「ラバーポール」の設置、(2)路面に進行方向を示す「矢印」を標示、(3)本線からサービスエリア等への流入ランプに、逆走した車両から見える「注意喚起看板」を設置、などの各種対策を実施しています。
≪対策の一例≫
自発光式視線誘導標
矢羽根板、反射テープ
高輝度レーンマーク
導流レーンマーク
注意喚起看板
薄層舗装
≪高機能舗装及び道流レーンマーク≫
中国道 戸河内IC~吉和IC間
≪注意喚起標識≫
中国道 伊佐PA(下)付近
≪ラバーポール改良≫
浜田道 旭IC~浜田JCT間
逆走による事故防止対策として、平成26年9月に全国統一的な対策の公表を行い、NEXCO西日本管内において過去3年間(平成23年~平成25年)に逆走が複数回発生した16箇所において下記の取り組みを実施しました。
≪ラバーポール+大型矢印路面標示≫
≪オフランプ合流部に矢印路面標示≫
≪高輝度矢印板・ラバーポール≫
≪サービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA):矢印路面標示+注意喚起標識≫
≪IC出口:矢印路面標示+注意喚起標識≫
(2)交通安全啓発活動
NEXCO西日本では、SA・PAや地域の交通安全イベントにおける交通安全キャンペーンのほか、以下のような啓発活動を実施しています。
昨年11月より、高速道路での交通死亡事故を抑止するために、警察庁・国土交通省・各高速道路会社やトラック協会など関係機関が一丸となり、「レッツ ブレイク!! (ひと息入れて安全運転)」をキャッチフレーズに、全国各地で統一的な啓発活動を推進しています。
NEXCO西日本においても、交通安全キャンペーンでの啓発チラシの配布、SA・PAにおけるポスター掲出、アイハイウェイのテロップ部での広報、当社ウェブサイトへの専用ページ開設等により、積極的に活動に参画しています。
あくびが出たら危険信号!高速道路に入ったら早めに休息をとり、気分をリフレッシュさせて眠気を覚ましましょう!
SA・PAでの休憩の機会をできる限り増やして、安全運転で目的地まで走行してください。
NEXCO西日本グループでは、「愛する人・愛してくれる人を想う気持ち」を原動力に、想いやりの心の輪を拡げることで、みんなでいっしょに交通事故ゼロを目指すプロジェクト“DRIVE&LOVE”を推進しています。
現在、プロジェクトには、230を超える企業や団体の皆さま、約22,000名の個人の皆さまにもご賛同いただき、社会全体で運転への意識を変えていこうとしています。
今後も交通事故ゼロを目指し、一人でも多くの方に「愛する人、想い出してから運転」を実践していただけるよう、“DRIVE&LOVE”のメッセージを発信していきます。
詳しくは、ぜひDRIVE&LOVE [ドライブ&ラブ] | ドライブには、ラブがいる。 をご覧ください。