平成28年1月27日
西日本高速道路株式会社
NEXCO西日本(大阪市北区 代表取締役社長:石塚 由成)は、管内における平成27年の交通死亡事故発生状況をとりまとめました。
死亡事故発生状況のポイント
安全運転のお願い
⇒高速道路上にも停止車両があり、人が歩いていることもあります。前方や周辺状況に注意しながら、十分な車間距離をとって走行してください。特に、雨天時や夜間の走行にご注意ください。
⇒事故・故障発生時には、(1)後続車に合図、(2)ガードレールの外など安全な場所へ避難、(3)非常電話や道路緊急ダイヤルで通報、の順序で落ち着いて対処してください。
⇒高速走行で衝突した場合、シートベルトを着用していないと体が車外に放出され、後続車にはねられて死亡に至るケースがあります。必ず全席で着用してください。(非着用者の致死率は約9倍)
⇒逆走は第三者を巻込む非常に危険な行為です。行き先を間違えたり、行き過ぎてしまってもUターンをせず、必ず次のインターチェンジで降りてください。
NEXCO西日本では、高速道路をご利用のお客さまに安心・快適な道路環境を提供するため、引き続き事故多発箇所を中心としたハード対策や交通安全キャンペーン等によるソフト対策など、各種交通安全対策に取り組んでまいります。
〔資料中の値は、特に記載のあるものを除き、全てNEXCO西日本調べ (平成27年1月から12月までの速報値)〕
(1)死亡事故件数・死亡者数(平成22年~27年)
平成27年の交通死亡事故発生状況は、交通死亡事故件数・死亡者数ともに、過去5年間と比較して最も多く発生しています。
(2)死亡事故の特徴と傾向
死亡事故の発生状況を前年と比較すると、事故形態別では、対車両事故が増加(平成26年:20件→平成27年:39件、グラフ(1))※しており、特に直前の事故や故障等により高速道路上で停止している車両への衝突事故が倍増(平成26年:6件→平成27年:12件、グラフ(1))しています。また、天候別では雨の日の発生割合が10ポイント増加(平成26年:約14%→平成27年:約24%、グラフ(2))、時間帯別では夜間帯(18~翌6時)の発生割合が11ポイント増加(平成26年:約51%→平成27年:約62%、グラフ(3))したことが特徴として挙げられます。なお、「人対車」や「車外放出」事故は年々減少していますが、依然として看過できない状況にあると考えており、今後とも啓発を継続してまいります。
このほか、逆走に起因する死亡事故も3件発生しております。
※対車両事故=対走行車両事故+対停止車両事故
事故形態 | 平成22年 | 平成23年 | 平成24年 | 平成25年 | 平成26年 | 平成27年 |
---|---|---|---|---|---|---|
人対車 | 5 | 10 | 13 | 13 | 7 | 4 |
車外放出 | 8 | 9 | 10 | 8 | 6 | 4 |
平成23年から平成27年9月までの間における交通事故または車両確保に至った逆走事案383件※を分析したところ、以下のような特徴があることが確認されています。(※ 警察の協力を得てNEXCO西日本が集計)
≪逆走発生箇所≫
≪運転者の年齢≫
≪運転者の状態≫
※「認知症の疑い」とは、家族からの聴取等により、運転者に認知症の疑いがあると判断したもの
(警察の協力を得てNEXCO西日本が作成)
(1)交通安全対策(ハード対策)
NEXCO西日本では、事故多発箇所を中心に平成27年度において20箇所で事故防止対策を実施しています。なお、これまでの対策実施箇所においては、約3割の死傷事故件数の削減が図られています。
≪高機能舗装及び導流レーンマーク≫
関門道 門司IC~門司港IC間
≪注意喚起標識≫
中国道 伊佐PA(下)付近
≪ラバーポール改良≫
浜田道 旭IC~浜田JCT間
また、高速道路での逆走を防止すべく、(1)合流部でのUターンを抑制するために、注意喚起の「矢印板」及びゼブラゾーンへの「ラバーポール」の設置、(2)路面に進行方向を示す「矢印」を標示、(3)本線からサービスエリア等への流入ランプに、逆走した車両から見える「注意喚起看板」の設置、などの各種対策を40箇所において実施しています。
≪対策の基本パターンのイメージ(一般的なインターチェンジ、ジャンクション、休憩施設)≫
≪ラバーポール+大型矢印路面標示≫
≪オフランプ合流部に矢印路面標示≫
≪高輝度矢印板・ラバーポール≫
≪対策の基本パターンのイメージ(高速道路出口部)≫
※高速道路出口部での対策は、警察や一般道管理者との個別協議を踏まえ実施。
≪高速道路出口:「進入禁止」看板+カラー舗装等≫
(2)重量超過等の法令違反車両に対する取り組み
重量超過等の大型車両による事故は、死亡事故などの重大事故に繋がりやすく、更に散乱した大量の積荷や車両の撤去作業のため、長時間の通行止め等を余儀なくされるとともに、当該車両は高速道路の構造物の劣化にも多大な影響を与えます。
そのため、法令違反車両の削減に向け、高速道路入口等において違反を確認した車両に対し、高速道路からの退出や積荷の減載等を命ずる措置を行うなどの指導取り締りを実施しております。
また、高速道路での落下物は、後続車両の重大事故に繋がる恐れがあるため、積荷が落下する恐れがある場合には、落下防止のため積載物の固定等の是正指導を実施しております。
≪積荷の立て直し≫
≪積荷の固定≫
≪積荷の積み替え≫
(3)交通安全啓発活動
NEXCO西日本グループでは、SA・PA、料金所及び地域の交通安全イベント等における交通安全キャンペーンに加え、DRIVE&LOVEという交通安全対策プロジェクトを推進しています。
「愛する人・愛してくれる人を想う気持ち」を原動力に、想いやりの心の輪を拡げることで、みんなでいっしょに交通事故ゼロを目指すプロジェクトです。
現在、プロジェクトには、240を超える企業・団体の皆さま、約23,000名の個人の皆さまにもご賛同いただき、社会全体で運転への意識を変えていこうとしています。
今後も交通事故ゼロを目指し、一人でも多くの方に「愛する人、想い出してから運転」を実践していただけるよう、“DRIVE&LOVE”のメッセージを発信していきます。
詳しくは、ぜひDRIVE&LOVE [ドライブ&ラブ] | ドライブには、ラブがいる。 をご覧ください。
≪料金所における交通安全啓発活動≫
≪DRIVE&LOVEのPRブース≫
(1)漫然運転やわき見運転をしない!
高速道路における死亡事故の大半が、漫然運転やわき見運転によるものと考えられています。「考えごとやぼんやりしていた」「外の景色や車内の落下物に気をとられていた」などにより、前方への注意が欠けると大変危険であり、時速100kmの速度では、車は1秒間に約28mも進むため、一瞬の気の緩みで重大な事故につながる恐れがあります。
ぜひ、前掲したDRIVE&LOVEプロジェクトの「愛する人、想い出してから運転」を実践していただき、前方や周辺状況に注意しながら、十分な車間距離をとって運転に集中してください。特に深夜・早朝の時間帯や雨天時には、速度を控えるなど安全運転をお願いします。
(2)車外放出事故防止のために、全席・全員シートベルト着用を!
高速走行で衝突した場合、シートベルトを着用していないと体が車内で振り回され、ガラス部を突き破って体が車外へ放出されることがあり、路面への落下時の衝撃や後続車にはねられることにより、死亡に至るケースがあります。
シートベルトがあなたを守ります。運転席・助手席だけでなく、後部座席も全員、シートベルトを装着しましょう。
なお、6歳未満のお子さまを同乗させる場合、チャイルドシートの使用が義務付けられています。
高速道路におけるシートベルト非着用者の致死率は、着用者の 約9倍 に跳ね上がります!
(平成26年 警察庁資料による)
(3)事故・故障が発生したら・・・
高速道路は、時速100㎞近い車が行き交っている空間です。一般道と同じ感覚で行動すると、思わぬ事故に巻き込まれる可能性があります。交通事故・車両故障などの緊急事態が発生した場合の避難等措置の適否が生死を分けることもありますので、今一度、以下の注意事項についてご確認ください。
後続車の運転手があなたの車に気づいているとは限りません。
ハザードランプ・発炎筒・停止表示器材等で後続車に対する注意喚起を行ってください。また、万が一の場合に備えて、発炎筒・停止表示器材は必ず車載しておきましょう。
事故・故障車付近の本線車道や路側帯を歩き回ると大変危険です。
高速道路は一般道とは違います!同じ感覚での行動は絶対におやめください。
車内や車の前後での待機は大変危険です。運転手も同乗者も全員、すみやかにガードレールの外など安全な場所へ避難してください。
110番、非常電話、道路緊急ダイヤル(#9910)などで事故や故障状況を通報してください。
逆走行為は第三者を巻込んだ悲惨な事故に繋がります!
平成23年から平成27年9月において、管内で発生した逆走事案は383件(※)に上ります。高速道路における逆走行為は、ひとたび事故が発生すると重大事故に繋がるばかりか、何の落ち度もなく運転されている他のお客さまにも甚大な被害を与える可能性がある非常に危険な行為です。絶対におやめください。(※警察の協力を得てNEXCO西日本が集計)
逆走しないために、案内標識や路面表示などで進行方向を十分確認し走行してください。
行き先を間違えたり、行き過ぎてしまっても、次のインターチェンジで降りてください。本線上や料金所付近では、絶対にUターンやバックはしないでください。
冬装備を万全に、細心の注意で安全運転を!
<高速道路に乗る前に>
冬の高速道路では頻繁に気象が変化します。必ず、冬用タイヤを装着しましょう。併せて溝の減り具合など、タイヤのコンディションもしっかり確認してください。
冬の高速道路では突然の大雪になることがあります。いざという時のために、チェーンを携行してください。また、チェーンの付け方も事前に確認しておいてください。
アイハイウェイ では交通状況MAPの「雪道情報」で、通行止め区間や冬用タイヤ等の装着が必要な区間などの情報、道路気象情報(西日本限定)及び降雪予測(西日本限定)を発信しています。この他にもラジオ・テレビなどで、交通情報や気象情報を確認してからお出かけください。
なお、大雪の気象予測が出された場合には、アイハイウェイのテロップ部にて情報提供を行います。
<高速道路走行中は>