東日本大震災と災害対応力の強化

安全・安心の追求

東日本大震災では、高速道路の大規模な落橋や倒壊は免れましたが、津波による壊滅的な被害の発生、長期間にわたる電力供給能力低下などの事態が生じています。今回の災害を教訓に想定を超えた広範囲の激甚災害に対応できる仕組みを構築していきます。

▼高速道路の復旧対応例

NEXCO西日本の災害支援対応

NEXCO西日本では、東日本大震災の発生を受けて、直ちに本社災害対策本部を立ち上げ、高速道路の緊急復旧にあたるNEXCO東日本への支援体制を確立しました。

実際の支援としては、3月14日からグループ全社員への義援金(マッチングギフト)の募集を開始し、現地で不足する生活資材を確認の上、グループ企業と共同で提供するとともに、5月から被災地に復興支援チームとして社員を派遣するなど、東日本地域の復旧と復興に向けた人員・物資・義援金等による支援活動を続けています。

▼東日本大震災に対する復旧・復興支援状況(2011年6月30日現在)
項目 対応内容 備考
義援金
  • グループ社員から義援金を募集・寄付
    (マッチングギフト:会社:社員計46百万円)
3/14〜31
  • グループ会社から義援金
    (計112百万円)
3/14〜31
  • SA・PA180カ所で募金活動(継続)
3/14〜9/30
(西日本高速道路SHD)
物的支援
  • 被災地で不足する生活救援物資をグループで提供
 
  • 給水用散水車(資機材)の貸し出し等
 
人的支援
  • 被災地復興支援チームを派遣
    (被災地の復旧支援:5〜7月、9班54名を予定)
5/9〜
住宅提供
  • 被災者の受入施設として社宅19戸を登録
    (無償提供の民間住宅として大阪府登録済み)
4/14〜
その他
  • NEXCO東日本の要請に対応して、西日本の災害備蓄食糧を提供、重油10万リットルを搬送
3/14〜31

NEXCO西日本の災害対応力の強化

東日本大震災の教訓

東日本で発生した今回の巨大地震は、東北地方を中心に沿岸地域から東西100キロ、南北500キロという広範囲に被害を及ぼしました。地震で発生した津波による広範囲で壊滅的な被害の発生、原子力発電所の被災等に起因する長期間にわたる電力供給能力低下などの事態が生じました。このような事態においても、高速道路の応急復旧を早期に行うためには、復旧作業をある程度直接実施できる体制の構築、道路施設の自家発電設備やその燃料の備蓄・供給体制の見直しなどが必要になると考えられます。

今回の東日本大震災の教訓から、防災対策に関する従前の考え方を大きく転換し、対策を見直す必要があります。

災害対応力の強化

東日本大震災の教訓を踏まえ、想定を超える激甚災害に対応できる仕組みの構築を目指し、防災対策の見直しを行います。見直しにあたり、着実に機能を果たす仕組みの構築、臨機に対応できる仕組みの構築、地域・他機関と連携した仕組みの構築といった3つの視点から、今後取り組むべき課題を4つのテーマに整理し、検討を進めていきます。

1. 被害想定の見直しと想定外の災害への備え

被害想定の見直しについて、自治体との連携や学識者のご意見等も頂きながら、内陸直下型地震、東海・東南海・南海地震などによる被害想定を検証し、必要な見直しを行っていきます。

また今回の経験を踏まえて、ガソリンや重油などの燃料、非常食や水、機械設備等の保守部品や消耗品の備蓄量・備蓄方法、供給体制について検討を進めます。長期停電等への備えとして自家発電設備の充実・強化や、太陽光発電システムなどの自然エネルギーの活用を検討し、必要な対応を図っていきます。

2. ハード対策の強化と推進

引き続き、橋梁の耐震補強の早期完了を目指し、また緊急輸送の役割を考慮して、さらなる補強策や代替策、早期復旧手段等の必要性について検討します。

自営通信等のバックアップシステムの推進、光ファイバーの切断時の復旧体制検討、予備電源、予備通信機器、復旧資材の確保や取替工事等の訓練実施、衛星通信等の老朽化対策や、災害時情報通信ツールなどの検討も進めていきます。

3. 地域・他機関との連携の強化

SA・PAの防災機能の検討、各自治体との防災を含む包括協定締結(役割分担の明確化)、高速道路への流出入制限、津波発生時における高速道路の緊急避難地としての 利用検討など、地域や関係機関との広域連携を強化していきます。

4. 災害への対応における組織の見直しと強化

災害発生によって災害対策本部機能が低下、あるいは停止するような場合を想定し、組織間、スタッフ等関係者のバックアップ体制を検討します。また、高速道路が被災した場合の復旧支援体制についても、作業員や機械・設備などの確保を再検討していきます。

以上の検討結果などを踏まえて、BCP(事業継続計画)を策定し、実地に即した防災訓練など日頃からの取り組みも継続しながら防災意識を高め、従前からの取り組みに加えて、災害対応力の強化、減災を目指して取り組んでいきます。

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