

ネットワーク整備の進捗と機能向上、地域との連携・共生に努めています。
―九州地区では東九州自動車道の整備が着々と進行しています。福岡工事事務所が担当する苅田北九州空港〜行橋〜豊津間の16kmについても、地元のみならず九州全域から大きな期待が寄せられています。
東九州自動車道は、九州の東海岸を通るルートとして福岡県北九州市から鹿児島市までを結ぶ延長約436kmの高速道路です。九州自動車道や大分自動車道とともにネットワークを形成し、福岡、大分、宮崎などの産業・経済・文化の振興と発展、さらには地域の方々の生活向上に貢献すると期待されています。
東九州は、九州の中でインフラ整備が遅れているといわれていますが、地域の皆さまと直に接してみると、東九州自動車道の早期完成に向けた期待をひしひしと感じます。沿線の自治体をはじめ、産業界、農業従事者、医療関係者など、さまざまなお立場の方の期待に応えるため、現場を預かる事務所として「造ると決めた道路は少しでも早く完成させる」を合言葉に社員一丸となって頑張っています。
―工事を進める上で、地元の皆さまの協力は欠かせません。どのような対話を行っていますか。
現場の第一線で協議調整にあたるときは、地元行政の支援を得て地元の皆さまへのご説明をしっかりと行い、事業へのご理解をいただきながら工事を進めています。地元の皆さまや関係者の方との対話の機会を持つため、事業説明会や現場見学会、地元小学校への出張学習会等も積極的に開催し、コミュニケーションを深める努力を続けています。
また、福岡工事事務所独自の取り組みとして、地元小学生と一緒に沿道の緑樹帯にどんぐりの木を植える予定です。拾ったどんぐりを苗木になるまで育成し、開通前に植樹します。


―開通に向け鋭意工事が進んでいますが、現在抱えておられる課題は何かありますか。


苅田北九州空港〜行橋間8.6kmはいわゆる山岳地帯を通っていますので、トンネルが3カ所あります。トンネル工事は基本的には24時間体制で行いますので、工事中における発破掘削の騒音・振動には十分注意しています。
また、行橋〜豊津間7.4kmは盛土を使った土工区間が続きます。この区間は平地が多く、例えば、切土で得た土を盛土に利用することができないため、約170万m3という大量の土を近辺の山から現場まで運ぶ必要があります。
盛土工事は2011年後半から始める予定ですが、その際は10tのダンプカーが市街地の生活道路を走ることになりますので、粉じん対策や交通安全対策に万全を期し、ダンプカーの速度超過や過積載が無いようドライバーへの指導も徹底するよう社員に呼びかけています。
―工事の品質確保と、その向上に向けた取り組みはいかがでしょうか。
現場の仕事は、グループ社員を含め建設に携わる人の連携作業です。高速道路は、国民の皆さまの資産であり、建設コストを抑え工事品質を確保し、向上させることは必須目標です。現場技術者とのコミュニケーションを密にして、新技術や新工法を導入したり、QCM(Quality Control Manager)活動※や若手技術者への教育に取り組んだりしています。
また、高速道路の建設は調査から工事完成まで、一般的には10余年かかる大仕事です。その中で、各人が道路のプロフェッショナルとして、しっかりと事業への貢献の足跡を残せる場にしたいですね。
※工事の品質に関して、日常管理や巡回指導、不定期の点検等を実施するもの
―このたびの東日本大震災では、高速道路が避難場所になり防災機能も注目されました。
東日本大震災の地震と津波の被害には本当に心が痛みます。阪神大震災では、震災復旧担当として橋梁の復旧に携わった経験がありますが、今回の震災では東北自動車道がわずか1日で復旧し、災害救援道路として大きく貢献したことを誇りに思います。
災害時には緊急輸送路に指定される高速道路は、耐震設計や渓流防災対策はもちろんですが、「想定外の災害事象」にも対応できるような機能、ハード・ソフト・人的なチームワークがより大切だと再認識しています。
福岡県では、北部九州を整備することで、産・官・学が連携したアジアを代表する自動車の一大生産拠点づくりを進めており、沿線には自動車関連産業が集積しています。こうした地域の発展をインフラの早期整備の面で支え、ネットワークの価値を拡大させるために、中津、延岡、宮崎の各事務所と連携し、「豊前の国から豊後の国へ 繋ごう東九州道」を合言葉に一日も早い完成を目指します。