
〜自然環境に配慮した道路構造により、自然と共生する社会を推進します〜
高速道路を設計する前の段階で、自然環境に対する綿密な影響調査を行い、学識経験者を交えた委員会などにおいて、最適な沿道環境の創出方法を検討しています。また、高速道路を建設する際は、できる限り自然環境の保全に配慮するとともに、必要に応じて建設により消失する自然環境を再生・回復するなどの措置をとっています。
高速道路の建設時に河川の付け替えが必要な場合は、水中生物の移動経路を確保するなど、地域の生物に配慮した道路構造となるよう心がけています。
また、高速道路の建設予定地周辺が自然環境豊かな場合、できる限りその地域に自生する植物「地域性苗木」を高速道路に植え、沿道の自然環境に応じた環境保全措置を講じています。
地域性苗木の活用を含めた環境保全については、2010年10月の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に付随して開催された「生物多様性EXPO2010in大阪」や、「生物多様性交流フェア」など多くの場で広報活動を行っています。この結果、国内外のお客さまから強い関心を持っていただくとともに、土木学会「土木学会環境賞」、日本経済新聞社「日経地球環境賞」を2010年秋に受賞しました。


水中生物の移動経路を確保した隼人川(新名神高速道路)

高速道路に植栽した地域性苗木(新名神高速道路)

生物多様性交流フェア展示状況
高速道路に野生動物が侵入すると、動物が車にひかれる危険があるばかりでなく、動物をよけようとしたドライバーが交通事故に巻き込まれる恐れがあります。NEXCO西日本では動物侵入防止柵の設置、けもの道の確保、標識によるドライバーへの注意喚起といった対策を促進しています。
2010年度にNEXCO西日本管轄の高速道路で発生した動物の事故は18.6千件あり、このうちタヌキが全体の4割と最も多くを占めています。タヌキは臆病な性格で自動車のヘッドライトを見てすくんでしまう性格が災いしていると考えられます。

タヌキ等の侵入を防ぐフェンス

標識によるドライバーへの注意喚起
NEXCO西日本では、騒音の緩和は道路事業者として重要な責任の一つであると認識しており、沿道地域の土地利用状況や騒音発生源、音の伝播経路、受音点などを踏まえた各種の騒音対策手法を考え合わせ、騒音対策を推進しています。
音の伝播経路を遮断するため、騒音の発生源である車道と沿道地域の間に遮音壁の設置および改良工事を行っています。2010年度は、新たに3.0kmの遮音壁を設置および改良し、NEXCO西日本における遮音壁の設置延長は、合計1,109kmとなりました。

騒音を防止する遮音壁
高速道路を建設する際や、舗装を修繕する際には、高機能舗装を標準として採用しています。高機能舗装は、従来のアスファルト・コンクリート舗装と比べて騒音を低減させる効果があるほか、舗装表面の水を舗装内部へ浸透させて排水する機能があるため、雨天時や雨上がり後でも高い安全性が確保されます。
空隙の少ない舗装体であることから、タイヤと舗装の接地面に、空気の逃げ道となる隙間がありません。
このため、舗装の表面は、タイヤからの音を反射し、タイヤ騒音が大きくなります。
空隙が20%程度のポーラスな舗装体であることから、舗装の表面に空気の逃げ道となる隙間があります。
このため、舗装の表面は、タイヤからの音を隙間に逃げ込ませ、音の一部を吸収し、タイヤ騒音を小さくすることができます。