▲ 

お知らせ

第15回 四国横断自動車道 吉野川渡河部の環境保全に関する検討会(議事概要)

1.日時

令和4年10月24日(金曜) 13時30分~15時45分

2.場所 

あわぎんホール 4階 会議室2~4

3.出席者

出席委員:
中野部会長、鎌田副部会長(WEB)、成行部会長、長尾副部会長、大田委員(WEB)、桑江委員(WEB)、真田委員、橋本委員、浜野委員、和田委員
オブザーバー:
国土交通省 四国地方整備局 徳島河川国道事務所 山本 副所長
徳島県 県土整備部 高規格道路課 原田 課長
事業者:
西日本高速道路株式会社 四国支社
建設・改築事業部 池部長
建設・改築事業部 衛藤構造担当部長
建設・改築事業部 構造技術課 筒井課長代理
徳島工事事務所 長谷川所長
徳島東工事区 中谷工事長

4.議題

(1)開会
(2)事業者挨拶
(3)議事ならびに説明事項
  1. 第14回検討会の課題への対応
  2. 橋梁完成報告
  3. 環境モニタリング調査の結果報告
    • 事業者から資料1に基づき、「 環境モニタリング調査の結果報告(2,849KB) PDFファイルを開きます 」を説明。

      ※本項目について、以下の意見を踏まえて、今後も環境モニタリング調査(鳥類調査)を進めていくことで了承された。

      ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

      • 委員から、「鳥類の飛翔高度のグラフについて、飛翔高度10mごとに整理されているため、橋梁の計画高(16.8m)が、10~20mの高度帯の真ん中付近に記されている。この表現では橋の上を飛んだのか、下を飛んだのかが分かりにくいため、この区間に関しては、橋の上下どちらを飛翔したかわかるように整理するほうが良い。」、「阿波しらさぎ大橋と吉野川サンライズ大橋の確認された個体数の表記の違いについてもう一度説明してほしい。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、一つ目の意見について「鳥類の飛翔高度のデータを整理しているので、橋の上・下どちらを通っているかわかるように整理する。」との説明があった。

        ⇒ 事業者より、二つ目の意見について「阿波しらさぎ大橋は、調査日あたり5回の調査の合計値、吉野川サンライズ大橋は、調査日あたり5回の調査で最も多く出現した回(最大値)であり、集計方法が異なっている。」との説明があった。

      • 委員から、「鳥類の生息状況について、エリア2に関しては、減少していないとの説明で問題は無いと思われるが、他のエリア(1、3、4)については、調査日によっては、個体数が多い調査日もあるが、工事後調査では確認個体数が少なく、エリアごとにみると減少していないと言えないのではないか。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「鳥類は行動範囲が広いため、調査日や調査のタイミング等により、確認できる個体数にばらつきがあり、平成28年も同様にエリア1、3、4では個体数が少ない状況となっている。エリア4に関しては、シギ・チドリ類が多く確認されることもあるエリアであったが、令和4年度に確認された個体数は少なかった。エリア2に関しては、基本的に個体数が多いエリアであり、このエリアには、継続的に個体数が確認されているため、吉野川河口全体ではシギ・チドリ類は継続的に出現していると考えられる。」との説明があった。

      • 委員から、「説明資料P34の工事前・工事中・工事後の確認個体数の説明は、断定的に表現されているために違和感があり、事後調査が残っている段階では、十分な分析・評価にはつながらないと考えられるため、表現を修正する方が良い。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「資料の表現・説明について修正する。」との説明があった。

      • 委員から、「P30の夜間調査結果については、ねぐらに走行車両のヘッドライトが届いていないので鳥類に対しては影響がないということで問題は無いか。また、走行車両通過時のねぐらにおける鳥類の行動の変化についても調査したうえで問題無いということでよいか。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「夜間調査に関しては、ヘッドライトの照度の確認に加え、補足としてセンサーカメラで30分置きにねぐらの状況を撮影している。ただし、夜間については、カメラ撮影という性質上、うまく撮影できていないが、日没頃と日の出のタイミングで撮影されているため、夜間にもねぐらとして利用していると考えられる。」との説明があった。

      • 委員から、「ヘッドライトの夜間調査時に走行した台数はどれくらいか。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「数時間の調査を実施したが、走行した車両は10台に届かないほどであった。」との説明があった。

      • 委員から、「ヘッドライト調査時の車両走行台数等の調査時のデータを取りまとめるとともに過去に実施した調査で車両走行時の騒音に鳥類が反応していないような写真等、分かりやすい資料を示して説明した方が良い。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「騒音や振動が鳥類に与える影響については、杭打施工時(建設騒音)の騒音・振動による鳥類の行動変化の調査を過去に実施しており、特に影響を与えていなかった。また、そのときに橋より近い堤防周辺を通過する走行車両の騒音・振動もあったはずだが、行動に変化は無かったため、橋梁を通過する走行車両の騒音・振動についても鳥類には影響を与えていないと考えられる。」との説明があった。

      • 委員から、「P33の阿波しらさぎ大橋のエリア3と4の凡例が、記載されている図面の凡例と一致していない。」との指摘と「阿波しらさぎ大橋と吉野川サンライズ大橋における上部工が施工開始された時期と施工終了した時期を教えて欲しい。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、一つ目の指摘に対して、「阿波しらさぎ大橋の凡例に関しては、エリア3と4の凡例の色が、ご指摘の通り、図面と対応していないので修正させていただく。」二つ目の質問に対しては「吉野川サンライズ大橋に関しては、施工開始が令和2年2月~3月で、終了した時期は令和3年8月23日である。阿波しらさぎ大橋に関しては、具体的な建設状況は分からないが、住吉干潟と河口干潟の飛翔に着目すると、そこに影響を与える主塔間(P2及びP3間)建設の開始が平成21年11月から~3月になる。」との説明があった。

      • 委員から、「底生生物のバックアップ状況について、今後の影響評価の策定に向けて議論していきたい。」との意見があった。
      • 委員から、「施工状況に対応したエリア3についての鳥類の出現状況をもう少し詳しく検討した方が良い。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「阿波しらさぎ大橋、吉野川サンライズ大橋のいずれも、エリア3はシギ・チドリ類の確認数が少ないエリアとなっている。エリア4の住吉干潟に関しては、エリア2と比較すると少ないが、水際がよく利用されるエリアであり、工事前・工事中と比較すると工事後調査では確認個体が少なくなっている。」との説明があった。

  4. 下部工の影響評価まとめの報告
    • 事業者から資料1に基づき、「 下部工の影響評価まとめ(1,063KB) PDFファイルを開きます 」、 「 今後の予定(217KB) PDFファイルを開きます 」を説明。

      ※本項目について、以下の意見を踏まえて、下部工の影響評価について了承された。

      • 委員から、「論理的によくまとめられていると思う。」との意見があった。
      • 委員から、「橋脚完成後の影響について漁業者等の関係者に何か影響があったかどうかについてヒアリング等を実施する予定はあるのか。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「ヒアリングといったものではないが、工事中から漁業関係者とは調整し、報告を続けてきた。橋梁完成後については、苦情等の報告はないが、今後もその状況については、適宜、確認していく。」との説明があった。

      • 委員から、「阿波しらさぎ大橋については、現在もモニタリング調査を継続しているのか。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「事業が異なるため、正確にはわからないが、実施していないと考えられる。」との説明があった。

      • 委員から、「影響評価報告書としてよくまとまっており、こういった情報を公表することは重要なことだと思う。一方で、報告された内容は、生物への影響のことが中心となっている。そのため、環境に配慮した構造形式、施工方法や景観への配慮等、事前の計画段階で配慮したことについては取りまとめて公表するほうが良いと思うが、そういった予定はあるのか。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「事業完了後に、パンフレット等で公表を検討している状況である。」との説明があった。

      • 委員から、「今後のとりまとめに関するお願いとなるが、工事前・工事中・工事後の環境の変化がどのくらいあったが重要であると考えられる。特に工事前・工事中・工事後の3期間の環境の違いを踏まえた評価をもう少し細かくしていただきたい。具体的にすると、種数、個体数や湿重量の増減だけではなく、工事後に記録されていない種や、工事前に数が多いが、工事後調査では数が減少している種等がいないか確認していただきたい。鳥類に関しても同様だと思う。また、全体における出現数だけではなくエリアごとの増減についても確認いただきたい。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「底生生物の影響評価については、まとめとして今回報告させていただいたが、工事前後の出現状況に関しても、最終的な評価報告書の中でとりまとめるように調整していきたいと考えている。鳥類の出現エリアごとの評価に関しては、今回、阿波しらさぎ大橋との対比ということで提示した情報であるが、第10回・11回の検討会ではエリアごとの状況を報告したものの、その後はエリアで評価するのではなく吉野川河口全体の出現状況で評価した方が良いとの流れになった経緯がある。エリアごとの評価の必要性については、桑江委員に相談・確認し、より良い報告になる様に努める。」との説明があった。

      • 委員から、「後々に資料を見て、今回の報告書が参考となる様に努力してほしい。」との意見があった。
      • 委員から、「今回の報告を受けて、改めて吉野川河口部が、環境の影響(攪乱)が強い場所であることを実感し、そういった場所を評価するのは非常に難しいと感じた。」、「こういった環境の影響が強い河口部で大規模な構造物を建設する際に生かせるように調査結果や施工方法を多くの機関に共有いただきたい。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「河口部の大規模な工事は前例が少ないため、この経験をNEXCO内で共有していくとともに、土木学会等の学会で公表していければと考えている。」との説明があった。

      • 委員から、「影響評価の取りまとめとしては良くできている。」、「評価報告の表現方法については、影響が軽微であるに留めるのではなく、データや数字等を示して詳しく説明する方が良い。」、「データを公開する際に、研究者等が研究目的で申請があった場合には、マスク処理が施されていない元のデータを提供できるようにしていただきたい。」との意見があった。
(4)閉会

配付資料

  • 資料1 説明資料
  • 資料2 参考資料
  • 資料3 環境モニタリング調査結果データ集
  • 資料4
Get Adobe Reader

PDFファイルをご覧になるには、Adobe Readerが必要です。