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ニュースリリース

平成30年7月豪雨による高速道路の被災状況及びNEXCO西日本の取り組み

平成30年7月25日
西日本高速道路株式会社

NEXCO西日本(大阪市北区、代表取締役社長:酒井 和広)は、今回の平成30年7月豪雨による高速道路の被災状況とNEXCO西日本の取り組みをとりまとめました。

これまで、被災により通行止めとなった区間の早期の通行再開に向け、国土交通省をはじめ、関係機関やNEXCO東日本・中日本の支援をいただきながら24時間体制で応急復旧工事を行うとともに、被災を受けた地域の生活・経済活動の支援にも取り組みました。

今後は、通行止めが続く区間の一日も早い通行再開を目指すとともに、今回の被災箇所の本格的な復旧工事に取り組んでまいります。本復旧完了までの間、皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。

また、今回の災害対応を踏まえ、特に緊急時の対応のあり方を再検討し、体制強化にも取り組んでまいります。

平成30年7月豪雨の気象概況

  • 「平成30年7月豪雨」は、京都、兵庫、鳥取、岡山、広島、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、岐阜の11府県で「大雨特別警報」が発令されるなど、西日本から東海地方を中心に多くの観測点で観測史上1位の雨量の記録を更新するなど、広範囲でかつ長時間の記録的大雨となりました。

高速道路の通行止め状況

  • NEXCO西日本管内の山陽道・中国道・高知道・九州道など37道路、2,299kmが通行止めとなりました。これはNEXCO西日本が管理する高速道路の約65%に相当します。
  • 現時点で通行止めが20km、通行規制が46km残っており、早期の規制解除に向け復旧工事に取り組んでいます。
  • なお、今回の通行止め解除は応急対策の完了によるものであり、今後の降雨によっては、お客さまの安全を確保するために通行止めなどの措置や、車線規制等の走行制限を実施することがあります。

通行止め延長等

通行止め総延長 通行再開延長 現時点の通行止め延長
2,299km 2,279km 20km

現時点での通行止め区間2区間

規制区分 道路名 区間 IC距離
通行止め E10 東九州道(上下線) 椎田南IC 豊前IC 7km
E31 広島呉道路(上下線) 坂北IC 呉IC 13km
合計 20km

現時点における通行規制区間2区間

規制区分 道路名 区間 IC距離
対面通行 E2A 中国道 北房IC 新見IC 28km
E32 高知道 新宮IC 大豊IC 18km
合計 46km

高速道路の被災状況

  • NEXCO西日本管内の高速道路で、のり面崩壊等により16道路、49箇所で災害が発生し、そのうち10箇所は重大な災害の発生により、降雨終了後も通行止めを継続せざるを得ない状況となりました。
  • これまで被災箇所49箇所のうち、43箇所が応急対策を完了しましたが、残る6箇所の応急対策工事中の区間は、下記の重篤な被災箇所が含まれており、応急復旧あるいは本復旧までには相当の時間を要する見込みです。

被災箇所一覧16道路 49箇所

道路名 被災箇所数 備考
応急対策工事完了 応急対策工事中 合計 うち重篤な被災箇所
E1A 新名神 1   1  
E24 京奈和道 1   1  
E27 舞鶴若狭道 1   1  
E2 山陽道 12   12 5か所
E2 山陽道宇部下関線 1   1  
E2A 中国道 5 2 7 1か所
E73 岡山道 3   3  
E31 広島呉道路 2 1 3 1か所
E73 米子道 1   1  
E2A 関門道 2   2  
関門トンネル 1   1  
E32 高知道 3 1 4 1か所
E3 九州道 6   6 1か所
E10 東九州道 1 2 3 1か所
E34 長崎道 2   2  
E56 松山道 1   1  
合計 43 6 49 10か所

復旧に関する取り組み

  • 今回の豪雨災害では、被災した高速道路を救援作業や物資輸送にいち早く活用するための緊急復旧や、長期通行止めを解消するために応急復旧を実施しました。

《緊急復旧》

  • 堆積した土砂や流木を車両が通行可能な最低限の車線幅を撤去する緊急復旧の方法で、被災地へ向かう緊急通行車両や緊急物資輸送車両の通行を確保しました。

    緊急復旧

《応急復旧》

  • 中国道や高知道では、4車線での復旧に相当の時間を要することから、2車線を対面通行として開放する応急復旧の方法で、早期の通行止め解除を行いました。

    応急復旧

《復旧体制の構築》

  • 早期に復旧作業を進めるため、NEXCO西日本グループ一丸となった体制を構築するとともに、NEXCO東日本、NEXCO中日本からの作業応援を得ることにより迅速な復旧作業を実施することができました。

    復旧体制の構築

災害時の交通運用に関する取り組み

  • 中国地方における高速道路の通行止めに伴う渋滞緩和のための広域迂回を推奨するための料金調整や、一般道通行止めに伴う高速道路を代替え道路とする無料通行措置などを行いました。

《広域迂回【料金調整】の取り組み》

  • 通行止め区間(河内IC~広島IC)の迂回を推奨するため、「流出指定IC」で一旦流出し、「再流入指定IC」で乗り継ぐお客さまには、高速道路料金が割高にならないよう料金調整を実施し、広域迂回に取り組みました。

    広域迂回【料金調整】の取り組み

《一般道代替え道路としての無料通行措置》

  • 国道や県道の被災により、高速道路を迂回路として利用できるように無料通行措置を実施しました。

    無料通行措置を実施した区間

    道路名 区間 期間
    E2 山陽自動車道 岩国IC 熊毛IC 7月8日 20時00分 ~ 7月17日 17時00分
    E27 舞鶴若狭自動車道 綾部IC 舞鶴西IC 7月8日 22時00分 ~ 7月13日 22時00分
    E9 京都縦貫自動車道
    E27 舞鶴若狭自動車道
    綾部安国寺IC 舞鶴西IC 継続中
    E73 岡山自動車道 岡山総社IC 賀陽IC 7月9日 3時00分 ~ 7月11日 20時00分

    (E9 京都縦貫自動車道、E27 舞鶴若狭自動車道の事例)

    E9 京都縦貫自動車道、E27 舞鶴若狭自動車道の事例

本復旧に向けた取り組み

《広島呉道路関係》

  • 広島呉道路の早期通行再開のため、学識者による「広島呉道路災害復旧に関する検討委員会」を2回開催し、特に重篤な被災箇所(水尻の道路崩壊)を対象に復旧に関する検討を行っています。
  • これまでの委員会での議論により、主な原因、復旧方針を確認するとともに、11月の復旧を目標とすることとしています。

《高知道 新宮~大豊間 立川橋流出関係》

  • 今後、学識者及び橋梁メーカー等の協力を得ながら、究明したメカニズムに基づき、復旧方法へ反映する計画としています。

防災体制の再構築

  • 今後、高速道路がどのように社会活動に対しての役割を果たして行くのか、特に緊急時にはどのような対応が最善策となるのか、今回の対応を含めて更なる検討を行っていく所存です。
  • また、今回の経験をNEXCO東日本・中日本と共有し、更なる連携強化に努めるとともに、振り返りを行い、体制やシステムなどのソフト面や施設設備などのハード面の見直しを行い、これまで以上に国民の皆さまや地域に貢献できるよう取り組んでいきたいと考えています。