平成30年12月26日
西日本高速道路株式会社
NEXCO-West USA, Inc.
NEXCO西日本(大阪市北区、代表取締役社長:酒井 和広)は、米国で非破壊点検業務を手がける、NEXCO西日本100%出資の現地法人 NEXCO-West USA, Inc.(米国ワシントン DC、President & CEO:松本正人)(以下「USA社」)の事業実施状況についてお知らせします。
ワシントン・メトロ トンネル点検の様子
USA社は、平成23年1月の設立以来、「構造物非破壊点検」、「情報収集提供・研修支援」及び「技術コンサルティング」を三本柱として事業活動を行っています。これまでの事業活動により、道路橋床版の損傷箇所を検出する赤外線技術の有用性と精度が米国内で広く認知され、ここ数年で業務の受注が増加しています。また、ダム、ビルの外壁、地下鉄トンネル等の構造物点検へ用途を拡大するなど、道路橋以外のインフラメンテナンスにおいても、USA社が有する技術の有用性が認められてきています。
今年度は、ワシントン・メトロの地下鉄トンネル点検業務を受注し、赤外線技術の新たな活用方法を見出して、トンネルコンクリートの漏水やひび割れ等を検出することに成功しました。
1)「構造物非破壊点検」事業
「構造物非破壊点検」事業は、弊社グループが保有する橋梁非破壊点検技術である、赤外線カメラや高解像度デジタルカメラ等を使用してコンクリート構造物の浮き・剥離・ひび割れ等の損傷を検出する技術を米国で展開するものであり、USA社の中核をなす事業です。平成30年度は、ワシントン・メトロの地下鉄トンネル点検((1))、ロサンゼルス・メトロの工事施工前建物調査((2))を受注し、道路橋以外の構造物の点検に新規参入するなど、事業の拡大を図っています。
なお平成29年度には、ヴァージニア州政府が入札公示した橋梁非破壊検査業務((3))において、米国で初めて元請での業務受注しています。
(1)ワシントン・メトロ 地下鉄トンネル点検
ワシントン・メトロ調査用軌陸車
軌陸車後部に撮影機材を設置
(2)ロサンゼルス・メトロ 工事施工前建物調査
駐車場点検の様子
確認されたクラック
(3)ヴァージニア州 橋梁非破壊検査
※地図に一部不適切な表示がありましたので、更新いたしました。(平成30年12月28日)
2)「情報収集提供・研修支援」事業
USA社では、米国の技術・制度等の情報を入手・発信するとともに、民間企業、大学、官公庁職員を対象に実務・視察研修等を実施したほか、国際会議への参加、展示支援等を行っています。
3)「技術コンサルティング」事業
日本政府の推進するインフラシステム輸出戦略を促進すべく、弊社のインフラ技術で米国市場を開拓してきた経験を生かし、米国への進出を考えている日本企業に対してコンサルティング・サービスを提供しています。また、NEXCO西日本グループ製品の米国内での販売や、米国先進技術を日本へ導入する橋渡しの役割も担っています。
今後も、インフラ輸出の窓口としての役割を果たし、米国への日本の質の高いインフラの輸出を促進していきます。
弊社グループの保有技術を米国に導入し実績を積むことで得られたノウハウは、技術のブラッシュアップや競争力強化、さらなる研究・開発へとつなげるために国内にフィードバックします。