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ニュースリリース

高速道路構造物点検にAIを導入,ひび割れを自動で検出します!
― 構造物点検のDX化を推進 ―

令和3年4月21日
西日本高速道路株式会社
NEXCO西日本イノベーションズ株式会社

NEXCO西日本(大阪市北区 代表取締役社長:前川 秀和)は、構造物点検のDX※化を強力に進めています。すでに点検技術者による近接目視点検は、点検支援技術(当社で開発した高解像度カメラを用いた画像撮影システム)を導入し効率化を図っています。

更なるDX化として、NEXCO西日本とNEXCO西日本イノベーションズ(大阪市淀川区、代表取締役社長:矢野 寛)は、撮影画像から各種変状(ひび割れ・鉄筋露出・はく落跡・エフロレッセンス)をAI技術により自動検出する技術の開発を進めて参りました。この度、ひび割れを完全に自動検出できる技術を実用化することに成功しました。

※DX(Digital Transformation):進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること

1.開発の背景

(1)

当社が管理する高速道路の約5割が開通から30年を超え、また、大型車交通量の増加、積雪寒冷地や海岸部の通過延長の増加など、厳しい環境条件下で橋梁などの劣化が顕在化

(2)

インフラ長寿命化基本計画等にもとづく法定点検の確実な実施

(3)

点検対象が増加する中、現有の人員で従来通りの点検を実施することに限界
上記の課題を踏まえ、点検支援技術を活用した点検の更なる効率化を図るため、高解像度カメラで撮影した画像からひび割れ等の変状をAI技術により自動検出する技術開発を行いました。

2.構造物点検にAIを導入

構造物点検にAIを導入

3.ひび割れ等自動検出技術の開発

3-1 NEXCO西日本グループ自社開発のAI

ひび割れ等を自動で検出するAIは、以下の手順により構築しました。

(1)

NEXCO西日本が管理している高速道路構造物から得られるひび割れ等の画像を大量※に収集

※画像の収集枚数:ひび割れ1万枚、その他の変状3万枚

画像の収集枚数

(2)

NEXCO西日本グループの点検スペシャリストが、画像内の変状箇所を特定

画像の収集枚数

(3)

変状箇所の画像特徴※をAIが学習

※ひび割れは黒い、コンクリートは白い…AIが自動的に数万~数十万の特徴を設定

(4)

画像内のひび割れ等をAIが自動検出

画像内のひび割れ等をAIが自動検出

3-2 自動検出の例

自動検出の例

※ひび割れ、鉄筋露出、はく落跡、エフロレッセンス…
高速道路構造物の主な変状
ひび割れの幅の表示が可能
※エフロレッセンス…
雨水がコンクリート内に浸透し、コンクリート内の石灰分が打継目やひび割れなどから滲みだし、白く盛り上がったように固まる現象

3-3 開発状況

(1)

ひび割れの自動検出…今回完成

  • 構造物に生じているひび割れを完全自動検出
  • 検出率※95%、的中率※95%
※検出率:

実際のひび割れのうち、本技術で検出できたひび割れの割合

※的中率:

本技術で検出したひび割れのうち、実際のひび割れの割合

(2)

その他の変状(鉄筋露出・はく落跡・エフロレッセンス)の自動検出…精度向上に向け改良中

  • 現状の精度 検出率93%、的中率57%
  • 的中率の向上を図るべく、開発を継続

4.今後の展開

  • NEXCO西日本の橋梁点検へ本格導入し、点検業務の効率化を図ります。
  • 今後、鉄筋露出、はく落跡、エフロレッセンスの自動検出の的中率の精度向上や、ひび割れ等の自動検出結果から橋梁の健全性を自動で診断するプログラムの開発等、機能を拡充して参ります。
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