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お知らせ

第12回 四国横断自動車道 吉野川渡河部の環境保全に関する検討会(議事概要)

1.日時

令和2年10月21日(水曜) 10時00分~12時00分

2.場所 

徳島県教育会館 5階 小ホール

3.出席者

出席委員:
山中座長、中野部会長、鎌田副部会長、成行部会長、長尾副部会長(WEB)、大田委員、桑江委員(WEB)、上月委員、真田委員、橋本委員、浜野委員、和田委員
オブザーバー:
国土交通省 四国地方整備局 徳島河川国道事務所 山岡 副所長
徳島県 県土整備部 高規格道路課 小津 課長
事業者:
西日本高速道路株式会社 四国支社
建設・改築事業部 細田部長
建設・改築事業部 佐藤課長代理
徳島工事事務所 浦所長
吉野川工事区 橋本工事長

4.議題

(1)開会
(2)事業者挨拶
(3)議事ならびに説明事項
  1. 第11回検討会の課題への対応
  2. 工事の実施状況(令和元年11月~現在)
    • 事業者から資料1に基づき、「 工事の実施状況(1,264KB) PDFファイルを開きます 」を説明。

      ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

      • 委員から、「P5とP6の間は、どういった工事の予定なのか。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「元々P5まではエレクションノーズでの施工を予定していたが、P5とP6間が最も浅いため、なるべく浚渫を行わない架設桁での施工方法を検討している。」との説明があった。

      • 委員から、「予定していた浚渫土量からどれくらい増減したかを説明する方が分かりやすいと思う。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「最新の深浅測量結果を基に浚渫を計画しているが、気候の影響によって計画していた量よりも増減する結果となっている。今後も台風や出水の影響によって計画から増減する可能性をご理解いただきたい。」との説明があった。

      • 委員から、「セグメントはどれくらいの期間を養生しているのか。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「約3か月である。」との説明があった。

        ⇒ これに対して委員から、「約3か月の間、第1、2ヤードで養生し、順次、動かしていくということか。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「使用する3か月前には必ず造り終えることを徹底している。使用前まで養生シートを貼っている。」との説明があった。

      • 委員から、「冬場、夏場で強度に変動はあるのか。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「データ上には出て折らず、必要な強度以上は確保されている。」との説明があった。

        ⇒ これに対し委員から、「温度によるひび割れは大丈夫か。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「現在までの結果では、温度ひび割れは生じていない。」との説明があった。

  3. 工事中調査の結果報告、今後の予定
    • 事業者から資料1に基づき、「 工事中調査の結果報告(2,739KB) PDFファイルを開きます 」、「 今後の予定(692KB) PDFファイルを開きます 」を説明。

      ※本項目について、以下の意見を踏まえて、今後も環境モニタリング調査を進めていくことで了承された。

      ※以下に、委員からあった主な意見等をまとめる。

      • 委員から、「底生生物のデータについて、種数だけで整理しているが、個体数と湿重量をまとめたデータもあるので、そちらのデータについても工事による影響があったかを判断する必要がある。資料2のデータを見ると工事中に湿重量が減少しているように見えた。また、潮下帯のデータで個体数、湿重量が多い生物の中にギボシムシ、シャミセンガイ、紐形動物門が上がっている。これらについては、専門家に依頼するなどして、種名まで同定までできないかを検討していただきたい。必ず同定しなければいけないというほどのものでもないが、記録が少ない生物群なのでご配慮いただきたい。鳥類のデータについても、生息数の経年変化をシギ・チドリ類の個体数で一括して整理しているが、種数で見たときのデータについても提示もまとめ方も考えていただきたい。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「一つ目の意見(個体数・湿重量による評価)については、前回の検討会資料には説明資料に掲載していたが、地形調査の説明が多い都合上、参考資料に送る形とした。個体数・湿重量の評価については、出水により大きく減少した年もあるが、目立った変化ではないと考えている。もう一度データを見直し、次回の検討会で報告させていただければと思う。」との説明があった。

        ⇒ 事業者より、「二つ目の意見(ギボシムシ、シャミセンガイ、紐形動物門の同定)について、標本を残している平成30年度分については種の同定を含めて再精査することは可能である。過去の標本があるかどうか、再精査するかどうかについては、委員に相談しながら進めてさせていただきたい。同定の精度については調査会社が努力したうえで、委員に説明・相談しながら進めていきたい。」との説明があった。

        ⇒ 事業者より、「三つ目の意見(シギ・チドリ類のデータ整理)について、鳥類調査の報告は前回の検討会に比べてスリムな資料としている。時間の都合上、シギ・チドリ類の種数・個体数は参考資料のP52、P53に送らせていただいた。データを見ると特異的な種の増減は見られず、種数も工事前、工事中と大きな変化がなく推移していると考えている。次回の検討会の際には、もう少し詳しく説明させていただく。」との説明があった。

      • 委員から、「吉野川の河口では川の力と海の力でおしくらまんじゅうしており、そのバランスにより大きく変化することもあれば、緩やかに変化することもある。こういったことも踏まえて、今回の説明は、かなり納得できる説明であったと思う。質問として漁業者の浚渫はどのくらいの規模だったのか、どういった目的だったのかを分かる範囲で教えていただきたい。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「土量については把握していないが、通水幅で見ると50m程度であった。通水箇所を現場で確認していると約1か月程度で再接続した。漁業者の浚渫によって、工事と連動して大きな影響があったとは考えにいくい。目的について、聞き得ている情報によると上流側はスジアオアノリの養殖場となっており、干潟と右岸が接続したことにより閉塞して泥が溜まって不作になったと聞いている。一度通水させることで、スジアオノリの生育が良くなるのではないかという意図があったと漁業者からは伺っている。」との説明があった。

      • 委員から、「最初に定義したハビタット区分を地形変動と連動させて、その都度評価する方が良いと思う。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「区分の書き換えは最新の地形測量のデータを基に更新している。3つの区分は大きくは動かないが、区分の面積や範囲が変化し、その状態に対して行った浚渫に対する影響評価をしている。」との説明があった。

        ⇒ これに対し委員から、「大きく地形変動しているようだが、あまり分布的に変わってないということですね。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「河口テラスにあたる区分1は調査において砂しかとれず、区分2、区分3は泥まじりの区間である。基本的に物理的にはどこにどういうものが堆積しやすいのかというのは吉野川河口の特徴として維持されている。ただし、バッファーになるようなところは動くものであるため、動きながら評価をしている。」との説明があった。

      • 委員から、「鳥類について、次回以降の調査から飛翔高度の影響も見られるので注視していきたい。質問として、令和2年1月の調査で干潟の個体数が少なく、人工海浜が多いという結果があったがこれはハマシギであるのか。また、漁業者の浚渫の影響であるのかご説明いただきたい。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「1月の結果について、人工海浜で多かったのはハマシギとダイゼンであった。漁業者の浚渫の影響は、1月の調査時点で干潟は接続していたため、その影響は考えられない。現地観察では1月の調査時は潮位が高く、干潟が休息場所として適していなかったため、人工海浜で休息した個体が多い結果となった。」との説明があった。

      • 委員から、「人為的な影響が一番生じているのが浚渫と思われる。浚渫箇所の底質の変化の説明で、元の底質に戻るのでは無く、ぶれが激しいというのが結論ではないかと思う。また、先の意見と同じで種数だけの評価では無く、個体数・湿重量でも評価する方が良いと思う。浚渫の影響評価についてだが、区分1は安定しているので単年度で評価しても良いと思うが、区分2は年変動が激しいので単年度で考えるのではなく、評価が難しいが累積で評価するなど、何らかを考察する方が良い。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「BD-1は河口テラスに続く尾根筋となり、調査を行っても砂しか取れない区間、BD-2は砂と泥のバッファーの区間、BD-3、4は常に泥が溜まる区間である。泥が溜まるのは砂に比べて時間がかかるため、単年の影響評価では分からないこともあると思うので、委員に説明、相談していきながら累積の影響評価といったことも次回の検討会で報告できたらと考えている。」との説明があった。

      • 委員から、「今までの結果から、工事の影響よりも水温が上がることなどの周辺環境の変動の影響が大きいと思う。注目している種については、全国的な種の動向がわかるような資料も添えていただけるとありがたい。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「どこまで補足情報を集められるか、また、集めた情報との比較についてはピンキリになるので、この場でこのように対応しますとはすぐにお答えできないので、また、ご相談させていただければと思う。」との説明があった。

      • 委員から、「地形調査について、渡河部周辺の深浅測量を行う予定となっている、干潟形状の変化は重要な情報だと思うので、ドローンでも構わないので写真を撮影しておく方が後で考察するときに使えるのではないか。また、浚渫土砂を養浜事業で活用するのは非常に良いことなので、もっとPRしていけば良いと思う。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「調査とは別にドローンによる工事風景の撮影を行っており、HPで工事の進捗状況として公表はしているが、検討会で提示していなかったので、今後の検討会でも活用させていただければと思う。養浜事業は徳島県に多大なご協力をいただいており、県との定期的な調整会議の中で何とか実ったものである。今後も、継続的に実施できるように密に調整していきたい。」との説明があった。

      • 委員から、「資料1のP46では、検討会資料の概要版を作成すると書かれているが、検討会の概要版ではなく、調査の概要版を作成して公表する方が良い。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「いただいた意見を元に資料作りを進めていきたいと思う。」との説明があった。

      • 委員から、「先の話にはなると思うが、調査全体の報告書はどのように考えているのか。」との意見があった。

        ⇒ 事業者より、「最終的には報告内容をまとめることを考えています。どういったまとめ方、ボリューム、構成といったことについては、次回以降の検討会でまたご相談させていただきたい。ずっとしてきた検討会なので、しっかりと残る取り組みをしていきたい。」との説明があった。

      • 委員から、「上部工の工事中に浚渫が発生すると説明していたが、その時期や場所、どの程度のものか見えているのでしょうか。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「架設桁の撤去について詳細を検討している。大きな台船を持って来て海側からの撤去は大規模な浚渫が生じるので、それを避けるべく施工計画を検討しているところである。検討の結果については、次回の検討会で具体的に示すことができると考えている。」との説明があった。

      • 委員から、「これから1年間くらいは大きな浚渫は無いということか。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「現在も柱頭部の施工などで台船が入ってくるので、それに伴う浚渫は今までの延長線上でやっていく。」との説明があった。

      • 委員から、「完成した構造物の維持管理の計画については考えているのか。それはこの検討会とは別になるのか。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「基本的には別と考えている。会社は建設事業と保全の部門があるので、部門間で意見調整をしながら、将来の点検のしやすさを考慮した構造という工夫は考えています。」との説明があった。

      • 委員から、「景観の方で検討している付属物の検討時期はいつ頃になるのか。」との質問があった。

        ⇒ 事業者より、「今年度末頃にご提案できる状態を作って橋梁部会でご案内させていただきたい。」との説明があった。

(4)閉会

配付資料

  • 資料1 説明資料
  • 資料2 参考資料
  • 資料3 環境モニタリング調査結果データ集
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