
当社グループの使命は、高速道路ネットワークを計画的に整備するとともに、重要インフラである高速道路の安全を24時間365日維持し、お客さまに安全・安心で円滑な交通を提供することです。
事業の推進にあたっては、「工事の安全管理」を特に重要な課題と位置付け、重大事故の撲滅に向けて事故の背景や要因を丁寧に見直すとともに、リスクの早期把握と未然防止に向けた取り組みをグループ一体で着実に進めています。
建設事業では、新名神高速道路について安全を最優先に1日も早い開通を目指し、事業を推進するとともに、大和北道路、神戸西バイパス、淀川左岸線延伸部、名神湾岸連絡線の新設事業や4車線化事業についても着実に進め、高速道路ネットワークの強化に取り組んでいます。
また、保全事業では、頻発化・激甚化する自然災害への迅速な対応に加え、リニューアル工事や耐震補強工事を計画的に推進し、高速道路の機能と信頼性の維持・向上を図っています。
SA・PA事業では、店舗・お手洗いのリニューアルや地域・人気コンテンツとの連携企画、シャワーステーションの整備など、お客さまの声を反映した価値向上に取り組んでいます。
一方で、自然災害の頻発化・激甚化、資材価格や労務費の上昇、人手不足の進行、働き方改革への対応、更には技術革新や脱炭素への対応など、当社グループを取り巻く経営環境は、近年、大きくかつ複雑に変化しています。
こうした環境を乗り越え、将来にわたって安全・安心な高速道路サービスを安定的に提供し続けることは、当社グループに課せられた重要な責務です。グループ一丸となって、これまで以上に果敢に挑戦してまいります。
先述のとおり、近年、当社グループを取り巻く環境は一段と複雑さを増しています。こうした変化に的確に対応し、将来にわたって高速道路サービスを安定的に提供していくためには、従来の延長線上の取り組みに加え、更なる変革が必要であると認識しています。
このため、今後5ヵ年の指針、いわゆる“道しるべ”として、中期経営計画「MOVE!2030」を2026年4月に策定しました。本計画では、「高速道路事業の確実な推進と高度化」と「関連事業の更なる展開」を両輪とし、全部門が一体となって新たな価値を創出していく姿を描いています。
「MOVE!」には、高速道路が担う“移動”としての役割に加え、「未来へ前進する」、「人の心を動かす価値を創出する」といった思いを込めています。この理念のもと、高速道路を通じて社会の発展に貢献するとともに、お客さまに新たな価値と感動を提供してまいります。
また、これらの取り組みを支える基盤として、デジタル技術の活用を一層推進します。民営化時と比べて3倍を超える規模に拡大した事業量に対応するため、DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略「NEW ACE DXs」※に基づき、高速道路マネジメントの高度化と業務の効率化・自動化を着実に進めていきます。
※ NEW ACE DXs:NEXCO Westの頭文字と「Advanced Challenge and Evolution will drive DX strategy(先進的な挑戦と進化がDX戦略を推進する)」に由来する当社グループのDX戦略の略称
当社グループにとって最大の資産は社員です。変化し続ける社会に対応し、高速道路の進化を支え続けていくためには、多様な発想とチャレンジ精神を持つ社員一人ひとりがその能力を最大限に発揮することが不可欠です。
そのため、「何でも言い合える風通しの良い明るい職場環境」の更なる醸成を図るとともに、安全の確保やチーム力・生産性の向上につなげてまいります。
また、社員が安心して働き続けられる環境づくりにも注力しており、「健康経営優良法人2026」に認定されるなど、心身の健康を支える取り組みを継続的に推進しています。
更に、価値観の多様化やライフステージの変化に対応し、仕事(ワーク)と生活(ライフ)の調和を保ちつつ、ダイバーシティの推進に取り組むことで、それぞれが力を発揮できる組織づくりを一層進めていきます。
そして、安全とコンプライアンスを揺るがすことなく、これまで培ってきた現場力を土台に、確実な業務遂行を徹底し、当社グループの使命を確実に果たしてまいります。
当社グループは、多様化する地域課題に対応するため、地域と連携した「地域共創」活動を推進しており、2026年で7年目を迎えました。この活動は、地域と当社グループがお互いのリソースを活かし、持続可能な地域づくりに挑戦するものです。高速道路の機能やサービス、当社グループのノウハウやネットワークを活用し、地域の新たな魅力を創出・発信することで、人と地域をつなぎ、観光振興や交流人口の拡大に寄与していきます。今後も、こうした取り組みを通じて、「地域づくりのプラットフォーマー」としての役割を果たし、地域とともに新たな価値の創造に挑戦してまいります。
当社グループは、2008年より環境経営を推進しています。
2026年6月には「環境基本計画2030」を策定し、「脱炭素社会の実現」、「循環型社会の形成」、「自然と共生する社会の推進」を3つの重要テーマとして掲げ、事業活動のあらゆる側面で環境負荷の低減に取り組んでいます。また、2026年3月には2040年度までを計画期間とする「道路脱炭素化推進計画」を策定しました。気候変動による自然災害の頻発化・激甚化が懸念される中、道路分野においても脱炭素化の推進が強く求められており、道路照明のLED化などを着実に進めてまいります。
当社グループは、CSR活動方針として「事業活動を柱として社会の持続的な発展に貢献する」ことを掲げています。
高速道路の進化に挑み続けることで社会インフラの機能を更に高め、我が国の持続的な発展と豊かな未来の実現に寄与していくことが、当社グループの使命であり社会的責任です。
これはグループ理念とも共通する精神であり、社会インフラを担う企業として、持続可能な社会の実現に貢献していくことが重要な役割であると認識しています。
今後も、高速道路の安全・安心の確保、ネットワークの強化、地域連携、環境経営など、あらゆる事業活動を通じてESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを推進し、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
これからも、事業活動を通じて、お客さまや沿道地域の皆さまをはじめ、投資家・国民の皆さま、お取引先、グループ社員など、様々なステークホルダーに対し、社会インフラを担う企業としての責任を果たすとともに、新たな価値の創造に努めてまいります。
皆さまには、本レポート及び当社グループの今後の取り組みに対し、忌憚のないご意見を賜りますようお願い申し上げます。
2026年6月
西日本高速道路株式会社
代表取締役社長
![]()
Copyrights © West Nippon Expressway Company Limited All rights reserved.