▲ 

九州支社

関門トンネルにおける現状と今後の維持管理について

関門トンネルは、本州と九州を結ぶ重要な交通インフラとして、開通から67年を迎えた今も、日々多くの車両(約24,900台/日)のご利用をいただいております。

西日本高速道路では、このトンネルの安全・安心を守るため、定期的な点検や補修、修繕を行っておりますが、海底トンネルという特殊な環境で老朽化が進行しています。今後は適切な時期での更新や予防保全が必要となっています。

また、料金所周辺の渋滞や車線逸脱による事故の発生などの課題があり、これら課題への対応も必要です。
本ページでは、関門トンネルの現状と課題、今後の維持管理についてご紹介します。

1)関門トンネルの概要

  • 本州と九州を結ぶ大動脈として現在も重要な役割を果たす国道2号関門トンネルは、昭和33年の3月に開通し、開通67年を迎えました。
  • 関門トンネルは延長3,925m(うちTN延長3,461m)の海底トンネルで令和6年度は約24,900台/日のご利用をいただいています。

    片側1車線の対面通行であり、車道下に人道を併設しています。

  • 開通後は日本道路公団、そして平成17年からはNEXCO西日本が管理有料高速道路として管理をしています。

関門トンネル概要

2)これまでの管理の状況

関門トンネルを安全にご利用いただくために、2か月に1度、片側車線規制を行い、路面清掃や排水・換気設備のメンテナンス、照明点検等を実施しています。

清掃等

また、損傷した構造物の現状回復だけでなく、機器の更新、定期的な分解設備等も実施しています。

更に、変状の状況に応じて、長期通行止めを伴うリフレッシュ工事も行っています。平成21年度~平成22年度に損傷が大きい床版(海底部)の取替、平成26年度には天井板の大規模な更新工事を実施し進行する老朽化への対応を行っています。

更新工事等

しかし、老朽化が進行する中で、全ての構造物・施設設備で十分な更新ができているわけではありません。

今後も安全・安心に関門トンネルをご利用いただくためには、適切な時期の予防保全や更新が必要です。

  • トンネル構造本体

早期措置が必要な変状は速やかに補修していますが、優先順位によっては未補修の変状が残っています。

  • 施設設備

設置から20年以上経過する設備も多数存在するものの、分解整備や補修を実施しながら機能を延命化しています。

設備状況

3)顕在化する課題への対応

また、多くのご利用をいただく一方、
料金所周辺での渋滞、車線逸脱による重大事故の発生などの課題も生じており、
これら顕在化する課題への対応が求められています。

≪関門トンネルの利用状況(渋滞の発生)≫

  • 料金所入口をネックとする混雑・渋滞が、朝夕のラッシュ時間帯に発生しており、
    門司側では、夕方に300~400mの渋滞が料金所周辺で発生しています。

関門トンネルの利用状況(渋滞の発生)

≪関門トンネルの利用状況(事故の発生)≫

  • 車線を区分する構造がない2車線道路のため、反対車線への飛び出しがほぼ毎年発生しています。
    そのため、対向車両への衝突事故となるリスクが高くなります。

関門トンネルの利用状況(事故の発生)

4)今後必要な取組み

NEXCO西日本では、有識者委員会を設置し、関門トンネルの持続的な管理に必要な事項の検討を行ってまいりました。

将来に渡り安全・安心な道路機能を維持するために、大きく4つの取り組みが必要になります。

(1)予防保全や更新の実施

【具体的な取り組み例】

  • 点検や詳細調査の継続的な実施
  • ライフサイクルマネジメントを意識した予防保全の実施
  • 床版の一部や施設設備等の更新の実施

床版取替の実施(撤去の様子)、トンネル設備の更新

(2)機能向上の実施

【具体的な取り組み】

  • 料金所部での渋滞緩和・利便性向上
  • トンネル内交通の整流化
  • 車線区分構造の設置
  • 視認性の向上

料金所部での渋滞緩和・利便性向上、トンネル内交通の整流化

車線区分構造の設置

(3)取り巻く環境の変化への対応

【具体的な取り組み】

  • 直近までの管理費の実績値等を参考に、適正な管理費用を計画に反映
  • 将来の変化には適宜計画を見直しながら対応
  • 必要に応じ、料金の見直しについても検討

(4)インフラ管理への理解促進の取組み

【具体的な取り組み】

  • 土木遺産としての価値等を活かしたインフラツーリズムや、地域との連携活動を実施

インフラツーリズム、プレスツアー

≪結び≫

関門トンネルが本州と九州を結ぶ大動脈としての機能を発揮し続け、関門地域、ひいては日本の発展と豊かな未来の実現に貢献し続けるために、NEXCO西日本は今後も維持管理に努めてまいります。

現場イベントのご案内

関門トンネルの維持管理に関する取り組みを、より多くの方に知っていただくため、現場見学イベントを開催しています。

普段は立ち入ることのできない管理施設や点検作業の様子を、実際にご覧いただける貴重な機会です。

報道関係者向けの専門的な見学会から、一般のお客さま向けの体験型イベントまで、幅広くご用意しています。

マスコミ向け現場公開の様子

マスコミ向け現場公開の様子
8月20日(水曜)実施

マスコミ向け現場公開の様子

マスコミ向け現場公開の様子
8月20日(水曜)実施

リリース:

国道2号 関門トンネル現場公開のお知らせ(691KB)PDFファイルを開きます

直近のイベント情報:

国道2号 関門トンネル一般公開のお知らせ

関門トンネル事業に関するお知らせ

Get Adobe Reader

PDFファイルをご覧になるには、Adobe Readerが必要です。