東日本大震災において、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
東日本大震災では、津波による壊滅的被害が広範囲の地域で発生し、都市機能そのものが失われ、長期間にわたって遠方からの救援や支援の手が届かないといった状況や、長期間にわたり電力供給量が低下する事態も発生しました。こうした事態においても高速道路は救命救助、あるいは各地からの被災地への支援物資輸送のための緊急輸送路として早期に復旧し、交通機能を確保する必要があります。
NEXCO西日本では、震災後直ちに支援物資の提供,義援金の寄付等の支援活動を行うと共に、会社としてのボランティア活動も展開してきました。更に阪神淡路大震災での経験以降取り組んできた橋梁の耐震補強や情報収集システムの整備など従前からの対策に加え、東日本大震災を教訓に、災害時における対応についての分析・再評価を行い、想定を超えた広範囲の激甚災害にも対応できる仕組みを構築し、速やかに高速道路を復旧し、被災地の復旧・復興に貢献できるよう災害対応力の強化を目指します。
自治体との連携や学識者のご意見等も頂きながら、東南海・南海地震、内陸直下地震等の被害想定を検証し、必要な見直しや修正を行っていきます。
また、燃料、非常食や水、資機材などの備蓄量や備蓄方法、供給体制などについて地域性を考慮するなど再検討し、必要な準備を進めてまいります。
« 阪神淡路大震災で被災した橋梁 »
« 防災備蓄倉庫 »
« 食料・飲料水の備蓄 »
緊急輸送を考慮した場合に備え、他の周辺道路事業者等とも連携しながら、さらなる補強策や代替策、早期復旧手段等の必要性について検討していきます。
また、自営通信網等のバックアップシステムの推進、光ファイバーの切断時の復旧体制検討、予備電源、予備通信機器、復旧資材の確保や取替工事等の訓練実施、衛星通信等の老朽化対策、などの災害時情報通信ツールなどの検討も進めてまいります。
« 耐震補強工事の推進 »
« 情報拠点(管制センター) »
« 通信ネットワーク網の確保 »
各自治体との防災を含む包括協定締結について継続的に取り組み、役割分担の明確化や高速道路への流出入規制など、地域や関係機関と連携した災害対応力を強化していきたいと考えております。高速道路の周辺地域が被災している、あるいは避難等危険情報が出されている場合のお客さまの安全な誘導方法、交通規制方法、情報提供方法のあり方についても関係機関等と連携し、検討してまいります。
«災害時における高速道路、一般道相互活用(イメージ)»
« 標識車による情報提供(イメージ) »
地震等の災害によって被災地の災害対策本部(本社、支社、事務所、グループ会社)機能が低下、あるいは停止するような事態が発生した場合を想定し、組織間、社員スタッフ等関係者のバックアップ体制を検討します。高速道路が被災した場合の復旧体制についても復旧作業に要する作業員や機械設備などの確保について、再検討していきます。
« 防災対策室 »
« 災害箇所復旧作業状況 »
以上の検討結果などを踏まえてBCP(事業継続計画)を策定し、防災訓練など日頃からの取り組みも継続しながら防災意識を高め、想定される大規模災害に備え、一つひとつ準備を行い、災害対応力の強化、減災を目指して取り組んでまいります。
« BCP策定に向けた取組み »
« 関係機関合同による救助実動訓練 »
« 関係機関合同による図上訓練 »
道路区域外からの土石流災害事案を受け、高速道路に影響を及ぼす要注意箇所(渓流)の抽出と、その評価手法の策定の取り組みを行っており、今後は、詳細な調査を進め必要に応じて関係機関と調整しながら対応を行います。
近年増加傾向にある局地的大雨や集中豪雨など短時間のうちに急変する気象リスクをリアルタイムに把握し、高速道路の臨時巡回、点検の開始や通行規制の準備など初動対応の迅速化を目指し、積乱雲の観測に優れた小型気象レーダーネットワークの道路管理への応用について気象会社と共同研究を実施しております。
気象会社によるレーダーネットワーク整備がほぼ完了し、日常の道路気象予測業務(短時間気象予測)での試行運用を開始し、道路管理業務への活用に向けた事例収集、分析評価を行っているところです。
« 小型気象レーダー設置状況(西日本) »
« 従来の気象レーダー »
« 小型気象レーダー »
« 道路脇の排水ます清掃状況 »
« 斜面における排水溝の清掃状況 »
平成21年8月11日、駿河湾を震源とする地震により、東名高速道路 牧之原SA付近において盛土の崩落事象が発生しました。弊社としては国土交通省の指示を受け、類似箇所の抽出と緊急点検及び簡易調査を実施しました。今後は詳細調査及び対策検討を進め、必要な対策を推進していきます。