現在、トンネル区間である豊能町域及び池田市域を除いた、高槻市域、茨木市域及び箕面市域で用地買収に向けた作業を進めており、高槻~府県境間全体で、完成形での地元設計協議が約84%、用地境界となる幅杭の設置が約42%完了している。
6.主な討議内容
行政A
感度解析の概要は、現地のデータから解析モデルのパラメータを推測し、個々の地域状況に合う解析モデルを見つけていくということか。
委員A
そうである。今回の感度解析は、各パラメータにおいて一般的な変動幅を与え、どのパラメータが解析上重要であるかを把握するためのものである。地山基盤部の透水性や表層部風化層の透水性が、トンネル湧水量に大きな影響を与える。現状にあった解析結果を求めるためには、きちんと現地調査を行い、長期的なデータを取得することが重要である。解析結果が出たら、トンネル掘削の影響を推定し、影響があると判断されれば事前に対策の検討を行うことになる。
委員A
行政には、NEXCOにどうしてほしいのか等、住民の意見を聞いてほしい。
行政B
農業用水が一番の問題と思われ、住民の不安を解消するようお願いしたい。調査に関する地元説明には、一緒に行っても良い。
行政C
箕面有料道路の事業で、多くの河川等で渇水や水位低下が発生した。地元は自然環境に対する影響に関心が高いと思われる。
行政D
計画されている調査方法が妥当なのか、地元に理解してもらうためにも、説明の際にはもっと判り易い資料が必要である。
委員A
今回の資料では、内容が専門的過ぎるかもしれない。地元の方が理解出来るような資料を別途作成すべきであると思われる。
NEXCO
出来るだけ一般の方にも判り易い資料を後日作成する。
委員A
解析に「3次元浸透流解析」を選択したのは、今ある技術の中で最も良いものを選択したからである。
委員B
解析モデルの提案には、次の3点が重要である。(1)解析手法(トンネルのモデル化に最も適する)(2)パラメータ(飽和-不飽和、1~3次元の全てで利用可能)(3)境界条件(影響力が大きい)
委員A
出来るだけデータは多くある方が良いため、早く現地調査を行いたい。
行政C
工事開始が早く、データを集める時間が少ないのではないか。
NEXCO
今の予定では、トンネル掘削は早いところで平成23年度以降となると思われ、調査期間はまだ余裕があると判断する。
行政A
全体工程から見た現在の進捗状況と今後の計画を、より判り易く説明出来るようにしておいて欲しい。
委員C
解析と現地データは両方とも重要である。解析と現地データの間でキャッチボールをしながら、解析に現地データをどう生かすかが重要である。
地元と行政、委員会と行政との間のキャッチボールも重要である。地元が不安を感じる点は、各地域で違うと思われるため、行政にリストアップしてもらえると今後の検討に有用である。
委員D
今の解析(感度解析)は仮定段階であり、今後は予測の精度が重要となる。現地データが多ければ多いほど解析結果が現状に近づく。従って、現地調査が重要であり、出来るだけ現地データがあったほうが良い。
委員E
解析の精度を上げるためには、取れる限りのデータを取得し、解析モデルに組み込む必要がある。それとともに、取得したデータ自体の精度も考慮する必要がある。解析結果が現状に合わなければ、モデルかデータに問題があると言える。今後は、解析結果が現状にあっているのか、実現象が現れているのかをチェックし、データ自体の精度を考える必要がある。
行政C
委員会の議事録を作成し公開してほしい。また、NEXCOのホームページに載せている委員会結果ももっと詳細なものにしてほしい。
NEXCO
議事録は作成し、公開するものとする。ホームページに掲載する議事内容の報告も、再考するものとする。
以上