平成30年3月29日(木曜) 15時00分~17時00分
西日本高速道路(株)関西支社 新名神大阪西事務所
(兼事務局)
1)新名神高速道路の事業進捗状況について
2)各トンネルの工事完了報告について
3)モニタリングデータの公開について
4)地下水流動対策検討委員会の今後の方針について
NEXCO西日本から 【資料1】(3,401KB) に基づき説明・報告を行った。
NEXCO西日本から 【資料2】(11,670KB) に基づき説明・報告を行った。
NEXCO西日本から 【資料3】(5,552KB) に基づき説明・報告を行った。
NEXCO西日本から資料なしで提案を行った。
止々呂美トンネルで工事中最大湧水量1.2m3/分、平成29年4月とあるが、通常は工事中に最大湧水量があるのだが、止々呂美トンネルでは、掘削延長に伴い徐々に湧水が増え、貫通時で最大になったということか。
工事中に突発湧水はなく、工事中は東側坑口で0.8~0.9m3/分の湧水があり、西側坑口で0.4m3/分の湧水が計測されており、貫通時に集約され、西側坑口で1.2m3/分の湧水量となっている。
箕面トンネル西側坑口を除き、他のトンネルは、1kmあたり0.5m3/分程度の湧水量であることから、止々呂美トンネルの湧水量は、少ないとは言えないが、水の利用者が少なかった。
箕面トンネル東工事では、非排水構造等の対策を行っていただき、懸念していた勝尾寺川への影響がなかったとお聞きし安心した。一方で箕面トンネル西工事では、予測湧水量の0.7m3/分に対し、5.2m3/分の水がでているというのは、多いのではないか。本当に地表への影響はないのか。周辺の井戸では若干の影響があったとお聞きしたが、そのあたりとの関係が今後どうなっていくのか、今後どのように考えていけばよいのか教えていただきたい。
当初、箕面有料道路の施工により地下水位が低下しており、それより高い位置に箕面トンネルを掘削するということで、あまり水は出ないだろうと予測していた。箕面トンネル西坑口には、五月山断層が通っており、箕面有料道路の施工時にも少し影響を与えたが、ぎりぎりのところでかわしていた断層帯を箕面トンネルで掘削したのではないかと考えられる。現在箕面トンネル東西を合わせて、約5m3/分程度の湧水が発生しているが、地上での影響は五月山断層の延長上と思われる一部分であり、大きな影響はでていない。
湧水量が多かったのは、西側坑口から鉢伏山の間あたりで、高山川交差・平行部は、2度超長尺ボーリングを行っているが、予測通りの地質であり、湧水量は少なかった。箕面有料道路の施工で抜けきれていなかった水が残っていたのかも知れない。
地表面への影響が今後どうなっていくのかという懸念がある。五月山断層があることによって、浅い層に影響が全くないとは言い切れないということなのか。
トンネル掘削を行う場合、地表のどの範囲まで影響があるかということは事前に予測は行う。しかし、今回2kmほど離れた所で減水が確認されたと聞いた時には、断層がある場合、予測より非常に広い領域に影響するということがわかった。事前の予測では、平均的な透水係数を使用して行ってきた。ただ、今回影響があった箇所は、農業用水等に使用していた水で、掘削が完了してから流量も大きく変わっていない状況なので、これ以上影響はないと考えている。
影響があった水源等には個別に対応をしていただいていると聞いているが、引き続き丁寧に対応していただきたい。今のところ地表への影響は大きく見られていないが、今後影響が確認された場合は、何らかの対応をお願いしたい。
地表への影響では、水を直接利用する場合と、植生への影響がある。植生への影響については、モニタリングポイント等において、追加で土壌水分の測定を行っているが、影響はでていないので、トンネル掘削により、深層の地下水位が下がっても、植生への影響はほとんどないという答えが出ていると思う。地下水を利用している方々については、NEXCOが個別に対応することで、実質問題解決はできていると思っている。
竜王山トンネルでも井戸等に影響が出ているとのことで、NEXCOが個別に地元と対応してもらっている。
引き続き丁寧な対応をお願いしたい。
竜王山トンネルに関しては、トンネル掘削による影響を、地元の方も懸念されていた。井戸等に影響があった場合は、ポンプアップして水田用のため池に返したり、雑用水の井戸を深く掘りなおす等の対策を行っていくということで、NEXCOも考えている。
竜王山については、安元・忍頂寺・車作地区の3地区の自治会単位で対応をしている。その中でも個人で井戸を使われている方についても、用地対策連絡協議会の基準に則って対応していきたい。協議状況については、市と連携を図りながら進めていきたいので、引き続きご協力をお願いしたい。
原萩谷トンネルの西坑口法面植生は終わっているのか。
厚層吹付はほぼ終わっている。グランドアンカーを施工した範囲が一番時間を要したがほぼ完了している。
今後はこれに沿った形でフリーフレームの施工を行い、緑化をしていく予定である。
箕面トンネル西坑口の湧水量は、何も利用せずに川に流しているだけか。
現在、約4.5m3/分を余野川に流しているが、坑口部に奥山川という普通河川があり、地元から要望があり、市とも相談し、一部の水を利用できる構造としている。
今回同地点で、上層・下層の水位を観測しており、深い層の水位はトンネルの高さまで下がっているが、浅い層の水位は変わっていないという結果が得られている。この結果から、地上部に生息しているヒダサンショウウオ等の生物への影響はほとんどないということが証明できるデータがとれており、環境団体の方にも、トンネルを掘っても、深部の水を下げているが、上層には影響がないということが説明できる貴重なデータだと思う。
深層の水位グラフの振れが、降雨量と呼応しているように見えるが、工事中であることから同調していると考えてよいのか。
工事中の影響と言うよりは、降雨量に影響を受けていると考えている。
トンネルを掘削する前は、被圧で抑えられていた水位が、掘削を行うことで自由水位となり、降雨に反応するようになったと考えられる。
箕面トンネルのモニタリング結果の説明をさせてもらったが、まだ深層の水位の顕著な回復は見られていない状況だが、勝尾寺川の流量については、工事前から変わっておらず、影響はなかったと考えられることから、委員会という形で開催するのは、今回で終了させていただきたい。しかし、今後もモニタリングは引き続き実施し、地下水の動向を確認しながら引き続き行政との協議を行い、今後、適正な時期に、委員長・委員のご意見を伺いながら、終了の時期を検討していきたいと考えている。
この委員会は、地下水への影響を検討し、最終的には非排水構造での施工を行うことを決定し、施工を進めてきた。箕面市域では、以前に地下水に関する問題が発生したこともあり、勝尾寺川の水をいかに守るかということで、堰を設け水路を施工したり、河川部を三面張り構造にしたり、湧水の返水を行うなど新しい試みをいろいろ行ってきた。掘削中は、水を抜かないと工事に危険が伴うことから、一時的に水は抜いて施工を行った。非排水構造が完了しているので、もう少し時間がたてば、水位も回復してくると考えている。当初の目的であった、勝尾寺川の水と、生息しているヒダサンショウウオを守るということは達成できた。原萩谷トンネルにおいては、それほど湧水はないだろうとの予測をたて、結果予測どおりであり、環境は守れたと考えている。まだ、一部水位が回復していないところについて、今後検討していきたいと考えている。行政の方々に、毎回委員会に参加いただき、地元・議会等で状況を丁寧に説明していただいたので、無事にこの工事は完成することができた。まだ、検討事項として残っている課題については、NEXCOが対応していくと思うが、引き続きご協力をお願いしたい。以上、まとめとさせていただく。