BUSINESS PLAN
事業戦略 中期経営計画「進化2025」
高速道路を進化させる
中期経営計画「進化2025」の
5つのビジョン
高速道路ネットワークは、地域と地域をつなぎ、物流や地域経済、救命、防災などを支える重要な社会インフラです。
近年、地球温暖化やデジタル技術の急速な進歩により、高速道路に求められる機能や役割が大きく変化しています。
NEXCO西日本は、こうした変化に柔軟に対応し、高速道路を「進化」させることで、
社会から求められる役割や使命を果たしていきたいと考えています。
その実現を目指し、中期経営計画「進化2025」を掲げ、5つのビジョンと重点施策を策定しています。
NEXCO西日本の目指す未来や考え方をご紹介します。
「進化2025」策定の背景
社会と経営環境の変化
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- 高速道路
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高速道路の老朽化の進行
自動運転技術の向上・発展
自然災害の激甚化・頻発化
次世代自動車の普及 等
CASE※1・MaaS※2の進展 等
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- 社会
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5G大容量通信サービスの開始
ポストコロナ社会の
新しい生活様式の定着AIやICT等の技術革新の進展
少子高齢化の進行
SDGsの取り組み 等
※1 CASE:Connected(コネクテッド)・Autonomous(自動化)・Shared&Service(シェアリング&サービス)・ElECTRIC(電動化)
※2 MaaS:Mobility as a Service(サービスとしての「移動」)
5 つのビジョンと重点施策
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- プロジェクト01 リニューアル
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点検補修の進化
大規模更新・
大規模修繕の推進交通安全対策の進化
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- プロジェクト02 新名神高速道路
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ネットワークの進化
~ミッシングリンクの解消等~ネットワークの強化
~暫定2車線区間の4車線化~高速道路の強靭化
~耐震性の向上~災害対応力の強化
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- 新しいモビリティ社会に向けて高速道路を進化させる
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高速道路機能の
進化物流支援
~休憩施設の充実~料金所の
キャッシュレス化・
タッチレス化道路情報提供の
高度化通信ネットワークの
進化
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- 高速道路の顧客体験価値を高める
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新しい価値を提供するSA・PAの進化
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- 持続的に進化する企業を目指す
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高速道路を活用した
地域貢献社員が活躍できる
環境づくりDX
デジタルトランス
フォーメーション
の推進環境に関する
取り組みの推進
~脱炭素社会に向けて~海外事業の
発展SDGs
達成への貢献
高速道路の安全・安心を
いつまでも守り抜く
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点検補修の進化
高速道路の安全・安心を守るためには、橋梁やトンネルなどの定期的な点検補修が欠かせません。ドローンや高性能カメラ、AIを用いた点検データの分析やセンシング技術を活用し、点検補修の効率化・高度化を図っています。
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▲目視・打音による点検
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▲超高精細画像を用いたコンクリート構造物
点検システム(AutoCIMA)
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大規模更新・大規模修繕の推進
高速道路ネットワークの機能を将来にわたり維持していくため、
リニューアルプロジェクトを推進しています。詳しくは「プロジェクト紹介」をご覧ください。
多発する自然災害から
地域と暮らしを守り抜く
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ネットワークの進化と強化
高速道路には、まだつながっていない区間(ミッシングリンク)や追い越し車線のない区間(暫定2車線区間)が存在します。高速道路の開通がもたらすのは、渋滞緩和や移動時間短縮、物流機能の強化といった利便性の向上だけではありません。緊急医療ルートや災害時の緊急輸送路といった「命の道」の役割を果たします。新規建設や4車線化事業を進め、ネットワークの進化と強化を図ります。新規建設事業「新名神高速道路」については、「プロジェクト紹介」をご覧ください。
- 新規建設区間位置図
- 新名神高速道路大津JCT〜城陽JCT
- 新名神高速道路八幡京田辺JCT〜高槻JCT
- 徳島南部自動車道徳島沖洲IC〜徳島JCT
- 中国自動車道湯田温泉スマートIC
- 九州自動車道人吉球磨スマートIC
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災害対応力の強化
近年、豪雨災害や台風被害などの自然災害が、激甚化、頻発化しています。災害対応力の強化をするために、ランプ部の路肩拡幅や中央分離帯の剛性防護柵の設置、のり面災害等の発生予測や早期発見を行う常時観測環境を整備するなど、減災・縮災に努めています。また、津波や洪水に備え、地方公共団体などの関係機関と協力し、高速道路を活用した避難施設の整備に取り組んでいます。
- 自営回線と無線センサを活用した
のり面などの常時監視
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▲津波一時避難場所の整備(鳴門JCT~徳島IC間)
- 自営回線と無線センサを活用した
新しいモビリティ社会に向けて
高速道路を進化させる
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高速道路機能の進化
官民一体となって進められている自動運転の実現。2020年には、改正道路交通法などが施行され、レベル3(条件付運転自動化)が可能となるなど、技術開発や制度、インフラ整備が進んでいます。NEXCO西日本でも、後続車無人隊列走行システム(東京〜大阪間)の商業化に備え、トラックと一般車両が、安全かつスムーズに走行できるよう、新名神高速道路の6車線整備を進めています。今後、自動運転等の技術革新に対応するため、必要なインフラ環境の整備に取り組みます。
- 新名神高速道路の6車線化の設備
- 後続車無人隊列走行のイメージ
高速道路の
顧客体験価値を高める
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新しい価値を提供するSA・PAの進化
ドライブの途中の休憩場所としてはもちろん、旅の目的地となるようなSA・PAづくりを目指し、店舗のリニューアルを進めています。例えば、新名神高速道路「宝塚北SA」は、「宝塚モダン」を継承する南欧風の建物にリゾートホテルのロビーのようなラウンジ、ショップやフードコートも充実させ、SAそのものが旅の目的地となることを目指して整備。また、関門自動車道「壇ノ浦PA」は、関門海峡と関門橋を間近に望む立地を活かし、2021年に海鮮市場体験エリア「海響市場 壇之浦」としてリニューアルオープン。地域の特色を生かした「ここにしかない出逢い」を演出し、より楽しくより快適にご利用いただけるよう開発を進めています。
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▲宝塚北SA
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▲壇ノ浦PA
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持続的に進化する
企業を目指す
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高速道路を活用した地域貢献
SAで地域と連携したイベントを開催したり、地元と協力・連携した商品開発を行ったり、地域の魅力向上や誘客の取り組みを推進しています。大分県佐伯市への誘客を目的に、佐伯市と連携し、「おかえりなさいきキャンペーン」を実施。新型コロナウイルスの影響を受けている観光業や飲食店を応援する企画となりました。また、佐賀県小城市と福岡地域戦略推進協議会とも「高速道路を活用した地方創生等のプロジェクト連携に関する協定」を締結。リビングラボ※の手法を取り入れ、シェイクや羊羹などのオリジナル商品開発を行い、SAで販売するなどの取り組みを行っています。 ※リビングラボ:
新しいサービスや製品開発において、地域が一体となって課題抽出からサービス開発に至るまでを共創する活動-
▲おかえりなさいきキャンペーン
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▲トラキチ君シェイク
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▲ogi cube羊羹
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DXの推進
工事現場管理の効率化や施工管理技術の高度化を図るため、AIによる画像分析や、UAV(ドローン)を活用した3次元測量等のデジタル技術を活用。また、トラス橋やアーチ橋など、特殊な仕様であるために対象方法が標準化されていない構造物の設計や工事方法を標準化するなど、技術基準の整備も進めています。デジタル技術を活用し、品質・安全管理の強化や現場管理の効率化に取り組んでいます。
- UAVを活用した3次元測量により出来形検査や施工数量の算出を省力化
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環境に関する取り組みの推進 ~脱炭素社会に向けて~
NEXCO西日本は、事業活動が環境に及ぼす影響を真摯に捉え、高速道路事業者としてまた社会の一員として、社員一人ひとりが、環境の保全・改善に積極的に取り組み、持続可能な社会を推進できるよう努めています。環境方針の柱である「脱炭素社会実現」「循環型社会の形成」「自然と共生する社会の推進」の3つをテーマに、毎年、アクションプランを立てて実績を評価しています。具体的には、EVの普及に向けた充電設備の増設や、道路照明のLED化による省エネ、計画的な緑地管理と地域性苗木※を用いたのり面の緑化の推進などに取り組んでいます。 ※地域性苗木:
地域に自然分布している郷土種。その種を育成し、緑化する地域の生態系、生物多様性に配慮した手法-
▲のり面緑化
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▲地域性苗木
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